バイエル薬品 非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬「ケレンディア®」に慢性腎臓病領域の適応拡大を承認申請
- ケレンディア®が非糖尿病性慢性腎臓病(CKD)患者の腎機能低下を有意に遅らせ、心腎複合エンドポイントの発現リスクも有意に低下させることを示した国際共同第Ⅲ相臨床試験FIND-CKDのデータを用いて適応拡大を承認申請
- より幅広く多様なCKD患者への貢献を目指す
大阪、2026年8月28日 ― バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:アシュラフ・アルオウフ、以下「バイエル薬品」)は、非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)「ケレンディア®」(一般名:フィネレノン)について、CKD領域の適応を拡大するため本日、厚生労働省へ承認申請しましたのでお知らせします。ケレンディア®の使用は現在、2型糖尿病を合併するCKD患者に限られていますが、本申請が承認されれば、より幅広く多様なCKD患者へ貢献できることになります。
今回のケレンディア®の適応拡大に関する承認申請は、日本人を含む非糖尿病性CKD患者約1,500人以上を対象とした国際共同第Ⅲ相臨床試験FIND-CKDのデータを用いて行いました。同試験においてケレンディア®を標準治療に上乗せ投与した場合、主要評価項目を達成して腎機能の低下を有意に遅らせるとともに、主要な副次評価項目である心腎複合エンドポイント[腎不全、57%以上の持続的な推算糸球体濾過量(eGFR)低下、心不全による入院または心血管死]の発現リスクを有意に低下させることが示されました。また、同試験におけるケレンディア®の忍容性は良好で、既知の安全性プロファイルと一貫していました。本試験データは、第63回欧州腎臓学会(ERA)学術集会2026で2026年6月に発表され、医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに同時掲載されました1。
非ステロイド型選択的MRAであるケレンディア®は、ミネラルコルチコイド受容体(MR)経路を標的とし、MRの過剰活性化による悪影響を抑制することが示されています。MRの過剰活性化は、糖尿病性および非糖尿病性CKDに共通する病態経路であり、炎症、線維化およびCKDの進行を促進します。
CKDは、日本において患者数約2,000万人(成人の5人に1人)と推定される重要な健康課題です2。CKDでは腎機能の低下が進行するだけでなく、心血管疾患の発症リスクも高まることが知られており、心臓と腎臓を包括的に保護する重要性が高まっています。CKDの原因疾患は多岐にわたり、糖尿病を伴わない非糖尿病性CKDには、高血圧性腎硬化症や慢性糸球体腎炎などさまざまな疾患が含まれています。非糖尿病性CKDでは、現在の標準治療下においても腎疾患の進行や心血管リスクが依然として課題であり、新たな治療選択肢に対するニーズが存在しています。
心血管疾患、腎疾患、代謝疾患は互いに影響し合い、悪循環を引き起こすことが注目されています。バイエル薬品は、ケレンディア®が心・腎・代謝(CKM)症候群の患者さんに対する標準治療薬として心臓・腎臓を守ることを目指しており、CKM症候群の患者さんにおけるアンメットメディカルニーズの解決に取り組んでまいります。
【ケレンディア®(フィネレノン)について】
ケレンディア®(一般名:フィネレノン)は、ドイツ・バイエル社が創製した1日1回経口投与の非ステロイド型選択的MRAです。ケレンディア®は、MRの過剰活性化による悪影響を抑制することが示されています。MRの過剰活性化は、代謝、血行動態、炎症や線維化の要因によって引き起こされる可能性のあるCKDの進行や心血管障害に関与します。
ケレンディア®は日本において、2つの第Ⅲ相臨床試験FIDELIO-DKD、FIGARO-DKDの結果に基づき、厚生労働省より「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病 ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。」を効能・効果として2022年3月に承認され、同6月よりバイエル薬品が販売しています。2025年12月には、第Ⅲ相臨床試験FINEARTS-HFの結果に基づき、「慢性心不全 ただし、慢性心不全の標準的な治療を受けている患者に限る。」の効能・効果が追加承認されました。一方、グローバルでは、2型糖尿病を合併するCKDの適応は米国、欧州連合(EU)など世界100カ国以上、また、慢性心不全の適応は米国、EUなどで承認されています。
【CKDについて】
日本には約2,000万人(成人5人に1人)のCKD患者がいると推定されていますが、死に至る危険があることはあまり認識されていません。CKDの進行は静かで予測不能であり、進行するまで多くの症状は現れません。CKDが進行すると、患者さんは命をつなぐために透析や腎臓移植が必要になる場合があります。健康な腎臓は体内のフィルターとして機能し、血液から老廃物を取り除きます。また、体内の水分や電解質のバランスを調整し、血圧を調節する役割も担っています。腎機能が低下すると、患者さんには下肢のむくみ、日中の倦怠感、吐き気、筋けいれん、関節痛、混乱、集中力の低下、記憶障害など、さまざまな症状が現れる可能性があります。CKDの主な原因疾患としては、糖尿病、高血圧、糸球体疾患(IgA腎症、巣状分節性糸球体硬化症、膜性腎症など)が挙げられます。
※フィネレノンの日本における効能・効果のうち「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病 ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。」について: 日本人部分集団では、第III相臨床試験FIDELIO-DKDの主要評価項目の複合エンドポイントにおいて、フィネレノンのプラセボに対するハザード比は0.91であった一方で、同試験の主要評価項目の構成要素の腎不全、および第III相臨床試験FIGARO-DKDの副次評価項目の腎複合エンドポイントにおいては、フィネレノンのプラセボに対するハザード比が1を上回りました。試験の対象となった全体集団と比べて日本人ではフィネレノンの腎不全への進展抑制効果が弱い可能性があります。
References:
1. Heerspink HJL et al. N Engl J Med. 2026 Jun 4. doi:10.1056/NEJMoa2604625.
2. 日本腎臓学会(編). CKD診療ガイド2024. 東京医学社, 2024.
循環器疾患および腎疾患におけるバイエルのコミットメントについて
バイエルは、循環器疾患領域における革新的リーダーとして、革新的治療のポートフォリオを充実させることで、Science for a better lifeをお届けできるよう長年にわたり取り組んでいます。心臓と腎臓は健康や疾患において密接に関わっており、バイエルはアンメットメディカルニーズが高い循環器疾患と腎疾患に対する新しい治療アプローチについて、幅広い領域で取り組んでいます。バイエルの循環器フランチャイズには多くの製品があり、前臨床および臨床開発のさまざまな段階にあるその他いくつかの化合物があります。これらの製品・化合物は、循環器疾患の治療法に影響を与える可能性のある標的やシグナル伝達経路を優先的に開発するバイエルのアプローチを反映しています。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2025年のグループ全体の売上高は456億ユーロ、従業員数は約88,000名、研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエル薬品株式会社について
医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、循環器・腎・代謝領域、オンコロジー領域、眼科領域、婦人科領域、血液領域、画像診断領域に、コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠準備と妊娠期間を支援するサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp,Facebook,YouTubeをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2026年8月28日、大阪
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
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