2011年08月03日
ドイツ・バイエル社 2011年第2四半期中間財務報告

バイエルは好業績を維持

  • 売上高は為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後で前年同期比5.4%増の92億5,200万ユーロ
  • 営業利益(EBIT)は前年同期比25.9%増の12億7,300万ユーロ
  • 特別項目計上前EBITDAは前年同期比5.8%増の20億3,500万ユーロ
  • 当期純利益は前年同期比40.9%の大幅増となる7億4,700万ユーロ
  • グループの2011年の業績予測を確認
  • 技術革新プロジェクトは大きく前進
  • 業務効率改善策は順調に進行

ドイツ レバクーゼン、2011年7月28日 ― バイエルグループ(本社:ドイツ レバクーゼン、社長:マライン・デッカーズ)は、2011年第2四半期も好調な業績を維持した。デッカーズ社長は28日に行われた第2四半期の業績発表に際し「当社は好調な業績を上げており、研究開発パイプラインの製品にも大きな前進がありました」と述べた。さらに、2010年11月に発表した業務効率改善策についても計画通り実施されている。デッカーズは2011年全体について明るい見通しをもっており、4月に引き上げた2011年の売上高・利益予測の維持を確認した。

バイエルグループの2011年第2四半期の売上高は、前年同期比0.8%増の92億5,200万ユーロ(2010年第2四半期:91億7,900万ユーロ)であった。為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後の増収率は5.4%であった。新興市場の業績が、この増収に対して平均を上回るプラス効果を与えた。営業利益(EBIT)は前年同期比25.9%の大幅増となる12億7,300万ユーロ(2010年第2四半期:10億1,100万ユーロ)であった。

特別項目は合計で-1億4,400万ユーロ(2010年第2四半期:-2億5,500万ユーロ)であった。このうち特に農薬関連事業グループとヘルスケア事業グループの事業再構築費用は1億7,900万ユーロにのぼった。一方、英国における年金債務引当金の評価調整により、3,500万ユーロの利益が生じた。

特別項目計上前の営業利益(EBIT)は前年同期比11.9%増の14億1,700万ユーロ(2010年第2四半期:12億6,600万ユーロ)であった。特別項目計上前の金利・税金・償却前利益(EBITDA)は前年同期比5.8%増の20億3,500万ユーロ(2010年第2四半期:19億2,300万ユーロ)であった。当期純利益は前年同期比で40.9%と非常に高い増加率を上げ、7億4,700万ユーロ(2010年第2四半期:5億3,000万ユーロ)となった。また、1株当たりコア利益は11.2%増の1.29ユーロ(2010年第2四半期:1.16ユーロ)となった。

グロス・キャッシュフローは前年同期比18.6%増の15億3,200万ユーロ(2010年第2四半期:12億9,200万ユーロ)となったが、ネット・キャッシュフローは前年と同水準の15億3,000万ユーロ(2010年第2四半期:15億4,500万ユーロ)であった。第2四半期に典型的な、配当や業績連動報酬、利息の支払いによる高い支出にもかかわらず、純金融負債は2011年3月31日時点の71億ユーロに対して2011年6月30日時点では74億ユーロと、わずかな増加にとどまった。

ヘルスケア事業グループ(バイエル ヘルスケア社):新興市場で成功を収める

ヘルスケア事業グループの2011年第2四半期の売上高は、前年同期比2.3%減の42億800万ユーロ(2010年第2四半期:43億500万ユーロ)であった。為替・ポートフォリオ調整後では1.8%の増収であった。デッカーズは「ヘルスケア事業グループはアジア・太平洋地域とラテンアメリカ・アフリカ・中東地域では好調な伸びを記録しましたが、一方で北米地域とヨーロッパ地域での売上高は若干減少しました」と述べた。

医療用医薬品部門の売上高は前年同期比0.5%増(為替・ポートフォリオ調整後)の26億6,600万ユーロであった。新興市場、特に中国での売上増が、北米と西ヨーロッパにおける業績の低迷を相殺した。米国では、ジェネリック医薬品との競争により経口避妊薬「YAZ」の売上が再び減少し、世界での売上は為替の影響調整後で7.0%減となった。また、医療用医薬品部門の事業は、世界各国の医療制度改革の影響も受けた。その一方で、遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤「コージネイト」は、為替の影響調整後で15.4%増、子宮内避妊システム「ミレーナ」は為替の影響調整後で26.2%増と、好調に売上を伸ばした。「Aspirin Cardio」は為替の影響調整後で10.0%の売上増となった。中国では同剤のマーケティング活動が拡大した。一方、ED治療薬「レビトラ」は為替の影響調整後で10.6%、抗菌剤「アベロックス」は為替の影響調整後で6.8%の売上減となった。これは、米国での販売活動が一部再編されたためである。多発性硬化症の再発予防・進行抑制薬「ベタフェロン」の売上は為替の影響調整後で4.7%減となったが、これはヨーロッパにおける医療制度改革に関連する競争の激化と薬価の低下の悪影響によるものであった。

コンシューマーヘルス部門の売上高は前年同期比4.1%増(為替・ポートフォリオ調整後)の15億4,200万ユーロであり、全地域がこの増収に貢献した。一般用医薬品事業(コンシューマーケア事業部)では、解熱・鎮痛剤「Aleve」(一般名:ナプロキセン)が為替の影響調整後で11.6%、同「アスピリン」が為替の影響調整後で7.4%の高い伸びを示した。スキンケア製品ライン「Bepanthen」「Bepanthol」の売上は為替の影響調整後で7.1%増加した。メディカルケア事業部は、米国での糖尿病関連分野の落ち込みにもかかわらず、前年と同水準の売上を維持した。一方、動物用薬品事業部は、主にノミ・ダニ駆除剤「アドバンテージ」の9.8%増(為替の影響調整後)により、売上増となった。

ヘルスケア事業グループの2011年第2四半期の特別項目計上前EBITDAは、前年同期比3.0%増の11億5,600万ユーロ(2010年第2四半期:11億2,200万ユーロ)であった。この増加は特に医療用医薬品部門のコスト減によるものであった。

農薬関連事業グループ(バイエル クロップサイエンス社):好調な業績を継続

農薬関連事業グループの2011年第2四半期の売上高は、前年同期比3.1%増(為替・ポートフォリオ調整後では9.2%増)の19億4,300万ユーロ(2010年第2四半期:18億8,400万ユーロ)であった。デッカーズは「北半球が今季全般的に業績好調だったことが再び利益をもたらし、特にバイオサイエンス事業が好調な伸びを示しました」と述べた。さらに農作物の高値により、市場環境は前年同期の厳しい状況から一転して有利な状況となった。最も成長率が高かったのは北米地域であり、低調だった前年同期から19.2%の増収(為替・ポートフォリオ調整後)となった。ヨーロッパ地域も好調な業績を上げ、為替・ポートフォリオ調整後で6.4%の売上増となった。アジア・太平洋地域は為替・ポートフォリオ調整後で3.7%、ラテンアメリカ・アフリカ・中東地域は同じく4.5%の増収であった。

農薬部門の売上増に特に貢献したのは種子処理剤と殺菌剤で、それぞれ為替・ポートフォリオ調整後で16.5%と13.8%増加した。除草剤の売上も、為替・ポートフォリオ調整後で8.9%の大幅増となった。一方、殺虫剤の売上は旧製品の販売中止に伴い、2.3%の伸び(為替・ポートフォリオ調整後)にとどまった。種子と形質を専門に扱うバイオサイエンス事業では非常に好調な業績が続き、売上高は為替・ポートフォリオ調整後で21.9%増加した。カナダでのカノーラ(ナタネ)種子の売上と、アジアでの綿実およびコメ種子の売上は特に力強い伸びを示した。エンバイロサイエンス事業の売上は為替・ポートフォリオ調整後で1.7%減少し、前年の水準を若干下回った。一般消費者向け製品は停滞気味となり、専門業者向け製品はヨーロッパ、中東、アフリカで売上が減少した。

農薬関連事業グループの2011年第2四半期の特別項目計上前EBITDAは、前年同期比23.9%増の4億7,100万ユーロ(2010年第2四半期:3億8,000万ユーロ)であった。これはとりわけ、良好な業績と設備稼働率の上昇によるものであった。

素材科学事業グループ(バイエル マテリアルサイエンス社):事業はさらに拡大

2011年第2四半期、素材科学事業の売上高は再び3.5%(為替・ポートフォリオ調整後で8.3%)増加し、27億8,200万ユーロ(2010年第2四半期:26億8,900万ユーロ)となった。デッカーズは「素材科学事業グループは、すべての事業と地域、特にヨーロッパと北米において販売価格が上昇したことによる恩恵を受けました。一方、販売量は前年の水準を若干下回りました」と述べた。ヨーロッパでは販売量が大幅に増加したものの、アジア・太平洋地域と北米地域での減少を完全に埋め合わせるには不十分であった。ラテンアメリカ・アフリカ・中東地域での販売量は前年と同水準であった。

フォーム原材料(ポリウレタン)事業は為替・ポートフォリオ調整後で前年同期比8.4%の売上増となった。高機能性樹脂(ポリカーボネート)事業の売上は為替・ポートフォリオ調整後で前年同期から6.7%増加した。塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業による原材料の売上は為替・ポートフォリオ調整後で前年同期比6.3%、生産管理事業(無機基礎化学品)の売上は為替・ポートフォリオ調整後で20.6%増加した。

素材科学事業グループの2011年第2四半期の特別項目計上前EBITDAは、前年と同水準の3億7,200万ユーロ(2010年第2四半期:3億7,300万ユーロ)であった。製品の販売価格の上昇が、原材料価格とエネルギー価格の大幅な上昇を相殺し、これを上回った。中国におけるTDI工場の試運転に一部関連して費用が増加したことと、為替のマイナス効果により、利益が削減された。

上半期の売上高と利益はすべての事業グループで増加

バイエルの2011年上半期の売上高と利益は大幅に増加した。デッカーズは「3事業グループすべてがこの好業績に貢献しました」と述べた。上半期の売上高は前年同期比6.7%増(為替・ポートフォリオ調整後では7.8%増)の186億6,700万ユーロ(2010年上半期:174億9,500万ユーロ)であった。EBITは14.5%増の24億2,100万ユーロ(2010年上半期:21億1,500万ユーロ)、特別項目計上前EBITDAは13.8%増の42億6,700万ユーロ(2010年上半期:37億4,800万ユーロ)であった。また、バイエルグループの当期純利益は23.3%増の14億3,100万ユーロ(2010年上半期:11億6,100万ユーロ)、1株当たりコア利益は19.7%増の2.74ユーロ(2010年上半期:2.29ユーロ)であった。

技術革新と新市場の開拓による成長

デッカーズは「技術革新と新市場の開拓は、当社の成長の原動力です」と述べた。2011年第2四半期、バイエルの研究開発パイプラインである経口抗凝固剤リバロキサバン(製品名「Xarelto」日本未承認)や、滲出型加齢黄斑変性治療薬アフリベルセプト(VEGF Trap-Eye)、抗がん剤塩化ラジウム223「Alpharadin」は、特に大きな進歩を遂げた。デッカーズは「当社は将来に向けて、2013年までに合計150億ユーロの投資を計画しており、研究開発投資はその約3分の2を占めることとなります」と強調した。バイエルは2011年上半期中に、合計14億6,400万ユーロを研究開発費にあてている。また、同期間中の有形固定資産および無形資産への資本的支出は5億3,600万ユーロに達した。

新興市場は2011年上半期の増収に大きく貢献した。バイエルは、アジア・太平洋地域(日本、オーストリア、ニュージーランドを除く)、ラテンアメリカ、東ヨーロッパ、アフリカおよび中東を新興市場と定義している。これらの新興市場における売上高は、為替の影響調整後で前年同期比11.1%増の64億1,500万ユーロであった。このうち第2四半期の売上は32億9,700万を占め、前年同期を6.9%(為替の影響調整後)上回った。第2四半期に最も成長率の高かったのは東ヨーロッパとアジアであった。

業務効率改善策も前進

成長と技術革新の源泉に再び集中する取り組みにおいても前進が見られた。2010年11月、当社は、世界中で年間8億ユーロのコスト削減を目指すイニシアチブを2013年より開始すると発表した。削減額の約半分は研究開発や新製品の販売、および新興市場における事業活動の拡大に再投資される。必要な資源は、 業務プロセスと組織構造の効率改善、およびコスト削減によって確保され、これらは両方とも業務ポジションの削減につながる。デッカーズは「このプロジェクトは大きく前進しています」と述べた。

2011年通年の業績は明るい見通しを維持

デッカーズは「当社は4月に引き上げた2011年通年の売上高・利益予測を確認しました」と述べた。バイエルは引き続き、為替・ポートフォリオ調整後で5%~7%の売上増を目指しており、これはグループ全体の売上高でいえば360億ユーロから370億ユーロに相当する。この目標値は2011年第2四半期末の実勢為替レートに基づくものである。特別項目計上前のEBITDAについては、バイエルは引き続き75億ユーロ以上に増加させることを目指している。また、1株当たりコア利益は従来通り約15%の増加を見込んでいる。EBITDAには現在継続中の事業再構築計画に関する特別損失が算入されるが、これは以前と変わらず5億ユーロとなる見込みである。

ヘルスケア事業グループの2011年の業績見通しでは、以前と同じく売上高については為替・ポートフォリオ調整後で1桁台前半から半ばの増加率となり、特別項目計上前EBITDAは微増となる計画である。医療用医薬品部門の売上高については、2011年にはまだ市場と同じような成長の回復は見込まれていない。売上高は為替・ポートフォリオ調整後で1桁台前半から半ばの増加率を上げ、特別項目計上前EBITDAは増加させる計画である。コンシューマーヘルス部門については為替・ポートフォリオ調整後で市場を上回るペースでの売上増を引き続き期待している。従前通り、売上高と特別項目計上前EBITDAは1桁台半ばの増加率が見込まれる。

農薬関連事業グループは好調な業績が続いている。同事業グループは、2011年に為替・ポートフォリオ調整後で1桁台後半の売上増を目指している。また、特別項目計上前EBITDAを、低調であった前年と比べて約20%、あるいは2011年下半期のシーズンが好調であればそれ以上の比率で、増加させる計画である。

素材科学事業グループは引き続き、為替・ポートフォリオ調整後で1桁台後半の売上増を見込んでいる。また特別項目計上前EBITDAについても引き続き売上高を上回る増加率を目指している。しかしながら、これはますます高い目標になると当社は考えている。素材科学事業グループは、2011年第3四半期の売上高と特別項目計上前EBITDAが前年と同水準になると見ている。

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルグループまたは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている可能性がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。

(本資料は、ドイツ・バイエル社が2011年7月28日に発表したプレスリリースの日本語翻訳版です)

バイエル ホールディング株式会社
2011年8月3日、東京
Bayer Holding Ltd.