バイエル薬品 「ニュベクオ®」、アンドロゲン受容体陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌に係る製造販売承認事項一部変更承認を取得

  • アンドロゲン受容体陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌を対象とした国内第II相医師主導試験成績に基づく承認
  • 前立腺癌に続き、日本国内においてニュベクオ®にとって3つ目の適応症の承認取得

大阪、2026年3月23日 ― バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:アシュラフ・アルオウフ、以下「バイエル薬品」)は、経口アンドロゲン受容体阻害剤(androgen receptor inhibitor: ARi)であるニュベクオ® (一般名:ダロルタミド)について、「アンドロゲン受容体陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌」を効能又は効果として、製造販売承認事項一部変更承認を取得しました。本適応症に対し、日本国内で初めてかつ唯一承認された薬剤です。また、同適応症に対しては、2025年2月28日に厚生労働省より希少疾病用医薬品の指定を受けています。

 

唾液腺癌は、唾液を分泌する唾液腺から発生する頭頸部悪性腫瘍であり、国内の罹患数は年間1,000例未満と日本では希少がん1に分類されています。唾液腺癌の病理組織型は20種類以上と非常に多彩であることが特徴で、様々なタンパクの発現が知られています。その一種であるアンドロゲン受容体(AR)は、複数の組織型での発現が知られており、特に唾液腺導管癌ではARの発現が高頻度で報告されています2。現在、AR陽性の唾液腺癌患者さんに対して確立された標準的薬物治療はなく、依然としてアンメットメディカルニーズが高い領域です。

 

今回の承認は、AR陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌の患者さんを対象に、ニュベクオ®とゴセレリン酢酸塩(以下、ゴセレリン)の併用による有効性および安全性を検討した、国内第II相医師主導治験(DISCOVARY試験)に基づくものです。本試験の主要評価項目である客観的奏効率(objective response rate: ORR)は45.2% (90% CI, 29.7-61.3%, N=31)で、臨床的に意義のある改善が示されました。また、副次評価項目である病勢制御割合  (disease control rate: DCR) は64.5% (95% CI, 45.4-80.8%, N=31)でした。ニュベクオ®とゴセレリンの併用療法に関する安全性プロファイルは、これまでに前立腺癌患者さんで蓄積された安全性データと同様に良好と考えられ、AR陽性唾液腺癌患者さんで新たな安全性上の懸念は認められませんでした。

 

DISCOVARY試験の研究代表者である国立がん研究センター東病院頭頸部内科長である田原信先生は次のように述べています。「アンドロゲン受容体陽性で、手術や放射線療法により根治が見込めない進行・再発の唾液腺癌では、これまで薬物療法が確立されていませんでした。今回のニュベクオ®の承認により、生活の質(quality of life: QOL)を保ちながら臨床的に意義のある治療が可能となる新たな選択肢が増えることで、患者さんにとって新たな希望となることを期待しています」

 

バイエル薬品カントリーメディカルダイレクター・メディカルアフェアーズ&ファーマコビジランス本部長である山中聡は、次のように述べています。「ニュベクオ®は2020年に国内で初めて承認されて以降、多くの前立腺癌患者さんの医療に貢献してきました。一方、唾液腺癌は組織型が多彩で、組織型により予後や特徴が異なることから、使用可能な薬物治療が限られ、アンメットメディカルニーズが残されていました。このたび、先生方が唾液腺癌のAR陽性に着目した試験を実施され、ニュベクオ®とゴセレリンの併用が承認されたことで、AR陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌患者さんに新たな治療選択肢をお届けできることを嬉しく思います。ニュベクオ®をベースとした治療法を通じ、日本のがん医療に貢献するとともに、今後も患者さんの治療アウトカム向上に向け、引き続き取り組んでいきます」

【ニュベクオ®(ダロルタミド)について】

ニュベクオ®は、経口で投与するARiで、ARと高い親和性で結合し、強力な阻害作用を発揮する独自の化学構造を持っています。これにより、受容体機能とアンドロゲン依存性腫瘍の増殖を阻害します。本剤は、遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌および遠隔転移を有する前立腺癌の治療薬として、米国や欧州のほか、その他複数の国や地域で承認を取得しています。さらに、根治目的の外科手術や放射線療法後に前立腺特異抗原(prostate-specific antigen: PSA)値の上昇が認められた患者さんを対象として、ニュベクオ®投与による治療の可能性を検討する試験も実施しています。

 

日本国内においては、ニュベクオ®は遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌および遠隔転移を有する前立腺癌の治療薬として承認を取得しています。今回の承認取得は、ニュベクオ®にとって日本での3つ目の適応症となります。

 

【DISCOVARY試験について】

DISCOVARY(NCT05694819)試験は、AR陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌を対象として、ニュベクオ®単剤投与およびニュベクオ®とゴセレリン併用投与の有効性および安全性を評価する、多施設共同、非盲検、非対照、医師主導の国内第Ⅱ相試験であり、計57名の患者さんが登録されました。試験では、ニュベクオ®600mg 1日2回経口投与の単剤群(24例)と、ニュベクオ®600mg 1日2回経口投与およびゴセレリン1回3.6mgを4週間隔で皮下投与した併用群(33例)が評価されました。本試験の主要評価項目はORRでした。副次評価項目は、DCR、臨床的有用割合(CBR:clinical benefit rate)、奏功期間(DOR:duration of response)、無増悪生存期間(progression-free survival: PFS)、全生存期間(overall survival: OS)などが含まれました。

 

【唾液腺癌について】

唾液腺癌は、唾液を分泌する唾液腺に発生する頭頸部悪性腫瘍であり、日本では年間の罹患数が1,000例未満とされ、希少がん1に指定されています。唾液腺癌の病理組織型は20種類以上におよび、ARなど複数のタンパクの発見が報告されています。現在、主な治療法は手術や放射線治療、薬物治療ですが、AR陽性唾液腺癌に対し、確立された薬物治療はありません。

<ニュベクオ®錠の概要> 下線部追加

販売名:

ニュベクオ®錠300mg

 

一般名:

ダロルタミド(darolutamide)

 

効能・効果:

遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌
遠隔転移を有する前立腺癌
アンドロゲン受容体陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌

 

用法・用量:

〈遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌〉
通常、成人にはダロルタミドとして1回600mgを1日2回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈遠隔転移を有する前立腺癌〉
ドセタキセルとの併用において、通常、成人にはダロルタミドとして1回600mgを1日2回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。
〈アンドロゲン受容体陽性の根治切除不能な進行・再発の唾液腺癌〉
ゴセレリン酢酸塩との併用において、通常、成人にはダロルタミドとして1回600mgを1日2回、食後に経口投与する。なお、患者の状態により適宜減量する。

 

製造販売承認日:

2020年1月23日(遠隔転移を有しない去勢抵抗性前立腺癌)
2023年2月24日(遠隔転移を有する前立腺癌)

 

効能・効果追加承認日:

2026年3月23日

 

製造販売元:

バイエル薬品株式会社

References:

1. 日本頭頸部癌学会 全国登録2021年度初診症例の報告書. http://www.jshnc.umin.ne.jp/report.html. Accessed February 2026.
2. Dalin M, et al: Androgen Receptor Signaling in Salivary Gland Cancer. Cancers (Basel). Cancers (Basel). 2017 Feb 8;9(2):17. Accessed February 2026.

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2025年のグループ全体の売上高は456億ユーロ、従業員数は約88,000名、研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

 

バイエル薬品株式会社について

医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、アンメットメディカルニーズの高い循環器・腎・代謝領域、オンコロジー領域、眼科領域などのスペシャリティ領域、画像診断領域にフォーカスし、革新的医薬品の提供を通じて高齢化が進む日本の患者さんの健康寿命の延伸とQOLの向上に努めています。コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠前から妊娠期間及び産後・授乳期を通じて栄養をサポートするサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook, YouTubeをご参照ください。

バイエル薬品株式会社
2026年3月23日、大阪

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

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