2010年05月11日
ドイツ・バイエル社 2010年第1四半期中間財務報告

バイエルは大幅な増収増益を達成

  • グループの売上高は前年同期比5.3%増の83億1,600万ユーロ
  • 特別項目計上前EBITDAは前年同期比13.2%増の19億1,800万ユーロ
  • 当期純利益は前年同期比63.1%増の6億9,300万ユーロ
  • 1株当たりコア利益は前年同期比31.9%増の1.20ユーロ
  • グループの2010年度業績見通しを上方修正

ドイツ レバクーゼン、2010年4月29日― バイエルグループ(本社:ドイツ レバクーゼン、社長:ヴェルナー・ヴェニング)は、大幅な増収増益で2010年をスタートした。ヴェニング社長は29日に行われた第1四半期財務報告の発表に際して、「バイエルの事業は軌道に乗っており、今年も成長を予想しています」と述べた。市場環境が次第に安定する中で素材科学事業グループは顕著な回復を見せ、非常に低調であった2009年第1四半期と比べて予想を上回る増収を達成した。ヘルスケア事業グループの売上高と利益はわずかに改善したが、農薬関連事業グループの第1四半期の業績は、記録的な水準であった前年同期に比べて明らかに低調となった。これは市場動向と天候不順に伴う作付け時期の遅れによるものである。ヴェニングは、「当社は2010年については全般的に自信を持っており、バイエルグループの業績見通しを上方修正しています」と述べた。

バイエルグループの2010年第1四半期の売上高は、前年同期比5.3%増の83億1,600万ユーロ(2009年第1四半期:78億9,500万ユーロ)であった。為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後の増収率は6.2%であった。特別項目計上前の利払前・税引前・償却前利益(EBITDA)は前年同期比13.2%増の19億1,800万ユーロ(2009年第1四半期:16億9,500万ユーロ)であった。特別項目計上前EBITDA利益率は23.1%(2009年第1四半期:21.5%)まで上昇した。特別項目計上前の営業利益(EBIT)は前年同期比25.3%増の12億7,400万ユーロ(2009年第1四半期:10億1,700万ユーロ)であった。

ヘルスケア事業グループ(バイエル ヘルスケア社):堅調な四半期業績を達成

ヘルスケア事業グループの2010年第1四半期の売上高は前年同期を0.7%上回る38億6,900万ユーロ(2009年第1四半期:38億4,300万ユーロ)であった。為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後の増収率は2.6%であった。ヴェニングは、「この増収は、主にコンシューマーヘルス部門の事業が良好だったことによるものです」と説明した。

医療用医薬品部門の売上高は、前年同期比2.2%減の25億3,100万ユーロであったが、為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後では0.6%増であった。北米地域とアジア・太平洋地域では売上が拡大したが、ヨーロッパ地域では減少した。売上上位の製品の中でも、子宮内避妊システム「ミレーナ」(為替の影響調整後で16.5%の売上増)と、抗がん剤「ネクサバール」(為替の影響調整後で16.0%の売上増)が最も高い増収率を記録した。また、高血圧症治療薬「Kinzal/Pritor」(為替の影響調整後で12.6%の売上増)と、抗菌剤「アベロックス」(為替の影響調整後で8.0%の売上増)の業績も好調であった。一方で、経口避妊薬「YAZ」製品群の売上は、米国ではドロスピレノンを含有する避妊薬の血栓症リスクを巡る議論により同製品の需要が特に落ち込み、為替の影響調整後で10.2%減少した。しかし、主として米国とヨーロッパで12万人を上回るユーザーを対象に行った2件の前向き観察研究の結果から、バイエルは引き続き「YAZ」のリスク要因はその他の経口避妊薬と同程度のものであると考えている。多発性硬化症の再発予防・進行抑制薬「ベタフェロン」の売上高については、主にヨーロッパでの減少が原因で、前年同期を5.0%(為替の影響調整後)下回った。

コンシューマーヘルス部門の売上高は前年同期を6.5%(為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後では6.8%)上回る13億3,800万ユーロであり、全ての事業部がこの成長に貢献した。米国では緩やかな景気回復により需要が高まり、売上は特に好調であった。一般用医薬品事業(コンシューマーケア事業部)では、鎮痛剤「Aleve」(ナプロキセン)(為替の影響調整後で40.9%の売上増)と、マルチビタミン製品「One-A-Day」(為替の影響調整後で22.4%の売上増)が特に好調な伸びを示した。メディカルケア事業部で売上が最も高い製品である血糖自己測定器「Contour」製品ラインは、4.6%(為替の影響調整後)の売上増となった。

ヘルスケア事業グループの2010年第1四半期の特別項目計上前EBITDAは、前年同期を1.7%上回る10億7,900万ユーロ(2009年第1四半期:10億6,100万ユーロ)まで増加した。この増益の要因は、医療用医薬品部門で製品ラインの変更や研究開発支出の増加により減益となった一方で、コンシューマーヘルス部門で利益が大幅に増加したことである。

農薬関連事業グループ(バイエル クロップサイエンス社):作付け時期の遅れ

農薬関連事業グループの2010年第1四半期の売上高は、前年同期を7.9%(為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後では10.0%)下回る19億5,200万ユーロ(2009年第1四半期:21億2,000万ユーロ)であった。ヴェニングは、「これは主として、いくつかの主要な生産地域において天候条件が悪化したためです」と述べた。その他の要因としては、高水準の流通在庫量や、小麦、トウモロコシといった主要農産物の価格低下があった。一方で、高品質種子の市場環境は比較的良好であった。全体としては、事業は低調なスタートを切ったが、今四半期末に向けて再び大幅に持ち直した。

農薬部門の売上高は前年同期を14.9%(為替の影響調整後では16.4%)下回る14億7,600万ユーロであった。北半球の冬季が長引いたことが主な要因で除草剤、殺菌剤、種子処理の各事業は18%を超える減収となった。一方、殺虫剤事業は2.1%の増収となった。落ち込みが最も急激だったのは北米で、売上高は全体で29.4%減少した。ここでも市場は播種の遅れにつながった寒い天候と、カナダの干ばつによって重大な影響を受けた。さらに、農薬関連事業グループは、市場の影響により、カナダではカノーラ(ナタネ)向け除草剤「Liberty」、米国では除草剤「Ignite」の価格を大幅に引き下げたが、カノーラ種子の価格は引き上げられた。ヨーロッパでも春季の作付け時期が遅れ、農薬部門の売上高は14.5%減少した。アジア・太平洋地域では1.9%、ラテンアメリカ・アフリカ・中東地域では4.6%の減収となった。

エンバイロサイエンス/バイオサイエンス部門の売上高は、前年同期を23.3%(為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後では18.6%)上回る好調な伸びを示し、4億7,600万ユーロとなった。バイオサイエンス事業の売上高は、前年同期を37.8%(為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後では29.4%)上回った。この増収は、綿種子、カノーラ種子および野菜種子の売上が大幅に増加したことが主な要因であった。エンバイロサイエンス事業の売上高は3.7%(為替の影響調整後では3.9%)増加した。一般消費者向け製品の売上は、特に米国においてだけでなく、ヨーロッパでも増加した。その一方で、専門業者向け製品の売上高は前年同期に比べてわずかに減少した。

農薬関連事業グループの特別項目計上前EBITDAは前年同期を24.2%下回る5億5,900万ユーロ(2009年第1四半期:7億3,700万ユーロ)であった。この減益の主な要因は、農薬部門の事業が低調だったこと、生産費および遊休費が増加したこと、および特にバイオサイエンス事業の研究開発費が増加したことであった。

素材科学事業グループ(バイエル マテリアルサイエンス社):さらに好調な業績を記録

2010年の素材科学事業は良好なスタートを切った。素材科学事業グループの2010年第1四半期の売上高は、経済・金融危機により非常に低調であった前年同期に比べて35.5%(為替の影響調整後では37.9%)増加し、22億1,600万ユーロ(2009年第1四半期:16億3,600万ユーロ)に達した。同事業グループの売上高は、2009年第4四半期と比べても9.9%増加した。ヴェニングは、「全事業部における販売量の増加と、販売価格の上昇が、この大幅な改善に貢献しました」と述べた。

フォーム原材料(ポリウレタン)事業では、すべての製品グループが2桁の成長率を記録し、2010年第1四半期の売上高は前年同期比で33.4%(為替の影響調整後)増加した。高機能性樹脂(ポリカーボネート)事業(為替の影響調整後で56.9%の売上増)と塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業(為替の影響調整後で52.6%の売上増)の売上はさらに大幅に増加した。

素材科学事業グループの2010年第1四半期の特別項目計上前EBITDAは、前年同期のマイナス1億1,600万ユーロからプラス2億8,700万ユーロまで大幅に増加した。この好業績は、販売量が大幅に増加したことと、これに関連して生産施設の設備稼働率が上昇したことが主な要因であった。

純金融負債は前年同期と同水準 -当期純利益は大幅増

2010年第1四半期の収益は、特別項目7,700万ユーロ(2009年第1四半期:4,400万ユーロ)によって減少した。これらは、ヘルスケア事業グループおよび農薬関連事業グループの訴訟関連費用であった。第1四半期の特別項目計上後EBITは前年同期比23.0%増の11億9,700万ユーロ(2009年第1四半期:9億7,300万ユーロ)であった。当期純利益は63.1%増の6億9,300万ユーロ(2009年第1四半期:4億2,500万ユーロ)となり、1株当たりコア利益は31.9%増の1.20ユーロ(2009年第1四半期:0.91ユーロ)となった。

特に素材科学事業グループの事業動向が上向いたことにより、バイエルグループのグロス・キャッシュフローは前年同期を5.1%上回る12億7,100万ユーロ(2009年第1四半期:12億900万ユーロ)まで増加した。一方、ネット・キャッシュフローは5.6%増加し、7億3,200万ユーロ(2009年第1四半期:6億9,300万ユーロ)となった。第1四半期には時期的な理由による事業の拡大と為替の不利な影響もあったが、2010年3月31日現在の純金融負債は2009年末と同水準の97億ユーロを維持した。

2010年は1株当たりコア利益の15%以上の成長を計画

ヴェニングは、「世界経済の回復基調は本年も続く見込みです。ただし、見通しは依然として不確かであり、2010年も容易な年とはならないでしょう」と予測し、「しかし、当社は将来について楽観的な見通しを持っており、2009年より前の水準の好調な成長に向けて進めていきます」と強調した。ヘルスケア事業グループおよび農薬関連事業グループでは事業の勢いは低下しているが、これは素材科学事業グループの回復が予想以上の速さで進んでいることで相殺されている。

2010年は為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後で5%以上の売上増を目指している。さらに、為替水準もいまのところ予想より良好に推移しているため、バイエルグループは利益予測を引き上げている。当社は現在、特別項目計上前EBITDAは70億ユーロ以上まで(前回:70億ユーロに向けて))増加させることを目標としている。1株当たりコア利益は15%以上(前回:約10%)の増加を見込んでいる。なお、バイエルの見積りは、第1四半期末の実勢為替レート、例えば1ユーロ=1.35米ドル(前回:1.40米ドル)を基に算出されたものである。

ヘルスケア事業グループの2010年の売上予測は、第1四半期の事業動向を踏まえて調整された。つまり、同事業グループは、医療用医薬品部門では市場を下回る成長を予測しているが、コンシューマーヘルス部門では市場より速いペースで事業が拡大すると見ている。これは、ヘルスケア事業グループにおける約3%(為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後。前回:約5%)の拡大に相当する。同事業グループは、特別項目計上前EBITDAについては一層の増加を目指している。

農薬関連事業グループの事業は、天候条件により作付け時期が遅れたが、その後、現在は勢いを取り戻している。しかし、第1四半期の市場動向が低調だったことから、現在、同事業グループは売上の成長率が低下すると見ている。農薬関連事業グループは、2010年は市場をやや上回る成長を達成するという目標を堅持しており、現在は為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後で2~3%(前回:約4%)の売上増と、特別項目計上前EBITDAについては前年と同水準の維持(前回:微増)を見込んでいる。

素材科学事業グループは、関連する市場において景気の回復が続くと予想している。これを背景に、同事業グループは2010年には為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後でおよそ20%(前回:10%以上)の売上増を目指している。また特別項目計上前EBITDAについては2倍以上の増加(前回:大幅な増加)を計画している。素材科学事業グループは、2010年第2四半期は第1四半期に比べて売上高が一層増加し、特別項目計上前EBITDAも向上すると予想している。

<将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)>
このニュースリリースには、バイエルグループまたは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている可能性がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。

(本資料は、ドイツ・バイエル社が2010年4月29日に発表したプレスリリースの日本語翻訳版です)

バイエル ホールディング株式会社
2010年5月11日、東京
Bayer Holding Ltd.