フィネレノンとSGLT2阻害薬の同時併用療法、主要な患者サブグループに対する有効性がCONFIDENCE試験の最新データで明らかに

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  • 2型糖尿病を合併する慢性腎臓病(CKD)患者においてベースライン時のグルカゴン様ペプチド-1受容体作動薬(GLP-1 RA)の使用状況が異なる集団およびアジア人集団に対するフィネレノンとナトリウム・グルコース共輸送体2(SGLT2)阻害薬の同時併用療法の有効性が第Ⅱ相臨床試験CONFIDENCEの新規データより明らかに
  • 2型糖尿病を合併するCKD患者のアウトカム改善には病態進展の複数要因を標的とする必要があり同時併用療法が単剤療法よりもCKD進行や心血管障害の抑制に役立つ可能性

大阪、2025年10月2日 ― バイエル薬品株式会社(本社:大阪市、代表取締役社長:アシュラフ・アルオウフ、以下「バイエル薬品」)は、2型糖尿病を合併する成人CKDを対象に、非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)「ケレンディア®」(一般名:フィネレノン)とSGLT2阻害薬エンパグリフロジンの同時併用療法を検討した第Ⅱ相臨床試験CONFIDENCEから得られた2つの最新解析結果が、EASD 2025で発表されたことをお知らせします。事前規定された新たな2つのサブグループ解析では、CONFIDENCE試験で示されたベネフィットが、ベースライン時のGLP-1 RA投与患者やアジア人患者においても一貫して示されました。解析結果はそれぞれ、医学誌ダイアベティス・ケアおよびクリニカル・ジャーナル・オブ・アメリカン・ソサエティ・オブ・ネフロロジーに同時掲載されました。

 

CONFIDENCE試験は、2型糖尿病を合併するCKD患者を対象に、尿中アルブミン/クレアチニン比(UACR)低下に関して、フィネレノンとエンパグリフロジンの同時併用療法が、いずれかの単剤療法と比べて優越性があるかどうかを検討しました(主要評価項目:併用療法群と各単剤療法群におけるベースラインから180日時点までのUACRの相対変化)。その結果、同時併用療法はいずれかの単剤療法と比較して、UACRの有意な低下を示しました。本結果は、欧州腎臓学会(ERA)2025年年次学術集会で発表されると同時に、医学誌ニュー・イングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載されました。

 

9月16~19日にオーストリアで開催されたEASD 2025におけるCONFIDENCE試験に関する発表には、GLP-1 RA使用患者を対象に、フィネレノンとエンパグリフロジンの同時併用療法による効果に影響があるかどうかを検討した事前規定のサブグループ解析が含まれていました。同試験ではベースライン時に、約23%の被験者がGLP-1 RAを使用していました。GLP-1 RA使用患者では180日目において、併用療法群はUACRがベースラインから51%低下したのに対し、フィネレノン単剤療法群では34%、エンパグリフロジン単剤療法群では36%それぞれ低下しました。UACRのベースラインからの変化について、併用療法群を各単剤療法群と比較した場合、併用療法群はフィネレノン単剤療法群と比べ25%、またエンパグリフロジン単剤療法群と比べ23%それぞれ低下しました。GLP-1 RA使用患者において、試験薬投与下で見られた有害事象の高カリウム血症は、併用療法群が9.0%、フィネレノン単剤群が11.5%、エンパグリフロジン単剤群が6.5%でした。GLP-1 RAの非使用患者では順に、9.5%、11.3%、2.9%でした。本サブグループ解析の結果より、GLP-1 RAの使用有無にかかわらず、フィネレノンとSGLT2阻害薬の同時併用療法は有効であり、忍容性は良好であることが示されました。

 

一方、CONFIDENCE試験のもう一つのサブグループ解析では、アジア地域(日本、インド、韓国、台湾)から組み入れられた被験者(同試験登録者の約半数)を対象に検討が行われ、フィネレノンとエンパグリフロジンの同時併用療法は有効であり、忍容性が良好であることが示されました。アジア人集団における180日目の同時併用療法群のUACR低下は、フィネレノン単剤療法群と比べ30%(95%信頼区間12%-45%;P=0.003)、エンパグリフロジン単剤療法群と比べ34%(同16%-47%;P<0.001)それぞれ大きくなりました。また、アジア人集団の有害事象および重篤な有害事象は、ヨーロッパ・北米集団と比較して全体的に数値上少なかったものの、高カリウム血症はアジア人集団に多く見られました(治験責任医師報告:10%、7%、血清カリウム値5.5mmol/L超:19%、11%)。

 

世界人口の60%以上をアジア地域が占めており、特に南アジア集団では2型糖尿病の有病率が高い1ことを考慮すると、得られた知見は特に重要です。今後数年のうちに、世界中で2型糖尿病患者数が急速に増加する2ことに伴いCKD患者数も増加する見込みです。CKD進行を抑制、あるいは阻止するとともに、この患者集団における高い心血管疾患の罹患率および死亡率に対処する根本的な疾患メカニズムを効果的に標的とする新たな治療薬の必要性が高まっています。

 

日本では、「糖尿病が強く疑われる者(糖尿病有病者)」「糖尿病の可能性を否定できない者(糖尿病予備群)」は合わせて約2,000万人と推計されています3。2型糖尿病患者の最大40%がCKDを発症します4。2型糖尿病を合併するCKDは気付かないうちに進行し、進行した段階になるまで症状が現れないことが多い主要な合併症です5。2型糖尿病とCKDの合併患者は、2型糖尿病のみの場合よりも心血管疾患で亡くなるリスクが3倍高く6、心血管疾患と腎疾患の両方のリスクを低減できる治療法の必要性が極めて高くなっています。

 

バイエル薬品カントリーメディカルディレクター・メディカルアフェアーズ&ファーマコビジランス本部長の山中聡は次のように述べています。「2型糖尿病を合併するCKDの患者さんのアウトカム改善に向けて、病態進展の複数要因を標的とする集学的治療の必要性を認識しています。実臨床におけるフィネレノンとSGLT2阻害薬の併用療法による心血管および腎臓に対する相加的なベネフィットの可能性を示す上で、CONFIDENCE試験のような研究は極めて重要です。当社は、医療従事者が日常的に直面する課題に対応する革新的な治療法を開発し、こうした患者さんのアウトカム改善に向けて引き続き尽力してまいります」

【ケレンディア®(フィネレノン)について】

ケレンディア®(一般名:フィネレノン)は、ドイツ・バイエル社が創製した1日1回経口投与の非ステロイド型選択的MRAです。ケレンディア®は、ミネラルコルチコイド受容体(MR)の過剰活性化による悪影響を抑制することが示されています。MRの過剰活性化は、代謝、血行動態、炎症や線維化の要因によって引き起こされる可能性のあるCKDの進行や心血管障害に関与します。

 

ケレンディア®は日本において、2つの第Ⅲ相臨床試験FIDELIO-DKD、FIGARO-DKDの結果に基づき、厚生労働省より「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病 ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。」を効能・効果として2022年3月に承認され、同6月よりバイエル薬品が販売しています。ケレンディア®はCKDの治療薬として米国、欧州など95カ国以上で承認されています。米国では、左室駆出率40%以上の心不全(HF)治療薬としても承認されており、日本、中国、欧州でもHFの治療薬として承認申請中です。

 

ケレンディア®の臨床試験プログラムFINEOVATEは現在、HFとCKDをそれぞれ対象とした第Ⅲ相臨床試験10試験で構成されています。HFのMOONRAKERプログラムには、完了した第Ⅲ相臨床試験FINEARTS-HFに加え、進行中の研究者主導共同試験であるREDEFINE-HF試験、CONFIRMATION-HF試験およびFINALITY-HF試験が含まれています。一方、CKDのTHUNDERBALLプログラムは、完了した第Ⅲ相臨床試験FIDELIO-DKD試験、FIGARO-DKD試験、第Ⅱ相臨床試験CONFIDENCEに加え、進行中のFIND-CKD試験、FIONA試験、FIONA-OLE試験、FINE-ONE試験で構成されています。

【CONFIDENCE試験について】

CONFIDENCE(COmbinatioN effect of FInerenone anD EmpaglifloziN in participants with CKD and T2D using an UACR Endpoint)試験は、無作為化、二重盲検、二重ダミー、多施設、3群並行群間比較、第Ⅱ相臨床試験でした。本試験の主要目的は、2型糖尿病を合併するCKD患者を対象に、UACR低下に関して、フィネレノンとエンパグリフロジンの同時併用療法がいずれかの単剤療法と比べて優越性があるかどうかを検討することでした。主要評価項目は、併用療法群と各単剤療法群におけるベースラインから180日時点までのUACRの相対変化でした。CONFIDENCE試験では、スクリーニング時の推算糸球体濾過率(eGFR)とUACRにより層別化し、被験者818人を1対1対1の割合で無作為割り付けしました。被験者は、フィネレノン(10または20mgを1日1回)とエンパグリフロジン(10mg)、フィネレノン(10または20mg)とプラセボ、またはエンパグリフロジン(10mg)とプラセボのいずれかを服用しました。

 

※フィネレノンの日本における効能・効果は「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病 ただし、末期腎不全又は透析試行中の患者を除く。」です。日本人部分集団では、第Ⅲ相臨床試験FIDERIO-DKDの主要評価項目の複合エンドポイントにおいて、フィネレノンのプラセボに対するハザード比は0.91であった一方で、同試験の主要評価項目の構成要素の腎不全、および第Ⅲ相臨床試験FIGARO-DKDの副次評価項目の腎複合エンドポイントにおいては、フィネレノンのプラセボに対するハザード比が1を上回りました。試験の対象となった全体集団と比べて日本人ではフィネレノンの腎不全への進展抑制効果が弱い可能性があります。

References:
1. Viswanathan Mohan; Lessons Learned From Epidemiology of Type 2 Diabetes in South Asians: Kelly West Award Lecture 2024. Diabetes Care 22 January 2025; 48 (2): 153–163. https://doi.org/10.2337/dci24-0046
2. Ann M Carracher et al; J Diabetes. 2018 May;10(5):353-356. doi: 10.1111/1753-0407.12644. Epub 2018 Feb 13.
3. 厚生労働省. 2016年「国民健康・栄養調査」
4. International Diabetes Federation. 2020. Available at: https://idf.org/europe/life-with-diabetes/diabetes-related-complications/chronic-kidney-disease/ . Last accessed: May 2025
5. Khan et al; J Coll Physicians Surg Pak. 2018;28(12):960-966.
6. Afkarian M, et al; J Am Soc Nephro. 2013;24:302-308.

循環器疾患および腎疾患におけるバイエルのコミットメントについて

バイエルは循環器領域のリーダーであり、革新的な治療薬のポートフォリオを推進しています。心臓と腎臓は健康や疾患において密接に関わっており、バイエルはアンメットメディカルニーズが高い循環器疾患と腎疾患に対する新しい治療アプローチについて取り組んでいます。バイエルのポートフォリオを心臓病に対する精密医療へと転換させ、循環器疾患による大きな負担に対処して長期的な成長を促進することにより、今後の循環器市場における未来を切り開くことを戦略としています。バイエルのポートフォリオには、革新的な製品や前臨床および臨床開発のさまざまな段階にある複数の化合物がすでに含まれています。これらの製品・化合物は、循環器疾患の治療法に影響を与える可能性のある標的やシグナル伝達経路を優先的に開発するバイエルのアプローチを反映しています。

 

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2024年のグループ全体の売上高は466億ユーロ、従業員数は約93,000名、研究開発費は62億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

 

バイエル薬品株式会社について

医療用医薬品、コンシューマーヘルスの各事業を通じて、日本の患者さんのための治療に変革をもたらす持続可能な取り組みを推進しています。医療用医薬品部門では、アンメットメディカルニーズの高い循環器・腎・代謝領域、オンコロジー領域、眼科領域などのスペシャリティ領域、画像診断領域にフォーカスし、革新的医薬品の提供を通じて高齢化が進む日本の患者さんの健康寿命の延伸とQOLの向上に努めています。コンシューマーヘルス部門では、赤ちゃんの「人生最初の1000日」に適切な栄養を届けるため、女性の妊娠前から妊娠期間及び産後・授乳期を通じて栄養をサポートするサプリメントなどに注力しています。詳細はwww.pharma.bayer.jp, Facebook, YouTubeをご参照ください。

バイエル薬品株式会社
2025年10月2日、大阪

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。