バイエルのアスンデキシアン、ISTH出血分類の重大な出血事象を増加させることなく非心原塞栓性虚血性脳卒中・高リスク一過性脳虚血発作発症後の脳卒中をプラセボと比較して26%減少

本資料は2月5日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。

  • OCEANIC-STROKE試験では非心原塞栓性虚血性脳卒中・高リスク一過性脳虚血発作の発症後患者において抗血小板療法との併用下でアスンデキシアンの投与によりプラセボと比較して脳卒中の再発リスクが有意に減少
  • 年齢・性別など主要な患者特性、脳卒中の原因や重症度にかかわらず全ての患者サブグループで一貫した結果
  • ISTH(国際血栓止血学会)出血分類による重大な出血事象の増加は認められず軽微な出血、出血性脳卒中、症候性頭蓋内出血、致死的出血のリスクはプラセボと同程度
  • 被験者12,327人が登録されたOCEANIC-STROKE試験はプラセボと比較して虚血性脳卒中再発抑制の優越性を検証し初めて成功裏に完了した血液凝固第Ⅺa因子阻害薬の第Ⅲ相臨床試験

米国・ニューオーリンズ、2026年2月5日 ― ドイツ・バイエル社は、開発中の1日1回投与の経口第Ⅺa因子阻害薬アスンデキシアン(50mg)の使用について、抗血小板療法との併用下でプラセボと比較検討した国際共同第Ⅲ臨床試験OCEANIC-STROKEの結果を発表しました。アスンデキシアンは、非心原塞栓性虚血性脳卒中(非心原性虚血性脳卒中)または高リスク一過性脳虚血発作の発症後患者において、ISTH出血分類による重大な出血事象のリスクを増加させることなく、虚血性脳卒中を26%有意に減少させました[原因別ハザード比(csHR):0.74、95%信頼区間(CI):0.65–0.84、p<.0001]。これらの知見は、年齢・性別、インデックスイベント(脳卒中・高リスク一過性脳虚血発作)、脳卒中サブタイプ、米国国立衛生研究所脳卒中スケール(NIHSS)、血栓溶解療法などの急性期脳卒中治療、抗血小板薬単剤療法(SAPT)または抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)にかかわらず一貫していました。本結果は米国ルイジアナ州ニューオーリンズで開催された国際脳卒中学会2026で発表されました。OCEANIC-STROKE試験は、虚血性脳卒中の再発リスク減少に関してプラセボとの比較により優越性を検証し、初めて成功裏に完了した血液凝固第Ⅺa因子阻害薬の第Ⅲ相臨床試験です。

 

OCEANIC-STROKE試験の治験責任医師でマクマスター大学脳卒中予防のMichael G. DeGroote Chair、PHRI(マクマスター大学とハミルトンヘルスサイエンスの共同研究所)シニアサイエンティストであるマイク・シャーマ氏は次のように述べています。「脳卒中は患者さんの人生を変えてしまう病気であり、社会全体で健康を守る活動を進める上で大きな負担となっています。OCEANIC-STROKE試験から得られた知見は注目すべき研究成果です。アスンデキシアンは、プラセボと比較して脳卒中リスクを大幅に減少させるとともに、持続的な治療効果と、ISTH出血分類による重大な出血事象を増加させない安全性プロファイルを示しました。脳卒中再発の世界的な負担を軽減するために、何十年も取り組んできた臨床医や研究者にとって、OCEANIC-STROKE試験の結果は、この分野が長年達成を目指してきた科学的進歩の体現といえるでしょう」

 

主要評価項目に加え、副次評価項目では、アスンデキシアンがプラセボと比較してあらゆる種類(虚血性脳卒中、出血性脳卒中)の脳卒中リスクを26%減少させたことが示されました(6.6% vs. 8.8%、csHR:0.74、95%CI:0.65-0.84、p<.0001)。さらに、抗血小板療法との併用下で、アスンデキシアンはプラセボと比較して、次の有効性副次評価項目を達成しました:心血管死、心筋梗塞または脳卒中の複合評価項目、全死亡、心筋梗塞または脳卒中の複合評価項目。

 

安全性主要評価項目の解析では、アスンデキシアンはプラセボと比較して、ISTH出血分類の重大な出血事象の発現割合に増加は認められませんでした[1.9% vs. 1.7%、ハザード比(HR):1.10、95%CI:0.85–1.44]。事前規定された安全性副次評価項目においても、出血リスクはプラセボと同程度でした。

 

OCEANIC-STROKE試験は、TOAST(Trial of Org 10172 in Acute Stroke Treatmen)分類に基づく全ての一般的な脳卒中サブタイプを対象に計画されました。インデックスイベントの虚血性脳卒中としては、大動脈アテローム性動脈硬化症(43%)、小血管閉塞(ラクナ)(23%)、原因不明の脳卒中(30%)、その他病因(3%)、心原塞栓性脳卒中(2%)が登録されました。評価対象となった全てのTOASTサブタイプにおいて、アスンデキシアンはプラセボと比較して虚血性脳卒中の再発頻度が低値でした。

 

OCEANIC-STROKE試験の共同治験責任医師で、PHRIシニアサイエンティストであるアシュカン・ショアマネシュ氏は次のように述べています。「本試験で対象としたあらゆるタイプの脳卒中において、アスンデキシアンによる一貫したイベント再発リスクの減少は特に注目に値します。OCEANIC-STROKE試験は、臨床現場で見られる多様な脳卒中の症状に、結果を応用することを目的としてデザインされました。承認されれば、アスンデキシアンは幅広い脳卒中の患者さんにおける再発抑制の重要な選択肢となり得るという確信が、本結果より得られました」

 

世界では毎年約1,200万人が脳卒中を発症し、このうち20~30%が脳卒中の再発です1,2。再発抑制の治療選択肢が存在するにもかかわらず、再発リスクは依然として高く、脳卒中経験者の5人に1人が5年以内に再発を経験します3。脳卒中は世界で2位の死因であり、虚血性脳卒中の再発は初回発症時よりも重篤な障害を残し、死亡リスクも高い傾向にあります2,4,5

 

ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「脳卒中は、社会全体で健康を守る活動を進める上での緊急事態です。OCEANIC-STROKE試験の画期的な結果を踏まえ、アスンデキシアンが患者さんと介護者の生活の質向上に大きく貢献し、世界中の医療制度にプラスの影響をもたらすと確信しています。本試験に協力いただいた研究者と患者さんに心より感謝を申し上げるとともに、今後の展開を楽しみにしています」

 

バイエル社は、アスンデキシアンの販売承認取得に向け、OCEANIC-STROKE試験のデータを規制当局に承認申請する予定です。アスンデキシアンは、非心原塞栓性虚血性脳卒中の発症後患者における脳卒中発症抑制の治療法候補として、米国食品医薬品局(FDA)よりファストトラック指定を受けています。アスンデキシアンは開発中の化合物であり、規制当局によって使用が承認された国や適応症はありません。

【OCEANIC-STROKE試験について】

OCEANIC-STROKE試験は、非心原塞栓性虚血性脳卒中または高リスク一過性脳虚血発作の発症後患者を対象に、経口第Ⅺa因子阻害薬アスンデキシアン50mgの1日1回投与と抗血小板療法を併用したときの虚血性脳卒中の発症抑制効果と安全性をプラセボと比較検討しました。本試験は多施設共同、国際共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較、イベント主導型試験であり、全世界で被験者12,327人が無作為化されました。主要評価項目は虚血性脳卒中が最初に発現するまでの時間、安全性主要評価項目は重大な出血の初発までの時間でした。

 

【血液凝固第Ⅺa因子阻害薬とアスンデキシアンについて】

血液凝固第Ⅺa因子(FⅪa)は血液凝固経路のタンパク質であり、止血と血栓形成において異なる役割を担います。FⅪaは、血管損傷部位の出血を止める止血栓の形成において、軽微な役割を担っています。
アスンデキシアンは1日1回経口投与の治験薬であり、規制当局によって使用が承認された国や適応症はありません。

References:
1. Feigin VL, et al. World Stroke Organization (WSO): global stroke fact sheet 2022. International Journal of Stroke. 2022 Jan;17(1):18-29.
2. Feigin VL, et al. Pragmatic Solutions to Reduce Global Burden of Stroke. Lancet Neurol. 2023;22:1160–1206.
3. Kolmos M, et al. Recurrent ischemic stroke–a systematic review and meta-analysis. Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases. 2021 Aug 1;30(8):105935.
4. Rochmah TN, et al. Economic burden of stroke disease: a systematic review. International journal of environmental research and public health. 2021 Jul 15;18(14):7552.
5. Skajaa N, et al. Risks of stroke recurrence and mortality after first and recurrent strokes in Denmark: a nationwide registry study. Neurology. 2022 Jan 25;98(4):e329-42.

循環器・脳血管治療薬に対するバイエルのコミットメントについて

バイエルは循環器領域のリーダーであり、アンメットメディカルニーズの高い循環器・脳血管疾患の革新的な治療薬のポートフォリオを推進しています。当社は、そうした疾患(脳卒中、心不全、心筋症、慢性腎臓病など)の治療に向けた革新的な治療薬の開発に明確な焦点を当てており、これらの疾患を持つ患者さんのケアにおいて主導的な役割を果たすことを目指しています。バイエルは、強固かつ多様なパイプラインにより、循環器・神経領域の未来を積極的に形作っています。戦略的に位置付けられたパイプラインにより、重要なアンメットニーズに対応し、長期的な価値を大きく推進することを目指しています。バイエルのポートフォリオには、革新的な製品や前臨床および臨床開発のさまざまな段階にある複数の化合物がすでに含まれています。

 

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2024年のグループ全体の売上高は466億ユーロ、従業員数は約93,000名、研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

バイエル薬品株式会社
2026年2月12日、大阪

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

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