2015年03月09日
ドイツ・バイエル社 2014年度決算

バイエル:事業は好調な勢いを継続、ポートフォリオ変革を推進

  • グループのポートフォリオをライフサイエンス事業に集中
  • 全ての事業グループの貢献で記録的な売上高と利益を達成
  • 新製品が成長の勢いを牽引
  • グループ売上高は422億39百万ユーロ(前年比5.2%増、為替・ポートフォリオ調整後7.2%増)
  • EBITは前年比11.6%増の55億6百万ユーロ
  • 特別項目計上前EBITDAは前年比4.9%増の88億12百万ユーロ
  • 当期純利益は前年比7.4%増の34億26百万ユーロ
  • 1株当たり中核利益は前年比7.3%増の6.02ユーロ
  • 2015年通年の業績予測:さらなる売上増、利益の明らかな改善

ドイツ レバクーゼン、2015年2月26日― バイエルグループ(本社:ドイツ レバクーゼン、社長:マライン・デッカーズ)にとって、2014年は経営と戦略の両面で成功を収めた年であった。売上高と特別項目計上前EBITDAは過去最高を記録した。デッカーズは26日にレバクーゼンで行われた決算発表において「ライフサイエンス事業における成長の勢いの継続、なかでも最近発売した製品の好調な推移が、今回の業績に貢献しました」と述べた。素材科学事業グループも売上高と特別項目計上前利益の好調な伸びを記録した。2014年、バイエルはライフサイエンス事業(ヘルスケア事業と農業関連事業)に注力するという方向性を定め、素材科学事業グループは遅くとも2016年半ばまでに別会社として新規上場する計画である。ライフサイエンス事業は重要な買収を通じてさらに強化された。デッカーズは、2015年にはさらなる増収・増益を目指していると述べている。

バイエルグループの2014年の売上高は、前年比5.2%増の422億39百万ユーロ(2013年:401億57百万ユーロ)となった。為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後(為替・ポートフォリオ調整後)では、売上高は7.2%の増加となり、全事業グループがこの増収に貢献した。金利・税引前利益(EBIT)は前年比11.6%増の55億6百万ユーロ(2013年:49億34百万ユーロ)となる一方、利益は特別費用4億38百万ユーロ(2013年:8億39百万ユーロ)によって押し下げられた。特別項目計上前EBITは前年比3.0%増の59億44百万ユーロ(2013年:57億73百万ユーロ)となった。特別項目計上前の金利・税金・償却前利益(EBITDA)は、約4億10百万ユーロ(4%)に上る為替のマイナス効果にもかかわらず、前年を4.9%上回る88億12百万ユーロ(2013年:84億1百万ユーロ)となった。また、売上高の好調な伸びに伴って、研究開発費と販売費は増加した。当期純利益は前年比7.4%増の34億26百万ユーロ(2013年:31億89百万ユーロ)、1株当たり中核利益は7.3%増の6.02ユーロ(2013年:5.61ユーロ)となった。

グロス・キャッシュフローは前年比16.9%増の68億20百万ユーロ(2013年:58億32百万ユーロ)、ネット・キャッシュフローは12.4%増の58億10百万ユーロ(2013年:51億71百万ユーロ)となり、純金融負債は2013年12月31日時点から129億ユーロ増の196億ユーロとなった。財務担当経営委員会委員のヨハネス・ディーチは、買収資金を調達するために、昨年バイエルは大型案件を含む数件の社債発行を行ったことを説明した。ディーチは、社債発行が自然に成功したわけではないとして「財務活動が成功した事実は、資本市場でバイエルが高い評価を得ている証でもあります」と説明した。

ヘルスケア事業グループ(バイエル ヘルスケア社):医療用医薬品の新製品の好調な売上増

ヘルスケア事業グループの2014年の売上高は、前年比5.6%増(為替・ポートフォリオ調整後:7.5%)の199億75百万ユーロ(2013年:189億24百万ユーロ)となった。この増収は主に医療用医薬品部門に牽引されたものであった。一方、コンシューマーヘルス部門の売上高は前年比で若干の増加となった。

医療用医薬品部門の売上高は、前年比11.2%(為替・ポートフォリオ調整後)と大幅に増え、120億52百万ユーロとなった。新製品である経口抗凝固剤「イグザレルト」、眼科用VEGF阻害剤「アイリーア」、抗悪性腫瘍剤「スチバーガ」および「Xofigo」、肺高血圧症治療剤「アデムパス」の売上高は、合計で29億8百万ユーロ(2013年:15億22百万ユーロ)に上り、この大幅な増収に大きく貢献した。デッカーズは「これらの製品が重要な役割を果たし、当社は医療用医薬品業界で最も急速に成長している大企業の一つとなりました」と述べた。売上上位の医療用医薬品の中では、子宮内システム「ミレーナ」製品群の売上高が為替の影響調整後で15.1%増加した。心筋梗塞の再発予防薬「Aspirin Cardio」の売上も好調であった(為替の影響調整後:12.4%増)。一方、遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤「コージネイト」の売上高は5.6%(同)減少した。これは次世代の血友病治療薬の開発のため、一時的に「コージネイト」の生産能力調整を行ったことが一因である。多発性硬化症の再発予防・進行抑制剤「ベタフェロン」「Betaseron」の売上高は、主に米国での競争の激化により19.6%(同)減少した。全体として、医療用医薬品部門の売上高は、為替の影響調整後で全ての地域、特に中国、米国および西ヨーロッパにおいて好調な伸びを見せた。

コンシューマーヘルス部門の売上高は前年比2.1%増(為替・ポートフォリオ調整後)の79億23百万ユーロとなった。コンシューマーケア事業部と動物用薬品事業部は、特に新興市場において増収を達成した。コンシューマーケア事業部は、特にスキンケア製品ライン「Bepanthen」「Bepanthol」(為替の影響調整後:18.3%増)と解熱鎮痛薬「Aleve」(同:10.1%増)の好業績による恩恵を受けた。動物用薬品事業部では、ノミ・マダニ駆除剤「アドバンテージ」製品群の売上が3.1%増(為替の影響調整後)となった。一方で、メディカルケア事業部の売上高は、特に米国とヨーロッパにおいて減少した。ダイアベティスケア事業の売上高は、新興市場での好業績にもかかわらず、全体としては減少した。造影剤と医療機器(ラジオロジー事業)の売上高は、為替の影響調整後で前年比横ばいであった。

ヘルスケア事業グループの特別項目計上前EBITDAは、前年比2.8%増の54億84百万ユーロ(2013年:53億34百万ユーロ)となった。これは医療用医薬品部門の好調な業績によるものであった。一方、コンシューマーヘルス部門の利益は若干減少した。医療用医薬品部門の研究開発費が増加したこと、両部門において販売費が増加したことと、約3億60百万ユーロに上る為替のマイナス効果によって、利益は押し下げられた。

農業関連事業グループ(バイエル クロップサイエンス社):全事業部および全地域で増収

農業関連事業の2014年の売上高は、前年比7.7%(為替・ポートフォリオ調整後:11.2%)増の94億94百万ユーロ(2013年:88億19百万ユーロ)となった。デッカーズは「農業関連事業グループの全事業分野と全地域が今回の好業績に貢献し、マーケットシェアが拡大しました」と述べた。農業関連事業グループは中南米・アフリカ・中東地域で20.6%(為替の影響調整後)増と、最も高い成長を記録した。北米地域の売上高も為替の影響調整後で2桁増(10.2%増)となり、ヨーロッパ地域の7.4%増(為替の影響調整後)、アジア・太平洋地域の5.5%増(同)がこれに続いた。

農薬部門では、特に2006年以降発売された新製品が好業績の原動力となった。新製品の売上高は報告ベースで約23%増加し、18億ユーロを上回った。殺菌剤は15.9%(為替・ポートフォリオ調整後)と2桁の増収率となった。除草剤、殺虫剤はそれぞれ8.5%、7.6%(為替・ポートフォリオ調整後)の増加となり、好調に売上を伸ばした。シードグロース(種子処理事業)も8.4%増(同)の売上となった。種子部門の売上高は19.5%増(同)と大幅に伸び、特に綿実が好調であった。エンバイロサイエンス事業の売上高は6.9%(同)増だった。

農業関連事業グループの特別項目計上前EBITDAは、前年比5.0%増の23億60百万ユーロ(2013年:22億48百万ユーロ)となった。大幅な販売量の増加と販売価格の上昇によって、事業が非常に好調に推移したことが利益に貢献したが、研究開発費と販売費の増加や、約50百万ユーロに上る為替のマイナス効果を計上したことで、一部相殺された。

素材科学事業グループ(バイエル マテリアルサイエンス社):販売量の増加から恩恵を受ける

素材科学事業の2014年の売上高は、前年比3.7%増(為替・ポートフォリオ調整後:4.8%増)の116億51百万ユーロ(2013年:112億38百万ユーロ)となった。この増収の要因は、ポリカーボネート事業、ポリウレタン事業および塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業の販売量の増加であった。一方、販売価格は全体的に若干低下した。

フォーム原材料(ポリウレタン)事業の売上高は、主要顧客のほぼ全ての業界で需要が改善した結果、前年比で4.9%(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。高機能性樹脂(ポリカーボネート)事業の売上高は、主に自動車業界、電気・電子業界および建築業界の顧客からの需要増加により、7.2%(同)増加した。塗料・接着剤・スペシャリティーズ向け原材料の売上高は5.5%(同)増加した。この増収は全地域で販売量が増加した結果である。同事業の販売価格は前年と同水準であった。生産管理事業(無機基礎化学品)の売上高は、全体的に販売量と販売価格が低下したため、7.2%(同)減少した。

素材科学事業グループの特別項目計上前EBITDAは、前年比10.7%増の11億87百万ユーロ(2013年:10億72百万ユーロ)となった。この増益は特に販売量の増加、効率改善、原材料・エネルギー価格の低下によるものであった。一方、販売価格の低下により利益は押し下げられた。為替のマイナス効果は全体として利益に影響を及ぼさなかった。

第4四半期は全事業グループが売上増を達成

2014年第4四半期のバイエルグループの売上高は、前年同期比11.6%(為替・ポートフォリオ調整後:6.9%)増の110億39百万ユーロ(2013年第4四半期:98億88百万ユーロ)であった。3つの事業グループの全てがこの増収に貢献した。EBITは14.4%減の5億61百万ユーロ(2013年第4四半期:6億55百万ユーロ)であった。特別項目計上前EBITDAは、主に全事業グループで販売量が増加した結果、2014年第4四半期中に4.4%増加して18億46百万ユーロ(2013年第4四半期:17億69百万ユーロ)となった。研究開発費と販売費の増加により利益は押し下げられた。当期純利益は2億24百万ユーロ(2013年第4四半期:4億55百万ユーロ)まで減少したが、1株当たり中核利益は1.19ユーロ(2013年第4四半期:1.10ユーロ)まで増加した。

ライフサイエンスに特化した企業に変革

デッカーズは、2014年がバイエルにとって戦略的観点からも非常に実りの多い年であったと強調し「当社は昨年、バイエルの将来を長期的に形成する方向性を定め、素材科学事業の分離を決定し、ライフサイエンスに特化した企業への変革に着手しました」と述べた。デッカーズによれば、素材科学事業グループを別会社として株式上場する計画(遅くとも2016年半ばまでに実施予定)は予定通りに進んでおり、設計段階はすでに完了している。また、新会社の法的・組織的構造はすでに決定し、主要なマネジメント層も決定している。素材科学事業グループの経済的・法的分離(カーブアウト)は2015年8月31日までに完了する予定である。同事業グループを新規株式公開または会社分割のどちらの方法で上場させるかについては、2015年下期に決定する予定である。

デッカーズは「さらに、当社は重要な買収を通じてライフサイエンス事業を拡大しました」と述べた。特に一般用医薬品事業は、米国メルク社のコンシューマーケア事業と中国の?虹薬業集団の買収を通じて大幅に強化されたと説明した。両事業の統合は計画通り進んでいる。また、2009年からバイエルが抗悪性腫瘍剤「Xofigo」の開発・販売で提携していたノルウェーのアルジェタ社の買収は、成功裏に完了した。

2015年は大幅な増益を予測

デッカーズは「当社は引き続き将来について明るい見通しを持っています」と述べた。バイエルは、2015年は約460億ユーロの売上高を目指す計画である。これは、為替・ポートフォリオ調整後で1桁台前半の増収率に相当する。為替は売上高に前年比約3%のプラス効果を及ぼすと予測している。特別項目計上前EBITDAについては、為替のプラス効果を約2%と見込んだ上で、10%台前半から半ばの増加率を計画している。1株当たり中核利益については、為替のプラス効果を約3%と見込んだ上で、10%台前半の増加率を目指している。

2015年の特別費用は、買収したコンシューマーケア事業の統合と素材科学事業グループの上場計画を主な使途とし、7億ユーロ前後となる見込みである。研究開発については、2015年に約10%増の40億ユーロを上回る支出を予定している。また、有形固定資産に約23億ユーロ、無形資産に約3億ユーロを支出する設備投資予算を立てている。減価償却費および償却費は、無形資産の償却費16億ユーロを含み、約30億ユーロとなる見込みである。純金融負債は2015年末時点で180億ユーロを下回ると予測している。

ヘルスケア事業グループは、約230億ユーロの売上高の達成を見込んでいる。これは為替・ポートフォリオ調整後で1桁台半ばの増収率に相当する。特別項目計上前EBITDAは10%台半ばの増加率とする計画である。医療用医薬品部門では、売上高は為替・ポートフォリオ調整後で1桁台半ばから後半の増加率となり、約130億ユーロに達する見込みである。バイエルでは2015年に同部門の新製品の売上高を40億ユーロまで増加させる予定である。また、同部門では、研究開発に対する3億ユーロの追加投資を見込んだ上で、特別項目計上前EBITDAを10%台前半の増加率とする計画である。したがってヘルスケア事業グループは、医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAマージンが若干改善すると見込んでいる。コンシューマーヘルス部門の売上高は、買収したコンシューマーケア事業の売上高と合わせて、100億ユーロまで増加すると予測しており、為替・ポートフォリオ調整後で1桁台半ばの増加率とする計画である。同部門の特別項目計上前EBITDAは、買収したコンシューマーケア事業の貢献を含めて、20%台半ばから後半の増加率となる見込みである。

農業関連事業グループでは市場を上回るペースの成長が続き、売上高は為替・ポートフォリオ調整後で1桁台前半から半ばの増収率となる約100億ユーロに達すると見込んでいる。特別項目計上前EBITDAは1桁台前半から半ばの増加率を計画している。

素材科学事業グループは、2015年には販売量をさらに増加させる計画だが、販売価格の低下を見込んでおり、売上高は減少すると見ている。一方、特別項目計上前EBITDAについては大幅増を見込んでいる。素材科学事業グループは、2015年に資本コスト全額に見合う利益を上げることを目指している。2015年第1四半期の同事業グループの売上高は前四半期と同水準、特別項目計上前EBITDAは大幅増になると予測している。

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルグループまたは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている可能性がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。

バイエル ホールディング株式会社
2015年3月9日、東京
Bayer Holding Ltd.