2011年06月14日
2010年の評価と新目標を収録した『持続可能な発展報告書』を刊行

バイエル、持続可能な発展への取り組みを強化

  • 気候保全の新目標 - 温室効果ガス原単位排出量を35%削減
  • ヘルスケア - 避妊法を途上国の女性1,600万人に提供
  • 食料 - 持続可能な食料供給のため、240のパートナーシッププロジェクトを実施
  • バイエル株式が持続可能性指数に組み込まれる
  • 慈善活動に5,700万ユーロを拠出

レバクーゼン、2011年5月17日 ― バイエルグループ(本社:ドイツ レバクーゼン、社長:マライン・デッカーズ)は『持続可能な発展報告書』2010年版を刊行し、同時に持続可能性への取り組みを強化する。新報告書は、気候保全、ヘルスケアの提供、世界的な人口増加に伴う食料など主要分野の進捗に加えて、持続可能性の分野における成果を72ページにわたって記載している。レバクーゼンで行われた記者会見で、ドイツ・バイエル社経営委員会委員(イノベーション・技術・環境保全担当)のヴォルフガング・プリシュケは「私たちは、世界的に重要な課題に対応し、環境問題への関心や社会的利益と調和した経済的発展を推進するために、持続可能性の取り組みを進めています」と述べた。

バイエルは、2020年までに温室効果ガス原単位排出量を2005年との対比で35%削減したいと考えている。グループでエネルギーを大量使用する素材科学事業グループは、排出量削減目標を25%から40%に引き上げることで、上記の目標達成に向けて特に大きく寄与することになる。プリシュケは「当初の計画通り、当社はすでに2008年から2010年にかけて、気候保全関連の研究開発やプロジェクトに10億ユーロを投資しました。しかし、気候保全は今も課題とされており、引き続き努力する必要があります」と述べた。

バイエルは、2012年末までに生産施設のエネルギー効率を、さらに10%改善する計画である。これについてプリシュケは「これにより気候への影響(CO2排出量で年間約50万トン)を抑えられるだけではなく、エネルギー費用を年間約6,000万ユーロ減らすことができると予想されています」と付け加えた。
バイエルが発明志向の会社として成功を収めるための鍵はイノベーションにある。プリシュケは「人々の生活向上に役立つイノベーションこそが、持続可能性を生み出す最も効果的なきっかけとなるものであり、それはバイエルのミッション『よりよい暮らしのためのサイエンス』にも沿っています」と指摘している。イノベーションへの取り組みを支えているのが将来への計画投資であり、バイエルは研究開発や設備投資として2013年までに150億ユーロの投資を予定している。

国連のイニシアチブである責任投資原則(UN PRI)の議長で、ミュンヘン再保険会社の米国最高総務責任者(Chief Administrative Officer)のヴォルフガング・エングシュバー氏は、金融市場にとって持続可能な投資がますます重要性を増していることについて「企業が持続可能な成功に戦略を向けるかどうかは、持続的な投資を専門とする投資家の判断基準のためだけではありません。これはずっと以前から、投資の主要基準になっています」と説明している。

持続可能性プログラムの一環として、バイエルは特に気候保全、ヘルスケア、食料の安定供給の分野において、何百万という世界中の人々に直接利益をもたらす多彩なプロジェクトに製品と専門知識を提供している。

気候保全-生産量の増加と温室効果ガス排出量削減の両立

バイエルグループの2010年の生産量は、経済発展により約20%増加した。一方で直接および間接の温室効果ガス排出絶対量はCO2換算で810万トンから850万トンへ、わずか4.9%の増加にとどまっており、これは約12%の温室効果ガス原単位排出量削減に相当する。技術プロセスの改善と生産施設の設備稼働率上昇によって、生産増と温室効果ガス排出量との削減を両立することが可能になった。

バイエルは引き続き生産施設のエネルギー効率を高める計画であり、素材科学事業グループの「エコ・コマーシャルビル」プログラムなどを通じて、気候保全に貢献する製品への応用開発に注力していく。建築物から出る温室効果ガスは世界の温室効果ガス排出量の約20%を占めている。バイエルは、新5カ年計画で政府が持続可能な経済成長を公約している中国において、天津港保税区の環境保護局と協力して、環境に配慮したプロトタイプのビルを管理区域に建設する予定である。

バイエルグループの「エコ・コマーシャルビル」第1号としてドイツ・モンハイムの自社敷地内に建設・運営を開始した社内児童保育所は、再生可能エネルギーと効率のよい建築用断熱材を組み合わせれば、年間のエネルギー収支が均衡するCO2排出量中立性(カーボンニュートラル)を達成できることを示した。建物の平均的使用で、ポリウレタン断熱材は、その製造に必要なエネルギーの70倍ものエネルギーを節減することができる。

ヘルスケア-途上国において避妊法の入手方法を提供

「バイエル持続可能性プログラム」においてさらに重要な分野の1つが家族計画である。バイエルは、米国国際開発庁(USAID)やドイツ世界人口財団(DSW)などの組織と協力して、現代的な避妊法(経口避妊薬など)を入手できる途上国人口を増加させた。また、避妊薬を途上国向けの価格で提供するだけでなく、無料配布も行っている。

ヘルスケア事業グループは避妊法の世界市場リーダーとして、2010年には各種避妊法約1億1800万ユニットを途上国に対して安価に提供、約1,600万人の女性が利用した。こうした避妊法の80%はサハラ以南のアフリカ諸国に提供されている。また、2010年にUSAIDと協力して、経口避妊薬を安価でエチオピア市場に上市した。2013年までにはウガンダやタンザニアなど人口が急増している国を含む他のアフリカ10カ国でもこれに続く見通しとなっている。また、DSWと協力して避妊教育も実施している。

ヘルスケアのもう一つの重点分野が、10億人もの人が苦しんでいるいわゆる「顧みられない病気」との闘いである。バイエルはシャーガス病やアフリカ睡眠病治療のために医薬品を無償で世界保健機関(WHO)に提供している。

食料-途上国に質の高い食品を

食料の分野でバイエルは、特に途上国において質が高くしかも安価な食料の持続可能な生産に重点を置いている。このため、農薬関連事業グループは、生産者だけではなく、加工業者、運送業者、販売業者、輸出業者を1つにまとめ、現在、全世界240のプロジェクトで「フードチェーン・パートナーシップ」構想を展開している。例えば、2010年にはインドの約100カ所の栽培地域(総面積4万ヘクタール以上)でオクラ、ナス、ジャガイモの栽培を支援した。この結果、高収量と高品質により収入が最高40%増加するなど、農家に大きなメリットをもたらした。バイエルは種子、農薬の提供、使用者の安全性教育などで農家を支援している。

持続可能性関連パラメータに関するデータの透明性

12冊目となる『持続可能な発展報告書』には、全世界342カ所にあるバイエルの施設で収集した持続可能性パラメータに関する詳細データが掲載されている。この中には、温室効果ガス排出量に加え、大気中への他の排出物、環境事故、労働災害のデータも含まれている。

2010年に揮発性有機化合物排出量は約2%減少し、販売製品1トン当たり約0.24キログラムとなった。報告対象となる環境事故および輸送事故の報告件数は前年の18件に対して合計13件だった。また、休業災害の発生率は、2.0件/100万労働時間から1.7件/100万労働時間に低下した。新設されたバイエル・セーフティ・カウンシルは安全性基準をさらに強化しようとしている。

本報告書は企業監査法人アーンスト・アンド・ヤングの監査を受けており、国際的に承認されたグローバル・リポーティング・イニシアチブ(GRI)ガイドラインに基づいている。GRIにより本報告書は最高のA+ランクと評価されている。

持続可能な投資-投資家は持続可能な事業活動を評価

レバクーゼンの記者会見でエングシュバー氏は「企業の評価に当たって機関投資家は、対象企業の世界的問題と関係するリスクや機会、そうしたことへの対応の仕方、責任の取り方にますます重要性を置くようになっています」と述べた。投資家にとって、持続可能性は投資判断を行うための適切な、また決定的な要素であるため、投資家は特別な持続可能性指数などに注目している。バイエルは、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ワールド・インデックス(DJSIワールド)、ダウ・ジョーンズ・サステナビリティ・ヨーロッパ・インデックス(DJSIヨーロッパ)、FTSE4GOODグローバル指数、ASPIユーロ圏指数など多くの持続可能性指数に長年にわたって組み込まれ、注目されている。

2010年には業界の最優秀企業として、バイエルはカーボン・ディスクロージャー・リーダーシップ・インデックスに再度組み込まれ、新たに設定されたカーボン・パフォーマンス・リーダーシップ・インデックスにも組み込まれた。気候問題に関するこれら2つの世界的指数は、カーボン・ディスクロージャー・プロジェクト(CDP)において投資家が発案した指数であり、指数に組み込まれた企業に対する投資額は、現在、71兆ドルにのぼっている。

多様性と社会的公約

バイエルは労働力の多様性を重要な価値と考えており、多様性をさらに推し進めたいと考えている。この数年間に上級管理職に占める女性の比率は増加し続け、2010年末には20%を超えるまでになった。バイエルは法的な割り当て以上に、自社で独自に目標を定めた支援プログラムを推進している。グループ全体としてバイエルは女性の上級管理職比率を2015年までに30%に近づけることを目標としている。またバイエルにとって多様性とは国際性という意味でもある。マネジメント層の国籍は21カ国に及んでいる。

バイエルは2010年も社会的ニーズを継続して重視した。社会貢献のために教育・研究、ヘルスケア、リクリエーションスポーツや障害者スポーツなどの重要分野に、グループ全体で5,700万ユーロを拠出した。2010年には、科学教育の向上、才能ある若者の育成、第一線の研究者への支援のために、バイエル科学・教育財団はドイツの学校に合計約125万ユーロを提供している。

ヘルスケア分野において、バイエルは「ゴー・ウエスト」プログラムの一環として、中国の政府や現地の大学と協力して、例えば西部農村地域の医師への教育を継続している。

また「シンプリー・サッカー」と称する活動で、バイエルは現在、ドイツサッカー連盟(DFB)と協力して特別支援学校とサッカークラブとの10のパートナーシップを編成している。このパートナーシップの目的は、障害のある生徒にクラブレベルのサッカーを届けることである。

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルグループまたは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている可能性がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。

(本資料は、ドイツ・バイエル社が2011年5月17日に発表したプレスリリースの日本語翻訳版です)

バイエル ホールディング株式会社
2011年6月14日、東京
Bayer Holding Ltd.