2014年03月10日
ドイツ・バイエル社 2013年度決算

バイエル: 創立記念の年も成功を継続

  • ライフサイエンス事業は大幅に進展、素材科学事業は予想を下回る
  • 医療用医薬品の新製品が大きく成長 - ピーク時の年間売上高見通しは、5製品合計で少なくとも75億ユーロに増加
  • グループ売上高は401億5,700万ユーロ(前年比1.0%増、為替・ポートフォリオ調整後5.1%増)
  • EBITは前年比25.6%増の49億3,400万ユーロ
  • 特別項目計上前EBITDAは前年比1.5%増の84億100万ユーロ
  • 当期純利益は前年比32.7%増の31億8,900万ユーロ
  • 1株当たり中核利益は前年比5.8%増の5.61ユーロ
  • 2014年の業績予測:売上高、利益とも、さらに増加

ドイツ レバクーゼン、2014年2月28日― バイエルグループ(本社:ドイツ レバクーゼン、社長:マライン・デッカーズ)は、2013年も成功を継続した。デッカーズはレバクーゼンで28日に行われた決算発表の会場において「当社は創立記念の年に、重要な事業目標を達成することができました」と述べた。ヘルスケア事業グループは医療用医薬品の新製品によって高い利益を上げ、農業関連事業グループは有利な市場環境を背景に大きな成功を収めるなど、ライフサイエンス事業の勢いは継続した。バイエルは、全体では、為替の大幅なマイナス効果にもかかわらずライフサイエンス事業において目標を達成した。一方で素材科学事業グループは、厳しい市場環境から引き続き影響を受けた。デッカーズは「2014年については明るい見通しを持っており、売上高および利益とも、さらに増加する計画です」と述べている。

バイエルグループの2013年の売上高は、前年比1.0%増の401億5,700万ユーロ(2012年:397億4,100万ユーロ)となった。デッカーズは「これは150年にわたる当社の歴史の中で最高の売上高です」と述べた。為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後(「為替・ポートフォリオ調整後」)では、売上高は5.1%増加した。金利・税引前利益(「EBIT」)は前年比25.6%増の49億3,400万ユーロ(2012年:39億2,800万ユーロ)となった。利益は、特別費用(純額)8億3,900万ユーロ(2012年:17億1,100万ユーロ)によって減額された。特別費用の主な内容は、事業再構築費用3億5,800万ユーロおよび訴訟関連の追加費用2億7,600万ユーロである。特別項目計上前EBITは前年比2.4%増の57億7,300万ユーロ(2012年:56億3,900万ユーロ)、特別項目計上前の金利・税金・償却前利益(「EBITDA」)は前年比1.5%増の84億100万ユーロ(2012年:82億8,000万ユーロ)となった。為替のマイナス効果はグループの利益を全体で約2億6,000万ユーロ減少させた。さらに、バイエルの株価が好調だったことにより、長期株式ベース報酬費用が7,000万ユーロ増加した。当期純利益は前年比32.7%増の31億8,900万ユーロ(2012年:24億300万ユーロ)、1株当たり中核利益は5.8%増の5.61ユーロ(2012年:5.30ユーロ)であった。

2013年のグロス・キャッシュフローは、EBITの改善が主な要因で、前年比28.0%増の58億3,200万ユーロ(2012年:45億5,600万ユーロ)となった。ネット・キャッシュフローは前年比14.2%増の51億7,100万ユーロ(2012年:45億3,000万ユーロ)となった。一方で純金融負債は2012年12月31日時点から約3億ユーロ減の67億ユーロとなった。財務担当経営委員会委員のヴェルナー・バウマンは「キャッシュフローが好調だったため、高水準の設備投資をし、コンセプタス社およびシュタイガーバルト社の買収にもかかわらず、債務を若干減少することができました」と説明した。

ヘルスケア事業グループ(バイエル ヘルスケア社):医療用医薬品の新製品が大幅に売上を伸ばす

ヘルスケア事業グループの2013年の売上高は、前年比1.7%(為替・ポートフォリオ調整後:6.8%)増の189億2,400万ユーロ(2012年:186億400万ユーロ)となった。デッカーズは「これは主に医療用医薬品の新製品が上げた利益によるものです」と説明し「さらに、コンシューマーケア事業部も売上を伸ばしました」と述べた。

医療用医薬品部門の売上高は、前年比9.4%増(為替・ポートフォリオ調整後)の111億8,800万ユーロであった。この進展は主に、新製品である経口抗凝固剤「イグザレルト」、眼科用VEGF阻害剤「アイリーア」、抗悪性腫瘍剤「スチバーガ」および「Xofigo」によるものであり、これらの売上高は合計で15億2,000万ユーロ(2012年:3億6,800万ユーロ)に上った。また、バイエルが北米で販売承認を受けた肺高血圧症治療剤「アデムパス」(一般名:リオシグアト)の販売が、2013年秋に始まった。デッカーズは「これら5つの製品については、業績が非常に好調だったため、ピーク時の年間売上高見通しを現時点で大幅に上方修正し、合計で少なくとも75億ユーロと見積もっています」と述べた。以前の想定は55億ユーロ以上であった。「イグザレルト」のピーク時の年間売上高見通しは20億ユーロ以上から約35億ユーロへ、「アイリーア」については少なくとも10億ユーロから少なくとも15億ユーロへ引き上げられた。デッカーズは「ただし、このような機会を生かして先に述べた売上高を実際に達成するには、マーケティングや流通、ライフサイクルマネジメントへのいっそうの投資が必要になります」と述べた。

バイエルの売上上位の医療用医薬品の中では、遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤「コージネイト」の売上高が、販売量の増加により為替の影響調整後で6.4%増加した。一方、多発性硬化症の再発予防・進行抑制剤「ベタフェロン」「Betaseron」の売上高は、競争の激化に伴って特に米国で予想通り減少し、世界での売上高は前年比11.6%減(為替の影響調整後)となった。経口避妊剤「YAZ」「Yasmin」「Yasminelle」製品ラインの売上高は、特に西ヨーロッパおよび米国におけるジェネリック製品との競争によって損失を被り、全体で12.5%(為替の影響調整後)減少した。

コンシューマーヘルス部門の売上高は、前年比3.2%増(為替・ポートフォリオ調整後)の77億3,600万ユーロであった。コンシューマーケア事業部では、特にスキンケア製品ライン「Bepanthen」「Bepanthol」(為替の影響調整後:20.3%増)と、栄養補助食品「Supradyn」(為替の影響調整後:14.3%増)が成長した。メディカルケア事業部では、糖尿病治療関連事業が、市場全体が縮小する中で前年とほぼ同じ水準を保った。また、血糖自己測定器「Contour」製品ラインの売上高は2.2%(為替の影響調整後)増加した。その一方で、造影剤と医療機器(ラジオロジー&インターベンショナル事業)の売上高は、為替の影響調整後で前年と同水準となった。動物用薬品事業部では、ノミ・マダニ駆除剤「アドバンテージ」製品ラインの売上高が2.0%(為替の影響調整後)増加するなどの要因から増収となった。

ヘルスケア事業グループの特別項目計上前EBITDAは、前年比4.2%増の53億3,400万ユーロ(2012年:51億1,900万ユーロ)であった。この増益は医療用医薬品部門の好調な業績によるものだが、一方でコンシューマーヘルス部門の利益は若干減少した。為替のマイナス効果はヘルスケア事業グループの利益を約2億9,000万ユーロ減少させた。

農業関連事業グループ(バイエル クロップサイエンス社):2013年は大きな成功を収める

バイエルの農業関連事業は、北半球で作付時期のスタートが遅れたにもかかわらず成功を収め、大きく成長した。農業関連事業グループの2013年の売上高は、前年比5.2%(為替・ポートフォリオ調整後:9.4%)増の88億1,900万ユーロ(2012年:83億8,300万ユーロ)であった。デッカーズは「2013年は農業関連事業グループも大きな成功を収めました。有利な市場環境の中で、売上高は大幅に改善しました」と述べた。農業関連事業グループで最も増収率が高かったのは中南米・アフリカ・中東地域(為替の影響調整後:23.6%増)で、アジア太平洋地域の7.9%増(為替の影響調整後)がこれに続いた。北米地域の売上高は為替の影響調整後で5.0%増、ヨーロッパ地域は4.3%増となった。

農薬部門では、2006年以降に発売された新製品の売上高が15億1,000万ユーロ以上と、約30%伸長した。殺菌剤と殺虫剤は特に好調であり、為替・ポートフォリオ調整後でそれぞれ14.9%と14.1%の売上増となった。除草剤と種子処理剤(種子事業)の売上高もそれぞれ為替・ポートフォリオ調整後で8.3%と7.1%の好調な伸びを示した。種子部門の売上高は、北米でキャノーラと綿実の作付面積が減少したにもかかわらず、1.2%(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。エンバイロサイエンス事業の売上高は1.3%(為替・ポートフォリオ調整後)の微増となった。

農業関連事業グループの特別項目計上前EBITDAは、前年比11.0%増の22億4,800万ユーロ(2012年:20億2,500万ユーロ)であった。この増益は主に販売量の大幅な増加と販売価格の上昇によるものであり、約2,000万ユーロに上る為替のプラス効果もこれに貢献した。

素材科学事業グループ(バイエル マテリアルサイエンス社):厳しい市場環境

素材科学事業(素材科学事業グループ)の売上高は、前年を2.2%下回る112億3,800万ユーロ(2012年:114億9,100万ユーロ)となり、為替・ポートフォリオ調整後では前年と同水準(0.4%増)となった。デッカーズは「素材科学事業グループは2013年、以前から続く厳しい事業環境の中で、大きな困難に直面しました。販売量と販売価格は実質的に前年と同水準でした」と述べた。

フォーム原材料(ポリウレタン)事業の売上高は、前年比で3.9%(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。この増収は、アジア太平洋地域と北米地域で販売量が増加したことによるものであった。販売価格は全体として前年と同水準であった。高機能性樹脂(ポリカーボネート)事業の売上高は4.5%(為替・ポートフォリオ調整後)減少したが、これは需要の低下により全地域で販売量が減少したことが主な要因であった。さらに、市場の過剰生産能力により、アジア太平洋地域で販売価格が低下したことも要因となった。塗料・接着剤・スペシャリティーズ向け原材料の売上高は、アジア太平洋地域で販売価格が低下したことが主な要因となり、1.9%(為替・ポートフォリオ調整後)減少した。販売量は全体として前年と同水準であった。

素材科学事業グループの特別項目計上前EBITDAは、主に原材料費の増加により、前年を15.1%下回る10億7,200万ユーロ(2012年:12億6,300万ユーロ)となった。デッカーズは「2013年は素材科学事業グループにとって厳しい事業環境となりましたが、引き続き慎重ではあるものの、将来の見通しは明るいものと考えています」と述べた。また、業界では今後数年のうちに設備稼働率の向上が予測されており、これによって価格への圧力が緩和すると期待されている。

2013年第4四半期は売上を大きく伸ばす

バウマンは「バイエルは2013年第4四半期に売上を大きく伸ばしましたが、特別項目計上前EBITDAは前年の水準を下回りました。これは主として為替の著しいマイナス効果と研究開発費の増加によるものです」と述べた。グループの売上高は前年同期比0.3%(為替・ポートフォリオ調整後:6.4%)増の98億8,800万ユーロ(2012年第4四半期:98億6,000万ユーロ)であった。医療用医薬品の新製品と、農業関連事業グループにおける販売量の堅調な増加がこの増収の主な要因となった。バイエルグループのEBITは前年同期比10.2%減の6億5,500万ユーロ(2012年第4四半期:7億2,900万ユーロ)、特別項目計上前EBITDAは3.1%減の17億6,900万ユーロ(2012年第4四半期:18億2,600万ユーロ)であった。当期純利益は24.3%増の4億5,500万ユーロ(2012年第4四半期:3億6,600万ユーロ)、1株当たり中核利益は8.9%増の1.10ユーロ(2012年第4四半期:1.01ユーロ)であった。

持続可能性に関する企業戦略

バイエルは、DAX 30指数の構成企業のうち、2013年度統合年次報告書に初めて年次財務・持続可能性レポートを組み込んだ最初の企業の一つである。デッカーズは「バイエルは、経済成長と環境・社会的責任のバランスを保つことによって初めて持続的成功の達成が可能になることを、非常に早い段階で認識していました」と述べた。それに応じて、バイエルは現在、業績評価指標に基づく測定可能な非財務的目標も適用している。例えば、バイエルは、2012年から2020年までの間にグループのエネルギー効率を10%改善し(基準値:3.50 MWh/t)、特殊温室効果ガス排出量を20%削減(基準値:0.98t CO2/t)することを目指している。また、2013年にバイエルは、教育や医療分野等の非営利プログラムに、全世界で約5,000万ユーロを提供した。

将来に向けて180億ユーロ以上を投資

デッカーズは「当社は引き続き、当社のミッションである「Bayer: Science For A Better Life (バイエル:よりよい暮らしのためのサイエンス)」を原動力に、世界有数のイノベーション・カンパニーとしての地位を一層強化するために努力しています。当社は、革新的な製品とソリューションによって世界中の多くの人々の生活を向上させることを引き続き目標としています」と述べる一方で、一層のイノベーションと成長に向けた条件を整えるには多額の投資を継続的に行わなければならないと説明した。バイエルは2014年から2016年までの間に、主にライフサイエンス事業の研究開発費および設備投資費として180億ユーロ以上を支出する計画である。全体では、112億ユーロが研究開発に、73億ユーロが設備投資に割り当てられる。

2014年に向けて明るい見通し

デッカーズは「当社は2014年についても明るい見通しを持っています」と続け、「当社はライフサイエンス事業の新製品の成長率を維持し、素材科学事業グループの収益性を改善することを目指します」と述べた。2014年通年の業績予測は2013年第4四半期の平均為替レート(1ユーロ=1.36米ドルを含む)を基準としている。バイエルは、2014年には為替・ポートフォリオ調整後で約5%の増収を計画している。為替のマイナス効果は前年比約2%と予測されており、これを考慮すると、売上高は約410億ユーロから420億ユーロとなる見込みである。特別項目計上前EBITDAについては、為替のマイナス効果が約4億5,000万ユーロ(約5%)と予測されることを考慮した上で、1桁台前半から半ばの増加率とする計画である。また、1株当たり中核利益については、為替のマイナス効果が約6%と予測されることを考慮して、1桁台半ばの増加率を目指している。

2014年には事業再構築のために約2億ユーロの特別費用を計上する見込みである。また、2014年の研究開発費は35億ユーロまで増額する予定である。設備投資については、有形固定資産に約21億ユーロ、無形資産に約3億ユーロの支出を計画している。減価償却費および償却費は、無形資産の償却費13億ユーロを含み、約26億ユーロとなる見込みである。アルジェタ社(ノルウェー)の買収計画を考慮して、純金融負債は2014年末時点で90億ユーロを下回ると予測している。

ヘルスケア事業グループでは2014年も引き続き、医療用医薬品の新製品の発売を成功させることを最優先事項としている。同事業グループでは、売上高は為替・ポートフォリオ調整後で1桁台半ばの増収率を見込んでいる。為替のマイナス効果が約2%と予測されることを考慮すると、売上高は約195億ユーロから200億ユーロを予測している。ヘルスケア事業グループでは、約2億5,000万ユーロに上る為替のマイナス効果を考慮して、特別項目計上前EBITDAは前年の水準を若干上回ると予測している。

医療用医薬品部門の売上高は、為替・ポートフォリオ調整後で1桁台後半の増収率を見込んでいる。当社の予測では、同部門における為替のマイナス効果は2013年比で約2%となる。また医療用医薬品部門では、新製品の売上高を約28億ユーロまで増加する予定であり、2014年に追加で支出するマーケティング費および研究開発費は合計5億ユーロとなる計画である。これを背景として、医療用医薬品部門では、約1億5,000万ユーロに上る為替のマイナス効果を考慮して、特別項目計上前EBITDAは1桁台前半から半ばの増加率となると予測している。また、特別項目計上前EBITDA マージンは前年と同水準を見込んでいる。当社は、2016年には医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAマージンを最低でも33%とする計画である。

コンシューマーヘルス部門の売上高は、為替・ポートフォリオ調整後で1桁台前半から半ばの増収率になると予想している。バイエルは、同部門における為替のマイナス効果を2013年比で約3%と予測している。同部門では、為替のマイナス効果が約1億ユーロと予測されることを考慮して、特別項目計上前EBITDAは前年の水準を若干下回ると見込んでいる。

農業関連事業グループについては、前年より若干落ちるものの、2014年も良好な市況が続くと見ている。同事業グループでは、市場を上回る成長を遂げ、為替・ポートフォリオ調整後で1桁台半ばから後半の増収率とすることを計画している。同事業グループでは、為替のマイナス効果を2013年比で約3%と予測しており、約1億5,000万ユーロに上る為替のマイナス効果を考慮して、特別項目計上前EBITDAは1桁台前半の増加率とする計画である。

素材科学事業グループは、2014年の売上高については為替・ポートフォリオ調整後で1桁台半ばの増収率とする計画である。同事業グループでは2013年比で約2%の為替のマイナス効果を予測しており、約5,000万ユーロに上る為替のマイナス効果を考慮しても、特別項目計上前EBITDAは増加すると見込んでいる。2014年第1四半期については、売上高は為替・ポートフォリオ調整後で前年同期を上回り、特別項目計上前EBITDAは大幅増となる見込みである。

<将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)>
このニュースリリースには、バイエルグループまたは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている可能性がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。

バイエル ホールディング株式会社
2014年3月10日、東京
Bayer Holding Ltd.