ベルイシグアト第Ⅲ相臨床試験VICTORのデータが欧州心臓病学会(ESC)学術集会2025で発表

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本資料は8月30日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。

  • 心不全イベントを最近経験していない管理良好な左室駆出率の低下した心不全(HFrEF)患者を対象とするVICTOR試験においてベルイシグアトは主要複合評価項目(心不全による入院、心血管死)を未達
  • 重要な副次評価項目である心血管死はベルイシグアト群で数値上少ない
  • VICTORIA試験とVICTOR試験の統合解析でベルイシグアトは幅広いHFrEF患者の心血管死、心不全による入院のリスクを統計学的有意に減少
  • 第Ⅲ相臨床試験VICTORIAに基づき承認されたHFrEF患者に対する適応におけるベルイシグアトの良好なリスクとベネフィットのプロファイルは変わらず

ドイツ・ベルリン、2025年8月30日 ― 心不全イベントを最近経験していないHFrEF患者を対象としたベルイシグアト(ベリキューボ)の第Ⅲ相臨床試験VICTORの結果が本日、ESC学術集会2025で発表されると同時に、医学誌ランセットに掲載されました。ベルイシグアトをガイドラインに基づく薬物療法(GDMT)に上乗せ投与した場合、プラセボとGDMTの併用と比較して主要複合評価項目(心不全による入院、心血管死)は未達でした。副次評価項目では、GDMTにプラセボを上乗せ投与したときと比べ、ベルイシグアトを上乗せ投与すると、心血管死および全死亡の発現が数値上少ないことが示されました。VICTOR試験におけるベルイシグアトの全体的な安全性プロファイルは、これまでの臨床試験と一貫していました。

 

第Ⅲ相臨床試験VICTORIAに基づき承認されたHFrEF患者に対する適応において、ベルイシグアトの良好なリスクとベネフィットのプロファイルは変わりません。

 

VICTOR試験の治験責任医師で、フランスの循環器専門医、臨床薬理学者であるファイズ・ザナド教授は次のように述べています。「第Ⅲ相臨床試験であるVICTOR試験には、非常に良好な治療を受けているHFrEF患者が組み入れられました。被験者の83%が3種類以上の心不全治療薬を服用しており、47.5%は心不全による入院歴がありませんでした。こうした症状が安定した患者集団において、ベルイシグアト群はプラセボ群と比べ、主要評価項目のイベント発現率が数値上減少しましたが、統計学的有意差を示すまでには至りませんでした。副次評価項目のうち心血管死と全死亡は、ベルイシグアト群においてプラセボ群よりもイベント発現率が数値上減少しました。これらは記述的なデータになりますが、良好に管理されたHFrEF患者における死亡率のデータは好ましい結果といえます」

 

ベルイシグアトは、HFrEF患者11,155人を対象とするVICTORIA試験とVICTOR試験の統合解析において、主要複合評価項目(心血管死、心不全による入院)および各構成要素に関し、幅広いHFrEF患者において一貫して統計学的に有意なリスク減少を示しました。

【VICTOR試験について】

VICTOR試験は、無作為化、二重盲検、プラセボ対照、多施設共同(日本は参加せず)、イベント主導型の第Ⅲ相臨床試験です。過去6カ月間に心不全イベントを経験していない左室駆出率の低下した(左室駆出率40%以下)の成人症候性慢性心不全患者を対象に、ベルイシグアト(ベリキューボ)の有効性と安全性を検討しました。被験者(ニューヨーク心臓協会[NYHA]分類II~Ⅳ)は、ベースライン時点でSGLT2阻害薬(59%)、アンジオテンシン受容体ネプリライシン阻害薬(ARNI、56%)などのGDMTを受けていました。被験者6,105人が無作為割り付けされました1,2

 

【ベリキューボ(ベルイシグアト)について】

ベルイシグアトは、1日1回経口投与の可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)刺激剤です。sGCは一酸化窒素(NO)-sGC-環状グアノシン一リン酸(cGMP)シグナル伝達経路において、重要な役割を果たしています3。心不全はNOの合成障害およびsGC活性の低下と関連しており、これらが心筋および血管機能障害の一因となる可能性があります。ベルイシグアトは、NOとは独立、かつNOと相乗的にsGCを直接刺激することにより細胞内のcGMPのレベルを増加させ、平滑筋の弛緩と血管拡張をもたらします。欧州連合(EU)におけるベリキューボ(ベルイシグアト)の適応は、左室駆出率が低下し、静注療法を必要とする代償心不全イベントを最近経験した後に症状が安定した成人症候性慢性心不全の治療です。

 

※日本においてベリキューボは、日本が参加したVICTORIA試験のデータを基に「慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。」を効能・効果として承認されました。

【バイエルとMSDの全世界における提携】

バイエルとMerck & Co., Inc, Rahway, NJ, USA(米国とカナダ以外ではMSD)は2014年10月より、sGCモジュレーター領域において世界規模で提携しています。両社はアンメットメディカルニーズが高い領域で広くsGCモジュレーターによる治療の可能性を評価します。ベルイシグアトプログラムは、バイエルとMerck & Co., Inc, Rahway, NJ, USAが共同で開発を行っています。Merck & Co., Inc, Rahway, NJ, USAがベルイシグアトの米国内における販売権を有し、バイエルが米国以外の国における独占的販売権を有します。ベルイシグアトの開発費は両社で等分に負担しています。Merck & Co., Inc, Rahway, NJ, USAとバイエルはVICTOR試験を共同で実施しています。

 

【心不全について】

心不全は体内の血液および酸素需要に見合った十分な血液を送り出すための心臓のポンプ機能が徐々に低下することが特徴です。世界中で6,400万人以上が心不全に罹患しています。高齢化の影響もあり、心不全の患者数は今後10年間で大幅に増加すると予測されています4,5,6。5人に1人が心不全を発症するとみられています7。心不全患者は予後不良であり、死亡率は最も一般的ながんと同程度かそれ以上です7。心不全の症状には、めまい、息切れ、疲労、睡眠障害、胸部不快感、浮腫(下肢の腫れ)、慢性的な咳や喘鳴などが挙げられます。心不全の危険因子は、高血圧、糖尿病、喫煙、心筋梗塞の既往、冠動脈疾患です。治療の進歩にもかかわらず、心不全と診断された人の約30%が1年以内に亡くなり、5年後には約40%に増加します7

References:

1. Reddy, YNV et al. European Journal of Heart Failure, 2025;27, 209-218, doi:10.1002/ejhf.3501 
2. Saldarriaga CI et al. European Journal of Heart Failure, 2025; doi:10.1002/ejhf.3598 
3. Ezekowitz JA et al. JACC Heart Fail. 2020;8:931-939
4. Savarese G, et al. Cardiac Failure Review. 2017; Apr;3(1):7-11.
5.  National Health Service. Heart Failure. Available at https://www.nhs.uk/conditions/heart-failure/ Last Access July 2024 
6. Nedkoff L, Weber C. Heart. 2022 Feb 1;108(4):249-250 
7. Virani SS et al. Circulation. 2021;23:143(8):e254-743

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2024年のグループ全体の売上高は466億ユーロ、従業員数は約93,000名、研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。 

バイエル薬品株式会社
2025年9月4日、大阪

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。