2011年11月08日
ドイツ・バイエル社 2011年第3四半期中間財務報告

第3四半期の好業績を受け、グループの業績予測を確認

  • 売上高は前年同期比4.8%増(調整後)の86億7,000万ユーロ
  • 新興市場は引き続き成長傾向(調整後:前年同期比9.5%増)
  • 営業利益(EBIT)は前年同期比94.9%増の10億9,900万ユーロ
  • 特別項目計上前EBITDAは前年同期比8.5%増の18億500万ユーロ
  • ヘルスケア事業と農薬関連事業の利益率は顕著に上昇する一方で素材科学事業は低下
  • 当期純利益は前年同期の2倍を超える(125.3%増)6億4,200万ユーロ

ドイツ レバクーゼン、2011年10月27日 ― バイエルグループ(本社:ドイツ レバクーゼン、社長:マライン・デッカーズ)は、2011年第3四半期もさらに売上を伸ばし、大幅な増益となった。デッカーズ社長は27日に行われた第3四半期の業績発表に際し「第3四半期はバイエルにとって好調な四半期となりました」と述べ、成功の主な要因として新興市場で成長傾向が続いていることをあげた。デッカーズはさらに「もう一つの注目点は、ヘルスケア事業グループと農薬関連事業グループが大幅な増益となったことです」と述べた。一方、素材科学事業グループの利益はエネルギー価格や原材料価格の上昇により減少した。デッカーズは研究開発においても目覚ましい進展があったと述べ、後期開発段階にある医薬品パイプラインからの有望な情報を紹介した。また、「第3四半期の業績が好調だったことから、4月に上方修正したバイエルグループの通年の業績予測を確認しました」と述べた。

バイエルグループの2011年第3四半期の売上高は、前年同期比1.0%増の86億7,000万ユーロ(2010年第3四半期:85億8,100万ユーロ)であった。為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後(以下、「為替・ポートフォリオ調整後」)の増収率は4.8%であった。新興市場の売上は為替の影響調整後で9.5%増加し、特に高い成長率を示した。営業利益(EBIT)は前年同期比94.9%の大幅増となり、10億9,900万ユーロ(2010年第3四半期:5億6,400万ユーロ)に達した。

特別損失は、事業再構築費用6,900万ユーロを含む総額7,500万ユーロ(2010年第3四半期:4億3,600万ユーロ)であった。なお、2010年第3四半期の利益は、米国における遺伝子組換え米の訴訟の引当金により減少していた。

特別項目計上前の営業利益(EBIT)は、前年同期比17.4%増の11億7,400万ユーロ(2010年第3四半期:10億ユーロ)であった。特別項目計上前の金利・税金・償却前利益(EBITDA)は、前年同期比8.5%増の18億500万ユーロ(2010年第3四半期:16億6,400万ユーロ)であった。当期純利益は前年同期の2倍を超える増加(125.3%増)となり、6億4,200万ユーロ(2010年第3四半期:2億8,500万ユーロ)に達した。1株当たりコア利益は前年同期比17.9%増の1.12ユーロ(2010年第3四半期:0.95ユーロ)であった。

グロス・キャッシュフローは営業利益の増加と特別損失の減少により前年同期比49.6%増の13億2,700万ユーロ(2010年第3四半期:8億8,700万ユーロ)となったが、ネット・キャッシュフローは前年と同水準の15億7,700万ユーロ(2010年第3四半期:15億5,500万ユーロ)であった。為替による約3億ユーロのマイナス効果にもかかわらず、純金融負債は2011年6月30日時点から4億ユーロ減少し、2011年9月30日時点では70億ユーロとなった。

ヘルスケア事業グループ(バイエル ヘルスケア社):増益を達成

ヘルスケア事業グループの2011年第3四半期の売上高は、為替のマイナス効果により、前年同期比1.7%減の42億ユーロ(2010年第3四半期:42億7,100万ユーロ)となった。為替・ポートフォリオ調整後では1.6%の増収であった。デッカーズは「医療用医薬品部門は、新興市場において特に好調な事業動向を示しました」と述べた。一方、ヨーロッパと北米では医療用医薬品部門の売上高は減少した。コンシューマーヘルス部門はすべての地域において為替の調整後で売上を伸ばした。

医療用医薬品部門の売上高は前年同期比0.3%増(為替・ポートフォリオ調整後)の26億6,300万ユーロであった。これは主としてアジア・太平洋地域とラテンアメリカ地域、特に中国とブラジルが好調だったためである。一方、北米と西ヨーロッパでは、医療制度改革の影響で売上は引き続き落ち込んだ。医療用医薬品部門の売上上位の製品の中では、経口避妊薬「YAZ」が特に好調であり、低調だった前年同期に比べて16.5%(為替の影響調整後)の売上増となった。心筋梗塞の再発予防薬「Aspirin Cardio」の売上も、2桁成長となる11.4%(為替の影響調整後)の売上増を達成した。抗がん剤「ネクサバール」は、主に肝臓癌領域において、4.5%(為替の影響調整後)の売上増となった。一方、遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤「コージネイト」は、販売提携先の発注スケジュールの変動が原因で、3.9%(為替の影響調整後)減少した。また、ED治療薬「レビトラ」は、米国において一般医薬品の販売活動が一部再編されたことにより、好調であった前年同期から31.0%(為替の影響調整後)の売上減となった。

コンシューマーヘルス部門の売上高は前年同期比3.8%増(為替・ポートフォリオ調整後)の15億3,700万ユーロとなった。すべての地域、特にラテンアメリカ・アフリカ・中東地域がこの増収に貢献した。一般用医薬品事業(コンシューマーケア事業部)では、特にスキンケア製品ライン「Bepanthen」「Bepanthol」(為替の影響調整後で5.2%増)と解熱・鎮痛剤「アスピリン」(為替の影響調整後で3.0%増)が売上を伸ばした。メディカルケア事業部は、主に糖尿病関連分野の成長により、血糖自己測定器「Contour」の売上は11.2%(為替の影響調整後)増加した。一方、動物用薬品事業部の売上は前年と同水準に止まった。ノミ・ダニ駆除剤「アドバンテージ」の売上は6.6%(為替の影響調整後)減少した。

ヘルスケア事業グループの2011年第3四半期の特別項目計上前EBITDAは、前年同期比9.3%増の12億2,600万ユーロ(2010年第3四半期:11億2,200万ユーロ)となった。これに伴い、特別項目計上前EBITDA利益率は29.2%(2010年第3四半期:26.3%)まで上昇した。全事業部でコストの削減を達成した医療用医薬品部門が、増益の原動力となった。デッカーズは「これは、バイエルの業務効率改善策が成果を上げ始めたことを示しています」と述べた。これに加えて、経口抗凝固剤リバロキサバン(製品名「Xarelto」、日本未承認)のほとんどの第Ⅲ相臨床試験が成功裏に終了した結果、開発費用が減少したため利益が押し上げられた。一方、医療制度改革と不利な為替変動はマイナスの影響を及ぼした。

農薬関連事業グループ(バイエル クロップサイエンス社):売上高、利益ともに大幅に改善

農薬関連事業グループの2011年第3四半期の売上高は、前年同期比2.8%増(為替・ポートフォリオ調整後では9.4%増)の13億7,900万ユーロ(2010年第3四半期:13億4,100万ユーロ)であった。農薬部門では販売量の大幅増により売上高が増加したが、バイオサイエンス事業とエンバイロサイエンス事業では売上高が減少した。デッカーズは「農作物の高値といった良好な市場環境がプラス要因となりました」と説明した。農薬関連事業グループの売上高はラテンアメリカ・アフリカ・中東地域とアジア・太平洋地域で大幅に増加し、それぞれ為替の影響調整後で13.8%と12.5%の増収となった。同事業グループはヨーロッパと北米でも堅実な売上増を達成し、それぞれ2.3%と2.2%の増収となった。

農薬部門では、すべての製品グループが目覚ましい成長を遂げた。特に種子処理は大幅に売上を拡大し、35.1%(為替・ポートフォリオ調整後)の売上増となった。殺虫剤の売上も、「Temik」等の旧製品の販売中止にもかかわらず、10.2%(為替・ポートフォリオ調整後)の大幅な伸びを示した。殺菌剤は10.5%(為替・ポートフォリオ調整後)、除草剤は6.2%(為替・ポートフォリオ調整後)の売上増となった。

一方、種子と形質を専門に扱うバイオサイエンス事業では、売上高が大きく落ち込んだ(為替・ポートフォリオ調整後で20.9%減)。第3四半期には北米におけるカノーラ(ナタネ)種子と綿実の売上が特に低迷したが、第1-3四半期としては2桁の伸びとなった。エンバイロサイエンス事業の第3四半期の売上は3.2%(為替の影響調整後)減少した。

農薬関連事業グループの2011年第3四半期の特別項目計上前EBITDAは、前年同期比47.3%増の1億6,500万ユーロ(2010年第3四半期:1億1,200万ユーロ)であった。これは主として販売量の大幅増と設備稼働率の上昇によるものであった。特別項目計上前EBITDA利益率は12.0%(2010年第3四半期:8.4%)まで上昇した。

素材科学事業グループ(バイエル マテリアルサイエンス社):原材料・エネルギー価格により利益が減少

デッカーズは続けて「素材科学事業グループについては、複雑な状況となりました」と述べた。2011年第3四半期中、素材科学事業の売上高は3.9%(為替・ポートフォリオ調整後では7.4%)増加し、27億6,800万ユーロ(2010年第3四半期:26億6,500万ユーロ)となった。素材科学事業グループはすべての事業と地域で販売価格の引き上げを実施したが、販売量はラテンアメリカ・アフリカ・中東地域と北米地域での増加が、アジア・太平洋地域での減少により完全に相殺されたため、全体としては前年と同水準となった。

フォーム原材料(ポリウレタン)事業は為替・ポートフォリオ調整後で前年同期比7.1%の売上増となった。高機能性樹脂(ポリカーボネート)事業も同様に為替・ポートフォリオ調整後で前年同期比7.4%の売上増となった。塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業による原材料の売上は為替・ポートフォリオ調整後で前年同期比3.2%、生産管理事業(無機基礎化学品)の売上は為替・ポートフォリオ調整後で23.8%増加した。

素材科学事業グループの2011年第3四半期の特別項目計上前EBITDAは、前年同期を14.7%下回る3億4,800万ユーロ(2010年第3四半期:4億800万ユーロ)であった。この減少は、主として原材料価格とエネルギー価格の上昇によるものであった。この上昇は販売価格の引き上げにより大幅に相殺されたが、完全には相殺されなかった。プロジェクト関連の事業費用と運転休止による費用の増加も、利益にマイナスの影響を及ぼした。

第1-3四半期は目覚ましい増収増益を達成

バイエルの2011年第1-3四半期の売上高と利益は非常に目覚ましい増加を達成し、3事業グループすべてがこの業績に貢献した。同期間中の売上高は前年同期比4.8%増(為替・ポートフォリオ調整後では6.8%増)の273億3,700万ユーロ(2010年第1-3四半期:260億7,600万ユーロ)であった。EBITは31.4%増の35億2,000万ユーロ(2010年第1-3四半期:26億7,900万ユーロ)、特別項目計上前EBITDAは12.2%増の60億7,200万ユーロ(2010年第1-3四半期:54億1,200万ユーロ)であった。また、当期純利益は43.4%増の20億7,300万ユーロ(2010年第1-3四半期:14億4,600万ユーロ)、1株当たりコア利益は19.1%増の3.86ユーロ(2010年第1-3四半期:3.24ユーロ)であった。

新興市場では上昇傾向が継続

新興市場は再び売上高の増加に大きく貢献した。バイエルは、アジア・太平洋地域(日本、オーストラリア、ニュージーランドを除く)、ラテンアメリカ、東ヨーロッパ、アフリカおよび中東を新興市場と定義している。これらの国々における2011年第1-3四半期の売上高は、為替の影響調整後で前年同期比10.5%増の97億4,600万ユーロであった。このうち第3四半期の売上は33億3,100万ユーロ(為替の影響調整後で9.5%増)を占めた。

デッカーズは、第3四半期の研究開発、特に経口抗凝固剤リバロキサバンと抗がん剤塩化ラジウム223(製品名「Alpharadin 」、日本未承認)において重要な進展があったことを強調した。さらに、転移性大腸癌を対象とするレゴラフェニブの第Ⅲ相臨床試験は、中間解析でポジティブな結果が得られたため、早期終了となった。バイエルは、2013年までに、将来に向けて総額150億ユーロの投資を計画しており、研究開発投資はその約3分の2を占めることとなる。

2011年の特別項目計上前EBITDAは75億ユーロを超える見込み

デッカーズは「当社は4月に上方修正した2011年通年の売上高・利益予測を確認しました」と述べた。以前発表した通り、バイエルは2011年に全体として5%~7%(為替・ポートフォリオ調整後)の売上増を見込んでいる。これはグループ全体の売上高でいえば360億ユーロから370億ユーロに相当する。この目標値は2011年第3四半期末の実勢為替レートに基づくものである。特別項目計上前EBITDAについては、バイエルは引き続き75億ユーロ以上に増加させることを目指している。また、1株当たりコア利益は従前通り約15%の増加を見込んでいる。引き続き、EBITDAには現在継続中の事業再構築計画に関する特別損失約5億ユーロが算入される計画である。

ヘルスケア事業グループでは、2011年の売上高については為替・ポートフォリオ調整後で1桁台前半(以前の計画では1桁台前半から半ば)の増加率となる計画である。特に業務効率改善策によるコスト削減に伴い、特別項目計上前EBITDAは1桁台半ばの増加率となり(以前の予測では微増)、少なくとも46億ユーロに達する見込みである。医療用医薬品部門の売上高については、2011年にはまだ市場と同じような成長の回復は見込まれておらず、為替・ポートフォリオ調整後で前年とほぼ同水準か、わずかな増加に止まるものと見られる(以前は1桁台前半から半ばの増加率を予想)。医療用医薬品部門では、特に業務改善により、特別項目計上前EBITDAは約5%増加し、特別項目計上前EBITDA利益率は30%程度まで上昇するものと予測している(以前は特別項目計上前EBITDA利益率の上昇を予測)。コンシューマーヘルス部門については、為替・ポートフォリオ調整後で市場を上回るペースの売上増を期待している。また、売上高と特別項目計上前EBITDAは1桁台半ばの増加率を見込んでいる。

農薬関連事業グループは好調な業績が続いている。従前通り、同事業グループは2011年に為替・ポートフォリオ調整後で1桁台後半の売上増を目指している。特別項目計上前EBITDAは、2011年第1-3四半期の業績が好調だったことを考慮して、低調であった前年と比べて20%以上(以前の計画では約20%)の増加となる計画である。

素材科学事業グループは、第4四半期の売上増を見込んでいる。一方、原材料価格とエネルギー価格の上昇が続いていることから、特別項目計上前EBITDAは前年同期を下回るものと見られる。素材科学事業グループは、2011年の売上高は1桁台後半(為替・ポートフォリオ調整後)の増加率となり、特別項目計上前EBITDAは若干減少して約13億ユーロ(以前の予測では売上高を上回る増加率)になると予測している。

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルグループまたは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている可能性がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。

(本資料は、ドイツ・バイエル社が2011年10月27日に発表したプレスリリースの日本語翻訳版です)

バイエル ホールディング株式会社
2011年11月8日、東京
Bayer Holding Ltd.