2013年11月12日
ドイツ・バイエル社 2013年第3四半期

バイエル:事業の勢いを継続

  • ライフサイエンス事業は順調に推移、素材科学事業は前年同期と同水準
  • 医療用医薬品の新製品は目覚ましい成長を達成
  • グループ売上高は96億4,300万ユーロ(前年同期比0.2%減、為替・ポートフォリオ調整後6.0%増)
  • EBITは前年同期比47.5%増の12億2,100万ユーロ
  • 特別項目計上前EBITDAは前年同期比7.7%増の19億8,400万ユーロ
  • 当期純利益は前年同期比42.1%増の7億3,300万ユーロ
  • 1株当たり中核利益は前年同期比8.5%増の1.27ユーロ
  • グループの2013年通年の業績予測を継続

ドイツ レバクーゼン、2013年10月31日― バイエルグループ(本社:ドイツ レバクーゼン、社長:マライン・デッカーズ)の、2013年第3四半期はライフサイエンス事業(ヘルスケア事業と農業関連事業)が大きく貢献し、事業の勢いを継続した。デッカーズは31日に行われた第3四半期決算発表で「ヘルスケア事業グループは、医療用医薬品の新製品が非常に高い販売実績を示したことが主な要因で、すばらしい成長を遂げました」と説明した。また、農業関連事業グループは有利な市場環境が続いたことと、ラテンアメリカで作付時期に向けて良好なスタートを切ったことによる恩恵を受けたと述べた。素材科学事業グループについては、厳しい市場環境が続く中で、売上高(為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後)および利益とも前年同期と同水準となった。デッカーズは「グループの2013年通年の業績予測については、非常に高い目標になりつつありますが、継続しています」と述べている。

バイエルグループの2013年第3四半期の売上高は、前年同期と同水準(0.2%減)の96億4,300万ユーロ(2012年第3四半期:96億6,100万ユーロ)となった。為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後(「為替・ポートフォリオ調整後」)では6.0%の増収であった。金利・税引前利益(「EBIT」)は前年同期比47.5%増と大幅に増加し、12億2,100万ユーロ(2012年第3四半期:8億2,800万ユーロ)となったが、これは特別費用(純額)が9,900万ユーロ(2012年第3四半期:3億5,600万ユーロ)まで減少したことが一因である。特別費用の主な内容は、事業再構築および取得事業の統合に関する費用であった。特別項目計上前EBITは前年同期比11.5%増の13億2,000万ユーロ(2012年第3四半期:11億8,400万ユーロ)となった。また、特別項目計上前の金利・税金・償却前利益(「EBITDA」)は、約1億3,000万ユーロに上る為替のマイナス効果にもかかわらず、前年同期比7.7%増の19億8,400万ユーロ(2012年第3四半期:18億4,200万ユーロ)となった。当期純利益は前年同期比42.1%増の7億3,300万ユーロ(2012年第3四半期:5億1,600万ユーロ)、1株当たり中核利益は8.5%増の1.27ユーロ(2012年第3四半期:1.17ユーロ)であった。

2013年第3四半期のグロス・キャッシュフローは、EBITの大幅な改善が主な要因で、前年同期比35.9%増の13億6,700万ユーロ(2012年第3四半期:10億600万ユーロ)となった。運転資本の縮小幅が前年同期より小さかったため、ネット・キャッシュフローは、前年同期比13.0%減の17億2,800万ユーロ(2012年第3四半期:19億8,600万ユーロ)となった。純金融負債は、営業活動によるキャッシュフローが主な要因で、2013年6月30日時点の90億ユーロから、2013年9月30日時点では77億ユーロまで減少した。

ヘルスケア事業グループ(バイエル ヘルスケア社):医療用医薬品の新製品が計4億ユーロ超の売上高

ヘルスケア事業グループの2013年第3四半期の売上高は、前年同期比0.5%増(為替・ポートフォリオ調整後:7.4%増)の47億4,200万ユーロ(2012年第3四半期:47億1,700万ユーロ)となった。デッカーズは「医療用医薬品部門は為替の影響調整後で、全地域において力強い成長を遂げました」と述べた。コンシューマーヘルス部門も、主に一般用医薬品事業(コンシューマーケア事業部)と新興市場で売上を伸ばした(為替・ポートフォリオ調整後)。

医療用医薬品部門の売上高は、前年同期比3.1%増(為替・ポートフォリオ調整後:10.6%増)の28億1,800万ユーロであった。この好調な売上増は主に、新製品である経口抗凝固剤「イグザレルト」や、眼科用VEGF阻害剤「アイリーア」、抗悪性腫瘍剤「スチバーガ」および「Xofigo」によるものであり、これらの売上高は合計で4億700万ユーロ(2012年第3四半期:8,200万ユーロ)に上った。「イグザレルト」は新規経口抗凝固剤の中でグローバル・リーダーとなった。肺高血圧症治療剤「Adempas」(一般名:リオシグアト)の販売は、2013年9月にまずカナダで始まった。

バイエルの売上上位の医療用医薬品の中では、遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤「コージネイト」の売上高が、発注方法の変更が主な要因となり、為替の影響調整後14.5%増となった。抗悪性腫瘍剤「ネクサバール」も2桁の増収率(為替の影響調整後:11.1%増)を記録した。一方、多発性硬化症の再発予防・進行抑制剤「ベタフェロン」の売上は、競争の激化に伴って特に米国で予想通り減少した。同剤の世界での売上高は6.7%(為替の影響調整後)減少した。経口避妊剤「YAZ」「Yasmin」「Yasminelle」製品ラインの売上は、特に西ヨーロッパにおけるジェネリック製品との競争によって、全体で15.1%(為替の影響調整後)減少した。

コンシューマーヘルス部門の売上高は19億2,400万ユーロ(前年同期比3.1%減)、為替・ポートフォリオ調整後では2.9%の増収であった。コンシューマーケア事業部では、特にスキンケア製品ライン 「Bepanthen」「Bepanthol」(為替の影響調整後:29.6%増)と、栄養補助食品「Supradyn」(為替の影響調整後:19.8%増)が力強い成長を遂げた。メディカルケア事業部では、造影剤と医療機器(ラジオロジー&インターベンショナル事業)が為替・ポートフォリオ調整後で売上増を達成した。一方、糖尿病治療関連事業は、特に米国での保険償還への圧力と価格の低下により損失を被った。動物用薬品事業部では、首輪型ノミ・マダニ駆除剤「Seresto」の発売が特に利益をもたらした。ノミ・マダニ駆除剤「アドバンテージ」製品ラインの売上は前年同期と同水準であった。

ヘルスケア事業グループの特別項目計上前EBITDAは、前年同期比4.6%増の13億9,200万ユーロ(2012年第3四半期:13億3,100万ユーロ)であった。この増益は医療用医薬品部門の業績が非常に好調だったためだが、一方でコンシューマーヘルス部門の利益は若干減少した。為替のマイナス効果はヘルスケア事業グループの利益を約1億ユーロ減少させた。

農業関連事業グループ(バイエル クロップサイエンス社):ラテンアメリカ地域で力強い成長

農業関連事業の2013年第3四半期の売上高は、前年同期比4.3%増(為替・ポートフォリオ調整後:12.1%増)の17億1,200万ユーロ(2012年第3四半期:16億4,100万ユーロ)であった。デッカーズは「この増収は主に農薬関連製品の好調によるものです。有利な市場環境が続いたことや、ラテンアメリカで作付時期に向けて好調なスタートを切ったことが、事業にプラスとなりました」と説明した。農業関連事業グループで最も増収率が高かったのはラテンアメリカ・アフリカ・中東地域(為替の影響調整後:31.3%増)であったが、これは主にブラジルの好調によるものであった。同事業グループはアジア・太平洋地域でも2桁の増収率(為替の影響調整後:10.8%増)を上げた。ヨーロッパ地域は高水準であった前年同期に匹敵する売上を記録したが、北米地域の売上は非常に好調であった前年同期に比べて6.5%(為替の影響調整後)減少した。

農薬部門では殺虫剤と殺菌剤が特に好調であり、為替・ポートフォリオ調整後でそれぞれ28.2%と24.7%の売上増となった。除草剤は小幅ながら1.9%(為替・ポートフォリオ調整後)の売上増となり、種子処理剤(種子事業)は前年同期と同水準(為替・ポートフォリオ調整後:0.3%増)を維持した。これら事業の全体的な伸びによって種子部門の大幅な売上減(為替・ポートフォリオ調整後:30.2%減)を十分に吸収した。種子部門の不振は主に北米でキャノーラと綿実の作付面積が減少し、これによって返品率の上昇も招いたためであった。エンバイロサイエンス事業の売上高は19.2%(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。専門業者向けと一般消費者向け製品がともにこの成長に貢献した。

農業関連事業グループの特別項目計上前EBITDAは、前年同期比13.7%増の2億2,400万ユーロ(2012年第3四半期:1億9,700万ユーロ)であった。この増益は主に良好な事業動向によるものだが、販売費と研究開発費の上昇により押し下げられた。

素材科学事業グループ(バイエル マテリアルサイエンス社):前年同期と同水準を維持

デッカーズは「2013年第3四半期、素材科学事業グループは売上高、利益ともに前年同期と同水準を維持し、前四半期に比べて改善しました」と指摘した。厳しい市場環境の中で、素材科学事業の売上高は、前年同期を3.1%下回る28億9,700万ユーロ(2012年第3四半期:29億9,000万ユーロ)となったが、為替・ポートフォリオ調整後では1.1%増収を確保した。この増収は、北米地域とヨーロッパ地域で販売量が増加した結果である。アジア・太平洋地域での販売量は前年同期と同様となった。販売価格は全体的に前年同期を若干下回った。ラテンアメリカ・アフリカ・中東地域で販売価格が上昇したが、ヨーロッパ地域とアジア・太平洋地域での下落分の相殺は一部にとどまった。また、北米では販売価格は前年同期と同様であった。

フォーム原材料(ポリウレタン)事業の売上は、前年同期比で4.1%(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。この増収は、ラテンアメリカ・アフリカ・中東地域を除く全地域で販売量が増加したことによるものであったが、販売価格は全体として前年同期を下回った。高機能性樹脂(ポリカーボネート)事業の売上高は3.1%(為替・ポートフォリオ調整後)減少したが、これは市場の過剰生産能力により、販売価格が全体的に前年同期を下回ったことが主な要因である。さらに、販売量も前年同期に比べて減少した。塗料・接着剤・スペシャリティーズ向け原材料の売上高は、0.8%(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。

素材科学事業グループの特別項目計上前EBITDAは、前年同期比2.7%増の3億4,600万ユーロ(2012年第3四半期:3億3,700万ユーロ)であった。これには紫外線硬化性塗料向け非水性原材料事業の売却益1,700万ユーロが含まれている。若干の販売数量増加と、業務効率の改善による利益の下支えはあるものの、販売価格の下落と原材料費の増加により減殺された。

第1-3四半期は増収増益

ライフサイエンス事業の大きな進展が、主に市場環境による素材科学事業グループの低調を相殺し、これを上回ったため、2013年第1-3四半期は前年同期に比べて売上高、利益とも増加した。バイエルグループの売上高は1.3%増(為替・ポートフォリオ調整後:4.7%増)の302億6,900万ユーロ(2012年第1-3四半期:298億8,100万ユーロ)であった。EBITは33.8%改善されて、42億7,900万ユーロ(2012年第1-3四半期:31億9,900万ユーロ)となり、特別項目計上前EBITDAは2.8%増の66億3,200万ユーロ(2012年第1-3四半期:64億5,400万ユーロ)となった。当期純利益は34.2%増の27億3,400万ユーロ(2012年第1-3四半期:20億3,700万ユーロ)、1株当たり中核利益は5.1%増の4.51ユーロ(2012年第1-3四半期:4.29ユーロ)であった。

将来に向けて約180億ユーロの投資を計画

デッカーズは「特にライフサイエンス事業における大きな進展は、新製品の発売が成功を収めたことと密接に関連しています」と説明し「バイエルは世界有数のイノベーション・カンパニーであり、このイノベーションが利益を生み出しつつあります」と述べた。また、このことは会社のミッションである「よりよい暮らしのためのサイエンス(Science For A Better Life)」にも表現されていると述べている。デッカーズによれば、バイエルは2013年から2015年までの研究開発費および設備投資費として合計約180億ユーロを確保している。

デッカーズは、ヘルスケア事業グループの研究と開発パイプラインからの製品化がさらなる進展を見せ、年間を通じて新たな適応症に関する販売承認を受けたと述べた。医療用医薬品の5つの新製品「イグザレルト」「アイリーア」「スチバーガ」「Xofigo」および「Adempas」については、2013年に合計14億ユーロ以上の売上高を目標としている。デッカーズは「これらの製品については、ピーク時の年間売上高が合計で55億ユーロ以上となる可能性があると見ています」と述べ、「医療用医薬品パイプラインにはさらに大きな可能性を秘めたプロジェクトがあります」と付け加えた。具体的には、腫瘍、循環器、血液、婦人科の各領域において、開発が進んでいる5つの新薬候補を挙げ、2015年までに第Ⅲ相臨床試験に移行できると期待していると述べた。

デッカーズはさらに、「農業関連事業グループもたいへん順調な進展を見せています。2006年以降に登録された製品の売上高は、前年同期比で35%増と報告されています」と述べた。農業関連事業グループでは、2011年から2016年までの間に発売、もしくは発売見込の製品について、ピーク時の年間売上高が合計で少なくとも40億ユーロになる可能性があると見ている。素材科学事業グループでは、主に顧客に密着した開発プロジェクトと、生産プロセス技術の一層の強化に取り組んでいる。

2013年のグループ売上高は約400億ユーロまで増加を予測

2013年第1-3四半期中、ライフサイエンス事業(ヘルスケア事業と農業関連事業)は目覚ましい成長を遂げ、素材科学事業グループの市場環境に関連する低調を埋め合わせた。バイエルはこの傾向が第4四半期も続くものと見ている。年間を通じて、営業利益は為替効果によって次第に押し下げられており、現在の通年業績予測は第1-3四半期の平均為替レートを基準としている(以前は2013年上半期のレートが基準)。デッカーズは「バイエルグループは、非常に高い目標になりつつありますが、2013年の業績予測を、現在も継続しています」と述べた。バイエルは、2013年通年の売上高について、為替・ポートフォリオ調整後で4~5%の増加となる約400億ユーロ(以前の予測は400億ユーロから410億ユーロ)を予測している。また、特別項目計上前EBITDAについては1桁台半ば、1株当たり中核利益は1桁台後半の増加率を目指している。

ヘルスケア事業グループでは、売上高は1桁台半ば(為替・ポートフォリオ調整後)の増加率となる約190億ユーロを見込んでおり、特別項目計上前EBITDAも増加する計画である。ただし増益幅は、ほぼ2億ユーロから2億5,000万ユーロに上る為替のマイナス効果によって抑えられる可能性が高くなっている。ヘルスケア事業グループは、特別項目計上前EBITDAマージンの若干の改善を目指している。また、医療用医薬品部門の売上高は、新製品のマーケティングの成功によって予想を上回る成長を見せており、1桁台後半(為替・ポートフォリオ調整後)の増収率となる110億ユーロ以上を見込んでいる。医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAは増加、特別項目計上前EBITDA マージンは改善する計画である。その一方で、2013年第4四半期も、為替による多額のマイナス効果や販売・研究開発費の増加が予測されている。市場に関連するメディカルケア事業部の低調を考慮して、コンシューマーヘルス部門の売上高は1桁台半ば(為替・ポートフォリオ調整後)の増収率となる約80億ユーロと予測している。また、同部門の特別項目計上前EBITDAは前年と同水準、特別項目計上前EBITDAマージンは前年を下回るものと見ている。

農業関連事業グループの業績予測は上方修正をおこなった。同事業グループは、市場を上回る成長率を見込んでおり、1桁台後半(為替・ポートフォリオ調整後)の増収率となる90億ユーロを予測している。特別項目計上前EBITDAについても10%以上(以前の予測は1桁台後半)の増加率とする計画である。

2013年第1-3四半期に低調だった事業動向を考慮すると、素材科学事業グループの通年の売上高は前年と同水準(為替・ポートフォリオ調整後)になるものと考えられる。同事業グループは、特別項目計上前EBITDAは前年を下回ると予測している。2013年第4四半期については、素材科学事業グループの売上高(為替・ポートフォリオ調整後)と特別項目計上前EBITDAはともに前年同期と同水準になる見込みである。

将来予想に関する記述(Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルグループまたは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている可能性がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。

バイエル ホールディング株式会社
2013年11月12日、東京
Bayer Holding Ltd.