アスンデキシアンの第Ⅲ相臨床試験OCEANIC-STROKEの結果がニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載、ISTH出血分類による重大な出血事象のリスクを増加させることなく虚血性脳卒中がプラセボと比較して減少
本資料は4月16日にドイツ・バイエル社が発表したプレスリリースを日本語に翻訳編集したもので、報道関係者各位へ参考資料として提供するものです。本資料の正式言語は英語であり、その内容およびその解釈については英語を優先します。原文はwww.bayer.com/media/en-us/をご参照ください。
- アスンデキシアンは抗血小板療法併用下でプラセボとの比較により国際血栓止血学会(ISTH)出血分類による「重大な出血」事象のリスクを増加させることなく非心原塞栓性虚血性脳卒中・高リスク一過性脳虚血発作(TIA)発症後の虚血性脳卒中を26%減少
- 本論文には抗血小板療法併用下でプラセボと比較したアスンデキシアンの総合有用性(net clinical benefit)と安全性追加データも含まれる
- OCEANIC-STROKE試験は抗血小板療法併用下でプラセボとの比較により虚血性脳卒中発症抑制に関して優越性を示した初の第Ⅺa因子(FXIa)阻害薬の第Ⅲ相臨床試験
ドイツ・ベルリン、2026年4月16日 ― ドイツ・バイエル社は、国際共同第Ⅲ相臨床試験OCEANIC-STROKEの結果が医学誌ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載された1ことを本日発表しました。本試験では、開発中の1日1回経口投与のFXIa阻害薬アスンデキシアン(50mg)について、非心原塞栓性虚血性脳卒中(非心原性虚血性脳卒中)または高リスクTIAの発症後患者を対象に、抗血小板療法併用下における虚血性脳卒中の発症抑制をプラセボと比較検討しました。
OCEANIC-STROKE試験の治験責任医師でマクマスター大学脳卒中予防のMichael G. DeGroote Chair、PHRI(マクマスター大学とハミルトンヘルスサイエンスの共同研究所)シニアサイエンティストであるマイク・シャーマ氏は次のように述べています。「ニューイングランド・ジャーナル・オブ・メディシンに掲載されたOCEANIC-STROKE試験の結果より、世界中の脳卒中関係者は、代表的な幅広い患者集団において、アスンデキシアンによる治療で見られた良好な総合有用性について理解を一層深めました。OCEANIC-STROKE試験から得られた確固たるエビデンスは、脳卒中再発抑制の進展において極めて重要な意義を持つでしょう」
査読付きの本論文は、米国ニューオーリンズで開催された今年の米国心臓協会(AHA)国際脳卒中学会2026で発表されたOCEANIC-STROKE試験のデータをさらに詳しく解説しています。本試験では、アスンデキサンがISTH出血分類の「重大な出血」事象を増加させることなく虚血性脳卒中を26%有意に減少させたことが示されました[原因別ハザード比(csHR):0.74、95%信頼区間(CI):0.65~0.84、p<0.001]。これらの知見は、年齢・性別、インデックスイベント(脳卒中・高リスクTIA)、脳卒中サブタイプ、米国国立衛生研究所脳卒中スケール(NIHSS)、血栓溶解療法などの急性期脳卒中治療、抗血小板薬単剤療法(SAPT)または抗血小板薬2剤併用療法(DAPT)にかかわらず一貫していました。
ドイツ・バイエル社医療用医薬品部門研究開発責任者のクリスチャン・ロンメルは次のように述べています。「この基盤となる科学的エビデンスの蓄積は、高いアンメットメディカルニーズの解決に取り組み続ける当社のコミットメントを反映しています。これは、脳卒中再発抑制の臨床研究への極めて重要な貢献です」
世界では毎年約1,200万人が脳卒中を発症し2、このうち20~30%が脳卒中の再発です3。脳卒中再発抑制の治療選択肢が存在するにもかかわらず、再発リスクは依然として高く、脳卒中経験者の5人に1人前後が5年以内に再び脳卒中を発症します4。脳卒中は世界で2位の死因であり、虚血性脳卒中の再発は初回発症時よりも身体障害を残しやすく、死亡リスクも高い傾向にあります3,5,6。
【OCEANIC-STROKE試験について】
OCEANIC-STROKE試験は、非心原塞栓性虚血性脳卒中または高リスクTIAの発症後患者を対象に、経口FⅪa阻害薬アスンデキシアン50mgの1日1回投与と抗血小板療法を併用したときの虚血性脳卒中の発症抑制効果と安全性をプラセボと比較検討しました。本試験は多施設共同、国際共同、無作為化、プラセボ対照、二重盲検、並行群間比較、イベント主導型試験であり、全世界で被験者12,327人が無作為化されました。主要評価項目は虚血性脳卒中が最初に発現するまでの時間、安全性主要評価項目はISTH出血分類の「重大な出血」の初発までの時間でした。
【血液凝固第Ⅺa因子阻害薬とアスンデキシアンについて】
血液凝固FⅪaは血液凝固経路のタンパク質であり、止血と血栓形成における関与はそれぞれ異なります。FXIaは、病的な血栓の形成や血管閉塞に関与していると考えられていますが、血管損傷部位の出血を止める止血栓の形成への関与はごく限定的です。
アスンデキシアンは、非心原塞栓性虚血性脳卒中の発症患者における脳卒中発症抑制の治療薬候補として、米国食品医薬品局(FDA)からファストトラック指定を受けています。アスンデキシアンは治験薬であり、規制当局によって使用が承認された国や適応症はありません。
References:
1. https://doi.org/10.1056/NEJMoa2513880
2. Feigin VL, et al. World Stroke Organization (WSO): global stroke fact sheet 2022. International Journal of Stroke. 2022 Jan;17(1):18-29.
3. Feigin VL, et al. Pragmatic Solutions to Reduce Global Burden of Stroke. Lancet Neurol. 2023;22:1160–1206.
4. Kolmos M, et al. Recurrent ischemic stroke–a systematic review and meta-analysis. Journal of Stroke and Cerebrovascular Diseases. 2021 Aug 1;30(8):105935.
5. Rochmah TN, et al. Economic burden of stroke disease: a systematic review. International journal of environmental research and public health. 2021 Jul 15;18(14):7552.
6. Skajaa N, et al. Risks of stroke recurrence and mortality after first and recurrent strokes in Denmark: a nationwide registry study. Neurology. 2022 Jan 25;98(4):e329-42.
循環器疾患および腎疾患におけるバイエルのコミットメントについて
バイエルは循環器領域のリーダーであり、革新的な治療薬のポートフォリオを推進しています。心臓と腎臓は健康や疾患において密接に関わっており、バイエルはアンメットメディカルニーズが高い循環器疾患と腎疾患に対する新しい治療アプローチについて取り組んでいます。バイエルのポートフォリオを心臓病に対する精密医療へと転換させ、循環器疾患による大きな負担に対処して長期的な成長を促進することにより、今後の循環器市場における未来を切り開くことを戦略としています。バイエルのポートフォリオには、革新的な製品や前臨床および臨床開発のさまざまな段階にある複数の化合物がすでに含まれています。これらの製品・化合物は、循環器疾患の治療法に影響を与える可能性のある標的やシグナル伝達経路を優先的に開発するバイエルのアプローチを反映しています。
バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。私たちのミッション「Health for all, Hunger for none(すべての人に健康を、飢餓をゼロに)」のもと、バイエルの製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活と地球の繁栄に貢献しています。バイエルは、持続可能な発展を推進し、事業を通じて良い影響を創出することに尽力しています。同時に、収益力を高め、イノベーションと成長を通して企業価値を創造することも目指しています。バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。2025年のグループ全体の売上高は456億ユーロ、従業員数は約88,000名、研究開発費は58億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。
バイエル薬品株式会社
2026年4月21日、大阪
将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合があります。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがあります。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれます。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負いません。