2010年08月04日
素材科学事業グループ、経済危機の影響を脱する

バイエルは第2四半期も増収増益を達成

  • 売上高は前年同期比14.6%増の91億7,900万ユーロ
  • 特別項目計上前EBITDAは前年同期比8.6%増の19億1,700万ユーロ
  • 1株当たりコア利益は前年同期比9.5%増の1.15ユーロ
  • 将来への投資:2010年の研究開発費は過去最高額の約31億ユーロの見込み
  • グループの2010年度業績見通しを確認

ドイツ レバクーゼン、2010年7月29日― バイエルグループ(本社:ドイツ レバクーゼン、社長:ヴェルナー・ヴェニング)は、2010年第2四半期も再び増収増益を達成した。ヴェニング社長は29日に行われた第2四半期中間財務報告の発表に際し「素材科学事業グループは経済危機の影響から脱け出しました。同事業グループの業績は予想以上に好調な伸びを見せており、販売数量は経済危機以前の水準を回復しました」と述べた。ヘルスケア事業グループの売上高はわずかに増加し、利益は前年同期と同水準であった。農薬関連事業グループの業績は前年同期に比べて低下した。競争環境や天候条件により市場環境が悪化する中、同事業グループの販売量と販売価格は低下した。ヴェニングは「当社は4月に上方修正したバイエルグループの2010年度業績見通しを確認することができました」と述べた。

またヴェニングは、バイエルが将来への投資を当初の計画よりも大幅に増額する予定であると発表した。「当社は現在、2010年通年の研究開発費が過去最高水準の約31億ユーロに達すると見込んでいます。当社はこのようにして、すでに成功を収めている医療用医薬品の研究開発パイプラインをサポートし、またドイツ国内における研究開発指向型の医薬・化学企業におけるトップの地位を強化して行きます」と述べた。以前の計画では、2010年の研究開発支出は約29億ユーロ(2009年:27億4,600万ユーロ)まで引き上げる予定であった。

バイエルグループの2010年第2四半期の売上高は前年同期比14.6%増の91億7,900万ユーロ(2009年第2四半期:80億900万ユーロ)であった。為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後の増収率は9.2%であった。特別項目計上前の利払前・税引前・償却前利益(EBITDA)は前年同期比8.6%増の19億1,700万ユーロ(2009年第2四半期:17億6,500万ユーロ)であった。この主な要因は、素材科学事業グループおよびコンシューマーヘルス部門の事業が好調だったことと、為替のプラス効果によるものである。特別項目計上前の営業利益(EBIT)は前年同期比14.4%増の12億6,000万ユーロ(2009年第2四半期:11億100万ユーロ)であった。研究開発費は前年同期を12.7%上回る7億4,700万ユーロ(2009年第2四半期:6億6,300万ユーロ)であった。

ヘルスケア事業グループ(バイエル ヘルスケア社):コンシューマーヘルス部門は好調な伸びを示す

ヘルスケア事業グループの2010年第2四半期の売上高は前年同期を6.4%上回る43億500万ユーロ(2009年第2四半期:40億4,500万ユーロ)であった。為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後の増収率は2.0%であった。ヴェニングは「ヘルスケア事業グループの両部門がこの業績に貢献しましたが、コンシューマーヘルス部門が特に好調な伸びを見せました」と説明した。

医療用医薬品部門の売上高は、前年同期比4.3%増(為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後では1.1%増)の27億4,800万ユーロとなった。特にアジア・太平洋地域とラテンアメリカ・アフリカ・中東地域で売上が伸び、北米地域における減収を相殺してこれをさらに上回った。医療用医薬品部門の売上上位の製品の中では、受注時期の変動による影響があった遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤「コージネイト」が、為替の影響調整後で25.2%と最も高い増収率を記録した。また、抗菌剤「アベロックス」(為替の影響調整後で20.8%増)の売上も、抗がん剤「ネクサバール」(為替の影響調整後で19.6%増)と同様、非常に好調であった。「Aspirin Cardio」(為替の影響調整後で11.2%増)と「Kinzal/Pritor」(為替の影響調整後で8.5%増)も大幅な売上増を達成した。一方で、経口避妊薬「YAZ」製品群の売上は為替の影響調整後で14.9%減少した。米国ではジェネリック医薬品との競争の激化により事業がさらに影響を受け、同製品の需要が低下したことが売上減の主な要因となった。多発性硬化症の再発予防・進行抑制薬「ベタフェロン」の売上高は、特にドイツと米国における競争の激化が主な要因となり、為替の影響調整後で10.7%減少した。

コンシューマーヘルス部門の2010年第2四半期の売上高は前年同期を10.3%(為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後では3.8%)上回る15億5,700万ユーロであり、すべての地域、特に北米地域とアジア・太平洋地域がこの増加に貢献した。一般用医薬品事業(コンシューマーケア事業部)では、マルチビタミン製品ライン「One-A-Day」(為替の影響調整後で14.8%増)と、鎮痛剤「Aleve」(ナプロキセン)(為替の影響調整後で14.3%増)が特に好調な業績を上げた。抗真菌剤「Canesten」も大幅な伸びを示し、為替の影響調整後で14.0%の売上増となった。メディカルケア事業部では、特に米国の糖尿病関連市場が低調であったため、売上高の伸びは比較的緩やかであった。血糖自己測定器「Contour」製品ラインの売上高は為替の影響調整後で8.8%減少した。一方で、医療用機器事業の売上高は為替の影響調整後で10.8%増加した。動物用薬品事業部は、特にノミ・ダニ駆除剤「アドバンテージ」(為替の影響調整後で20.5%増)の好調な業績によって大幅な増収を記録した。

ヘルスケア事業グループの2010年第2四半期の特別項目計上前EBITDAは、研究開発費の大幅増(13.9%)にもかかわらず、前年同期とほぼ同水準の11億200万ユーロ(2009年第2四半期:11億1,200万ユーロ)となった。ヴェニングは「当社はこの投資によって、良好に進行中である研究開発パイプラインをサポートしていきます」と説明した。医療用医薬品部門の減益はコンシューマーヘルス部門の好調な伸びによってほぼ相殺された。

農薬関連事業グループ(バイエル クロップサイエンス社):農薬部門における厳しい市場環境と天候条件

農薬関連事業グループの2010年第2四半期の売上高は前年同期を1.7%上回る18億8,400万ユーロ(2009年第2四半期:18億5,200万ユーロ)であった。為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後では、売上高は5.5%減少した。ヴェニングは「従来型の農薬事業における減収は、エンバイロサイエンス/バイオサイエンス部門で好調な業績が続いたことで一部相殺されました」と述べた。

農薬部門の売上高は前年同期を1.3%(為替の影響調整後では8.6%)下回る15億2,000万ユーロであった。除草剤の売上高は為替の影響調整後で前年同期に近い水準となったが、殺虫剤、殺菌剤、種子処理の製品のいくつかは売上が大幅に減少した。ヨーロッパでは天候条件が主な要因となり、売上高は3.0%(為替の影響調整後)減少した。北米での売上高は為替の影響調整後で30.0%減少した。北米地域の事業は、厳しい市場・競争環境に加え、米国のジェネリック農薬メーカーからの値下げ圧力により影響を受けた。一方、アジア・太平洋地域の業績は好調で、特にオーストラリアにおける良好な事業動向により、売上高は6.5%(為替の影響調整後)増加した。ラテンアメリカ・アフリカ・中東地域では3.1%(為替の影響調整後)の増収となった。

エンバイロサイエンス/バイオサイエンス部門の売上高は前年同期を16.7%(為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後では9.8%)上回る3億6,400万ユーロであった。エンバイロサイエンス事業の売上高は15.7%(為替の影響調整後では9.1%)増加した。米国、ドイツそして日本では、農業以外の分野での専門業者向け製品の売上高が大幅に増加した。一方で、一般消費者向け製品の売上高は前年同期比でわずかに減少した。特にカノーラ(ナタネ)種子の売上増により、バイオサイエンス事業の売上は17.9%(為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後では10.8%)増加した。

農薬関連事業グループの特別項目計上前EBITDAは前年同期を20.3%下回る3億9,600万ユーロ(2009年第2四半期:4億9,700万ユーロ)であった。これは主に、エンバイロサイエンス/バイオサイエンス部門において収益性が改善された一方で、農薬部門において利益がかなり減少したためであった。

素材科学事業グループ(バイエル マテリアルサイエンス社):すべての製品グループと地域で成功

素材科学事業の業績は引き続き大幅に改善した。素材科学事業グループの2010年第2四半期の売上高は26億8,900万ユーロ(2009年第2四半期:18億3,000万ユーロ)に達した。つまり同事業グループの売上高は、世界的な金融・経済危機の影響を受けた前年同期から46.9%(為替の影響調整後では40.5%)増加したこととなる。ヴェニングは「業績がこのように非常に好調な改善を見せたのは、特に当社の主要顧客が属する業界で需要がかなり増加したためです」と説明した。すべての製品グループと地域で販売量は大幅に増加した。素材科学事業グループの売上高は2010年第1四半期と比べても21.3%(為替の影響調整後では15.9%)の大幅増となった。

フォーム原材料(ポリウレタン)事業では、販売量の顕著な増加により、前年同期比で37.1%(為替の影響調整後)の売上増となった。さらに、アジア・太平洋地域とヨーロッパ地域では販売価格が上昇し、北米地域とラテンアメリカ地域における価格の低下を相殺してこれを上回った。高機能性樹脂(ポリカーボネート)事業はさらに好調で、高機能性樹脂の売上高は為替の影響調整後で59.4%増加した。ここでも、素材科学事業グループは全体として販売価格の大幅な引上げとすべての地域における販売量の大幅増に成功した。塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業向け原材料の事業も好調で、37.3%(為替の影響調整後)の売上増となった。

素材科学事業グループの2010年第2四半期の利益は、事業環境の改善により、前年同期の3倍以上となった。特別項目計上前EBITDAは3億7,100万ユーロ(2009年第2四半期:1億2,100万ユーロ)まで増加した。この成功は、販売量が大幅に増加したことと、これに伴って設備稼働率が顕著に改善したことに加え、販売価格の上昇と効率性の改善によるものであった。一方で、世界経済が回復したために原材料市場での購入価格が上昇した結果、素材科学事業グループの利益は減少した。

1株当たりコア利益は9.5%の増加

2010年第2四半期の利益は、特別費用2億5,500万ユーロ(2009年第2四半期:特別費用純額8,000万ユーロ)によって減少した。これらの特別費用のうち1億2,300万ユーロはヘルスケア事業グループおよび農薬関連事業グループの訴訟関連費用、1億3,200万ユーロは抗がん剤「ゼヴァリン」の部分的な評価減に関連する費用であった。特別項目計上後の営業利益(EBIT)は前年同期比1.6%減の10億500万ユーロ(2009年第2四半期:10億2,100万ユーロ)であった。当期純利益は前年同期と同水準の5億2,500万ユーロ(2009年第2四半期:5億3,200万ユーロ)、1株当たりコア利益は9.5%増の1.15ユーロ(2009年第2四半期:1.05ユーロ)であった。

特に素材科学事業グループの事業動向が上向いたことにより、グロス・キャッシュフローは前年同期を3.0%上回る12億8,600万ユーロ(2009年第2四半期:12億4,800万ユーロ)まで増加した。一方、ネット・キャッシュフローは、運転資本の一層の改善策が一因となり、10.4%増の15億4,500万ユーロ(2009年第2四半期:13億9,900万ユーロ)となった。バイエルグループの純金融負債は、97億ユーロ(2010年3月31日時点)から107億ユーロ(2010年6月30日現在)まで増加した。この増加は第2四半期に典型的なものであり、配当支払額12億ユーロや、バイエル社員に対する年1回の業績連動報酬の支払い、および当社社債の利払日が主として第2四半期に到来するために、多額の利払いが見込まれること等が主な要因であった。為替のマイナス効果6億ユーロも追加要因となった。

素材科学事業グループの回復による恩恵を受けた上半期の売上高と利益

バイエルグループの2010年上半期の売上高と利益は、素材科学事業グループの回復が大きな要因となり、大幅に増加した。売上高は前年同期比10.0%増(為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後では7.7%増)の174億9,500万ユーロ(2009年上半期:159億400万ユーロ)となった。特別項目計上前EBITDAは10.8%増の38億3,500万ユーロ(2009年上半期:34億6,000万ユーロ)、特別項目計上前EBITは19.6%増の25億3,400万ユーロ(2009年上半期:21億1,800万ユーロ)であった。EBITは10.4%増加して22億200万ユーロ(2009年上半期:19億9,400万ユーロ)となった。また、当期純利益は27.3%増の12億1,800万ユーロ(2009年上半期:9億5,700万ユーロ)、1株当たりコア利益は19.9%増の2.35ユーロ(2009年上半期:1.96ユーロ)であった。

2010年の業績は明るい見通しを維持

2010年通年についてバイエルは、世界経済の回復は年が進むにつれてペースは低下する見込みであるものの、今後も継続していくと予想している。ヴェニングは「当社は2010年の業績について明るい見通しを維持しています」と強調した。ヘルスケア事業グループと農薬関連事業グループの業績は当初予測を下回るものとなるが、素材科学事業グループの力強い回復によって相殺されており、為替水準も良好な傾向が続いている。バイエルは引き続き、為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後で5%以上の売上増を目指している。また、依然として特別項目計上前EBITDAを70億ユーロ以上まで増加させることを目標としており、1株当たりコア利益は15%以上の増加を見込んでいる。なお、当社の見積りは、2010年第2四半期末の実勢為替レートを基に算出されたものである。

ヘルスケア事業グループは、米国で「YAZ」と競合するジェネリック医薬品の予想外の市場参入を受けて、2010年全体の売上予測を調整している。同事業グループは、医療用医薬品部門の売上高は為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後で前年同期と同じ水準を維持する見込みだが、コンシューマーヘルス部門では市場より速いペースで事業が拡大すると見ている。また、為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後では、ヘルスケア事業グループの売上高はわずかに増加する(前回:約3%)と予測している。「YAZ」に関する状況が一因となって、同事業グループの特別項目計上前EBITDAは、少なくとも前年同期と同水準(前回:前年同期比で増加)に達する見込みである。

2010年上半期の天候条件と市場環境を背景として、農薬関連事業グループは、2010年に向けた売上高と利益の予測を引き下げている。下半期に市場環境が通常に戻れば、同事業グループは、2010年全体の売上高が為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後で前年同期に比べてわずかに減少(前回:2~3%の増加)するものと予想している。農薬関連事業グループは、2010年全体では特別項目計上前EBITDAが大幅に落ち込む(前回:前年と同水準)と見ている。

素材科学事業グループは2010年下半期については明るい見通しを持っており、良好な事業動向が続くと見込んでいる。目下の状況から、同事業グループは通年で売上高は約20%、特別項目計上前EBITDAは2倍以上の増加を目指すという以前の目標は控えめであると考えており、実績はこれらの予測を上回ると見ている。素材科学事業グループは、2010年第3四半期の売上高と特別項目計上前EBITDAは第2四半期と同程度になると予想している。

<将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)>
このニュースリリースには、バイエルグループまたは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている可能性がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。

(本資料は、ドイツ・バイエル社が2010年7月29日に発表したプレスリリースの日本語翻訳版です)

バイエル ホールディング株式会社
2010年8月4日、東京
Bayer Holding Ltd.