フィネレノンが非糖尿病性慢性腎臓病患者を対象とした第Ⅲ相臨床試験FIND-CKDの主要評価項目を達成

本資料は3月16日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。

  • フィネレノンを標準治療に上乗せ投与することで非糖尿病性慢性腎臓病(CKD)患者の腎疾患進行をプラセボと比べ有意に抑制
  • 非糖尿病性CKDに焦点を当てたこれまでで最大規模の第Ⅲ相臨床試験FIND-CKDは病因が多岐にわたる幅広い非糖尿病性CKD患者集団を対象にフィネレノンのベネフィットを検討し、糖尿病関連CKDにおけるフィネレノンのデータとエビデンスを拡大
  • 非糖尿病性CKD患者に対する治療選択肢は限られており、腎疾患進行を遅らせ心血管リスクを低下させる新たな治療法に高いアンメットメディカルニーズ
  • FIND-CKD試験は非ステロイド型選択的ミネラルコルチコイド受容体拮抗薬(MRA)フィネレノンの良好な結果を示し完了した5つ目の第Ⅲ相臨床試験であり、フィネレノンはCKD・心不全を有する複数の患者集団でこれまでに被験者2万人以上で検討

ドイツ・ベルリン、2026年3月16日 ― 非糖尿病性CKDの成人患者を対象に、標準治療に上乗せ投与したフィネレノン(ケレンディア®)の有効性および安全性をプラセボと比較検討した第Ⅲ相臨床試験FIND-CKDが主要評価項目を達成しました。本試験の結果、標準治療に上乗せ投与したフィネレノンは、ベースラインから32カ月目までの推算糸球体濾過率(eGFR)の年間平均変化率として定義されるeGFRスロープに関して、プラセボと比較して統計学的に有意で臨床的に意味のある改善を示し、腎機能低下を抑制したことが示されました。eGFRスロープは、腎臓の臨床転帰に関する検証済みのサロゲートエンドポイントであり、腎不全リスクの予測指標として用いられています。FIND-CKD試験におけるフィネレノンの忍容性は良好で、フィネレノンの安全性プロファイルはこれまでの報告と一致しています。FIND-CKD試験より得られた臨床データは、今後の学術集会で発表される予定であり、バイエルはケレンディア®の適応を本試験の対象となった患者集団へ拡大するため、本データを用いて規制当局へ承認申請する計画です。

 

世界のCKD患者数は約8億5,000万人で、その半数以上が非糖尿病性CKDです1,2,3。非糖尿病性CKDにはさまざまな病因があり、高血圧や糸球体腎炎(免疫グロブリンA腎症を含む)が最も一般的です。高血圧に関連するCKDは、腎不全の2番目に多い原因です4。世界中で350万人以上の腎不全患者が透析治療を受けており、治療開始後の5年生存率は約40%です5。さらに、進行した非糖尿病性CKD患者は、CKDを有さない集団と比較して致死的な心血管イベントのリスクが約2.6倍と大幅に高く6、腎機能が低下するにつれてそのリスクはさらに高まります。非糖尿病性CKDは、高い有病率と高い罹患率・死亡率にもかかわらず、国際的な診療ガイドラインに病因が十分に反映されていません。

 

オランダ・フローニンゲン大学医療センター臨床試験・個別化医療教授、臨床薬学・薬理学部門臨床試験責任者であり、本試験運営委員会共同委員長のHiddo L. Heerspink氏は次のように述べています。「非糖尿病性CKDの患者さんは腎機能が徐々に低下し、腎不全や心血管疾患のリスクが高くなっています。心血管イベントや透析を必要とする可能性のある腎不全のリスクが極めて高い、これらの患者さんの予後を改善するためには、腎疾患の進行を抑制できる新たな治療法が求められています。非糖尿病性CKDの複数の病因に焦点を当てたFIND-CKD試験の結果、フィネレノンが腎機能を維持する上で有益であることを示しており、期待が持てます」

 

ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「第Ⅲ相臨床試験FIND-CKDの良好な結果は、根本的な原因にかかわらず、非糖尿病性CKD領域における重要な進展を示しています。FIND-CKD試験の結果は、FIDELIO-DKD試験、FIGARO-DKD試験、FINE-ONE試験を含むフィネレノンのCKD臨床試験プログラムTHUNDERBALLから得られた総合的なエビデンスと併せて、CKD患者さんの治療における一貫したフィネレノンのベネフィットに関するエビデンスをさらに強固にします」

 

非ステロイド型選択的MRAであるフィネレノンは、ミネラルコルチコイド受容体(MR)経路を標的とし、左室駆出率(LVEF)が40%以上の心不全患者、2型糖尿病を合併するCKD患者、1型糖尿病を合併するCKD患者、および非糖尿病性CKD患者を対象とした計5つの第Ⅲ相臨床試験において、それぞれ心血管系および/または腎臓に対するベネフィットが示された初めての薬剤です。FIND-CKD試験は、非糖尿病性CKDを対象としたこれまでで最大規模の第Ⅲ相臨床試験であり、非糖尿病性CKDのさまざまな病因を含む幅広い患者集団においてフィネレノンを検討し、糖尿病を合併するCKDにおけるフィネレノンのデータとエビデンスを拡大しました。フィネレノンは、すでに「ケレンディア®」(一部の国では「Firialta™」)の名称で販売されています。米国、欧州、日本、中国を含む世界100カ国以上で、2型糖尿病を合併する成人CKDに対する治療薬として承認されています。米国、日本、およびその他のいくつかの国・地域において、フィネレノンはLVEF 40%以上の心不全に対する治療薬としても承認されています。LVEF 40%以上の心不全に関する適応拡大の承認申請は、中国や欧州を含むその他の国・地域において現在審査中です。

【ケレンディア®/Firialta™(フィネレノン)について】

ケレンディア®およびFirialta™は、フィネレノンの世界的に保護された商標です。フィネレノンは非ステロイド型選択的MRAであり、MRの過剰活性化による悪影響を抑制することが示されています。MRの過剰活性化は、代謝、血行動態、炎症や線維化の要因によって引き起こされる可能性のあるCKDの進行や心血管障害に関与します。

 

フィネレノンの臨床試験プログラムFINEOVATEは現在、心不全とCKDをそれぞれ対象とした第Ⅲ相臨床試験10試験で構成されています。MOONRAKERプログラムには、完了した第Ⅲ相臨床試験FINEARTS-HFに加え、進行中の研究者主導共同試験であるREDEFINE-HF試験、CONFIRMATION-HF試験およびFINALITY-HF試験が含まれています。一方、CKDのTHUNDERBALLプログラムは、完了した第Ⅲ相臨床試験FIDELIO-DKD、FIGARO-DKD、FIND-CKD、FINE-ONE、第Ⅱ相臨床試験CONFIDENCEに加え、進行中の小児患者集団を対象としたFIONA試験、FIONA-OLE試験で構成されています。

 

【FIND-CKD試験について】

第Ⅲ相臨床試験FIND-CKD(FInerenone, in addition to standard of care, on the progression of kidney disease in patients with Non-Diabetic Chronic Kidney Disease)は、高血圧や慢性糸球体腎炎など、非糖尿病性CKDのさまざまな病因を有する被験者1,500名以上を対象に、標準治療に上乗せ投与したフィネレノンとプラセボを比較検討しました。被験者は、アンジオテンシン変換酵素(ACE)阻害薬やアンジオテンシンⅡ受容体拮抗薬(ARB)などのレニン・アンジオテンシン系(RAS)阻害療法の最大忍容量に、フィネレノン10mgまたは20mg、もしくはプラセボをそれぞれ上乗せ投与する群に無作為割り付けされました。主要評価項目は、ベースラインから32カ月目までの全期間のeGFRの年間平均変化率でした。副次評価項目には、腎不全、57%以上の持続的なeGFR低下、心不全による入院または心血管死が発現するまでの時間と定義された心腎複合エンドポイントが含まれました。安全性評価項目は、治験薬投与下で有害事象、重篤な有害事象、および高カリウム血症を伴う有害事象が認められた被験者の数でした。

 

【CKDについて】

CKDはよく見られる疾患ですが、死に至る危険があることはあまり認識されていません。CKDの進行は静かで予測不能であり、進行するまで多くの症状は現れません。世界のCKD患者数は8億5,000万人です。米国では成人3人に1人がCKDのリスクを抱えています。CKDが進行すると、患者さんは命をつなぐために透析や腎臓移植が必要になる場合があります。CKDによる死亡者数は、2023年に140万人を超え、死因の第9位となりました7。健康な腎臓は、体内のフィルターとして機能し、血液から老廃物を取り除きます。また、体内の水分や電解質の量を調整し、血圧を調節する役割も担っています。腎機能が低下すると、患者さんには下肢のむくみ、日中の倦怠感、吐き気、筋けいれん、関節痛、混乱、集中力の低下、記憶障害など、さまざまな症状が現れる可能性があります。CKDの主な根本的原因としては、糖尿病、高血圧、免疫グロブリンA腎症、巣状分節性糸球体硬化症、膜性腎症などの糸球体腎炎が含まれます。

 

※フィネレノンの日本における効能・効果のうち「2型糖尿病を合併する慢性腎臓病 ただし、末期腎不全又は透析施行中の患者を除く。」について: 日本人部分集団では、第Ⅲ相臨床試験FIDELIO-DKDの主要評価項目の複合エンドポイントにおいて、フィネレノンのプラセボに対するハザード比は0.91であった一方で、同試験の主要評価項目の構成要素の腎不全、および第III相臨床試験FIGARO-DKDの副次評価項目の腎複合エンドポイントにおいては、フィネレノンのプラセボに対するハザード比が1を上回りました。試験の対象となった全体集団と比べて日本人ではフィネレノンの腎不全への進展抑制効果が弱い可能性があります。

References:

1. Jager KJ, et al. Kidney Int. 2019;96(5):1048-1050.
2. GBD 2017 Disease and Injury Incidence and Prevalence Collaborators. The Lancet. 2018;392(10159):1789-1858
3. Wanner C, et al. BMC Nephrol. 2025;26:1–11. / Webster AC, Nagler EV, Morton RL, Masson P. Chronic kidney disease. The Lancet. 2017;389:1238–52.4, 
4. Lucero C, et al. Int J Mol Sci. 2022;23(24):15936.
5. Flythe JE and Watnick S. JAMA. 2024;332(18):1559-1573.
6. Kofod DH, Carlson N, Ballegaard EF, et al. Cardiovasc Diabetol. 2023;22(1):140. Published 2023 Jun 16. doi:10.1186/s12933-023-01867-8
7. GBD 2023 Chronic Kidney Disease Collaborators. The Lancet. 2025;406(10518):2461-2482.

循環器疾患および腎疾患におけるバイエルのコミットメントについて

バイエルは循環器領域のリーダーであり、革新的な治療薬のポートフォリオを推進しています。心臓と腎臓は健康や疾患において密接に関わっており、バイエルはアンメットメディカルニーズが高い循環器疾患と腎疾患に対する新しい治療アプローチについて取り組んでいます。バイエルのポートフォリオを心臓病に対する精密医療へと転換させ、循環器疾患による大きな負担に対処して長期的な成長を促進することにより、今後の循環器市場における未来を切り開くことを戦略としています。バイエルのポートフォリオには、革新的な製品や前臨床および臨床開発のさまざまな段階にある複数の化合物がすでに含まれています。これらの製品・化合物は、循環器疾患の治療法に影響を与える可能性のある標的やシグナル伝達経路を優先的に開発するバイエルのアプローチを反映しています。

 

バイエルについて

バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2025年のグループ全体の売上高は456億ユーロ、従業員数は約88,000名、研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。

バイエル薬品株式会社
2026年3月19日、大阪

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)

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