2016年03月07日
ドイツ・バイエル社  2015年度決算

バイエル: 2015年度も記録的な水準を達成

  • コベストロの株式市場への上場成功に伴い、ライフサイエンス事業に集中
  • ヘルスケア事業グループは大幅な増収・増益
  • 農業関連事業グループはさらに低調となった市場環境下でも業績は順調に推移
  • コベストロは力強い利益の改善を達成
  • グループ売上高は463億24百万ユーロ(前年比12.1%増、為替・ポートフォリオ調整後2.7%増)
  • 特別項目計上前EBITDAは前年比18.2%増の102億66百万ユーロ
  • EBITは前年比15.8%増の62億50百万ユーロ
  • 当期純利益は前年比20.0%増の41億10百万ユーロ
  • 1株当たり中核利益は前年比16.0%増の6.83ユーロ
  • 2016年通期業績予測:さらなる増収・増益

ドイツ レバクーゼン、2016年2月25日― バイエルグループ(本社:ドイツ レバクーゼン、社長:マライン・デッカーズ)は、2015年、戦略と経営の両面において大きな成功を収めた。デッカーズはレバクーゼンで25日に行われた決算発表において「経営面では、バイエルにとって2015年度も記録的な年となりました。売上高は460億ユーロを超え、過去最高の水準に達しました。特別項目計上前EBITDAは約18%の大幅増加と共に、100億ユーロを超えるという新記録を達成しました。戦略面では、バイエルをライフサイエンスに特化した企業とするために必要な全ての措置を講じました」と述べた。デッカーズは、旧素材科学事業グループをコベストロの社名で株式市場に上場し、バイエルのさらなる順調な成長への道を整えるための組織再編を実施したと説明した。また、2016年はさらなる増収・増益を達成するとの予測を表明した。

 グループの売上高は前年比12.1%増の463億24百万ユーロ(2014年:413億39百万ユーロ)、為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後(「為替・ポートフォリオ調整後」)では2.7%の売上増となった。特別項目計上前の金利・税金・償却前利益(EBITDA)は前年比18.2%増の102億66百万ユーロ(2014年:86億85百万ユーロ)であった。売上高の好調な伸びに伴って、研究開発費も増加した(前年比約7億40百万ユーロ増)。為替のプラス効果は利益を約6億80百万ユーロ押し上げた。金利・税引前利益(EBIT)は、純特別損失8億19百万ユーロ(2014年:4億38百万ユーロ)計上後で、前年比15.8%増の62億50百万ユーロ(2014年:53億95百万ユーロ)となった。この特別損失は、主に生産拠点の統合に関する費用や、買収した事業の統合費用、コベストロの分離(カーブアウト)および新規上場に関連する費用であった。また、契約違反および特許侵害に係る訴訟から生じる特別利益は、プラス効果をもたらした。当期純利益は前年比20.0%増の41億10百万ユーロ(2014年:34億26百万ユーロ)、継続事業の1株当たり中核利益は16.0%増の6.83ユーロ(2014年:5.89ユーロ)であった。

 継続事業のグロス・キャッシュフローは前年比4.4%増の69億99百万ユーロ(2014年:67億7百万ユーロ)となり、約57億ユーロの目標値を大きく上回った。財務担当経営委員会委員のヨハネス・ディーチは「2015年、バイエルは期待収益および投資回収の最低基準を大きく上回り、新たな価値を生み出しました。全ての事業グループがこの実績に貢献しました」と強調した。ネット・キャッシュフロー(合計)は前年を18.6%上回る68億90百万ユーロ(2014年:58億10百万ユーロ)となった。純金融負債は、2014年末から2015年12月31日までの間に22億ユーロ減少し、174億ユーロとなった。

ヘルスケア事業グループ:大幅な増収・増益
 ヘルスケア事業の売上高は、前年比19.9%(為替・ポートフォリオ調整後:8.1%)増の228億74百万ユーロ(2014年:190億75百万ユーロ)であった。デッカーズは「この高成長は、医療用医薬品の新製品によってもたらされました。コンシューマーヘルス部門でも、全ての事業が売上を伸ばしました」と説明した。今回発表した増収のかなりの部分は、主に米国メルク社から取得した製品と、為替効果によるものであった。
 医療用医薬品部門の売上高は、前年を9.9%(為替・ポートフォリオ調整後)と大幅に上回る137億45百万ユーロであった。新製品である経口抗凝固剤「イグザレルト」、眼科用VEGF阻害剤「アイリーア」、抗悪性腫瘍剤「スチバーガ」および「Xofigo」、肺高血圧症治療剤「アデムパス」の売上高は、合計で42億31百万ユーロ(2014年:29億8百万ユーロ)に達した。「イグザレルト」は、主にドイツと日本における販売量の増加により、34.2%(為替の影響調整後)の大幅な売上増となった。「イグザレルト」は、ジョンソン・エンド・ジョンソンの子会社が販売を担当している米国でも、力強い売上増を記録した。適応拡大を受けた「アイリーア」は、57.4%(同)とさらに大きく売上を伸ばした。
 売上上位の医療用医薬品の中では、特に子宮内システム「ミレーナ」製品群と抗悪性腫瘍剤「ネクサバール」が成功を収め、「ミレーナ」は5.7%(為替の影響調整後)、「ネクサバール」は7.4%(同)の売上増となった。一方で、多発性硬化症の再発予防・進行抑制剤「ベタフェロン」「Betaseron」の売上高は、競争の激化が原因で8.1%(同)減少した。また、経口避妊剤「YAZ」「Yasmin」「Yasminelle」の売上高は、ヨーロッパと米国におけるジェネリック製品との競争により、4.7%(同)減少した。医療用医薬品部門は、為替の影響調整後で全ての地域において全体的に大きく売上を伸ばし、特にドイツと日本、米国が好調であった。
 コンシューマーヘルス部門の売上高は前年比5.1%増(為替・ポートフォリオ調整後)の91億29百万ユーロであった。コンシューマーケア事業部では、米国メルク社から取得した製品の売上高が17億70百万ユーロに達した。スキンケア製品ライン「Bepanthen」「Bepanthol」は11.5%(為替の影響調整後)の大幅な売上増となった。抗真菌剤「Canesten」は全ての地域で好調な伸びを示した(同:17.3%増)。解熱鎮痛薬「Aleve」の売上高も、主に中南米・アフリカ・中東地域での価格上昇と販売量の増加により、好調に推移した(同:4.8%増)。動物用薬品事業部では、首輪型ノミ・マダニ駆除剤「Seresto」が売上高の増加に大きく貢献した。一方で、ノミ・マダニ駆除剤「アドバンテージ」製品群の売上高はわずかに減少した(同:1.3%減)。造影剤および医療機器事業(メディカルケア事業部)では、MRI用造影剤「ガドビスト」が17.6%(同)の大幅な売上増を達成した。
 ヘルスケア事業グループの特別項目計上前EBITDAは、前年を19.8%と大幅に上回る64億19百万ユーロ(2014年:53億57百万ユーロ)となった。この増益は主に、医療用医薬品、そして買収した事業の貢献が特に大きかったコンシューマーヘルスの両部門の非常に好調な業績によるものであった。約2億50百万ユーロに上る為替のプラス効果も増益の要因となった。医療用医薬品部門における研究開発支出の増加と、コンシューマーヘルス部門における販売費の増加により、利益は押し下げられた。

農業関連事業グループ:さらに低調となった市場環境下でも業績は順調に推移
 農業関連事業の2015年の売上高は、前年比9.2%(為替・ポートフォリオ調整後:1.7%)増の103億67百万ユーロ(2014年:94億94百万ユーロ)であった。デッカーズは「さらに低調となった市場環境下でも、農業関連事業グループはさらに売上を伸ばしました」と強調し「平均すると、バイエルは最も重要と考えている競合各社を上回る速度で成長しました」と述べた。農薬/種子部門とエンバイロサイエンス事業はともに売上を伸ばした。地域別ではヨーロッパの事業が特に好調に推移し、農業関連事業グループは同地域において8.2%(為替の影響調整後)の売上増を達成した。アジア・太平洋地域の売上高は1.3%(同)増加したが、北米地域では1.6%(同)減少した。中南米・アフリカ・中東地域の売上高は前年と同水準(同:0.5%減)であった。
 農薬部門では、殺菌剤(為替・ポートフォリオ調整後:9.5%増)と除草剤(同:5.4%増)が大きく売上を伸ばしたが、殺虫剤(同:14.0%減)は、主としてブラジルにおける害虫発生率の低下により、大幅な売上減となった。シードグロース(種子処理事業)の売上高は10.6%(同)減少した。種子部門の売上高は、大豆とキャノーラ種子が特に好調だったため、8.8%(同)増加した。エンバイロサイエンス事業は4.1%(同)の売上増となった。
 農業関連事業グループの2015年の特別項目計上前EBITDAは、前年を2.4%上回る24億16百万ユーロ(2014年:23億60百万ユーロ)であった。販売量が増加し、販売価格が若干上昇するなどの順調な推移による増益の効果に加え、約2億20百万ユーロに上る為替の大幅なプラス効果もあった。一方で、売上原価と研究開発費は増加した。

コベストロ:力強い利益の改善を達成
 素材科学事業(コベストロ、旧素材科学事業グループ)の売上高は、前年比2.8%増の119億82百万ユーロ(2014年:116億51百万ユーロ)となった。全ての事業で販売価格が低下したため、為替・ポートフォリオ調整後の売上高は5.1%減となった。一方で、販売量は全ての事業で増加した。特別項目計上前EBITDAは、前年を39.8%と大幅に上回る16億59百万ユーロ(2014年:11億87百万ユーロ)となった。原材料価格が大幅に低下して、販売価格の低下を十分に相殺した。さらに、約2億40百万ユーロに上る為替のプラス効果が利益を押し上げた。
 バイエルは現時点でコベストロの69%の持分を引き続き保有しており、コベストロは引き続き完全連結対象会社としてバイエルグループの連結財務諸表に算入されている。ただし、1株当たり中核利益については、コベストロの利益のうち31%は同社の外部株主に帰属しており、バイエルの1株当たり中核利益を縮小させる効果がある。

ヘルスケア事業グループと農業関連事業グループの第4四半期の売上高は増加
 2015年第4四半期のバイエルグループの売上高は、前年比4.9%(為替・ポートフォリオ調整後:2.4%)増の113億19百万ユーロ(2014年第4四半期:107億92百万ユーロ)であった。ヘルスケア事業グループと農業関連事業グループはこの業績に貢献したが、コベストロの売上高は減少した。特別項目計上前EBITDAは4.0%増の19億3百万ユーロ(2014年第4四半期:18億29百万ユーロ)となった。特にヘルスケア事業グループにおける売上高の好調な伸びに伴って、研究開発費も増加した。為替のプラス効果は利益を2億ユーロ押し上げた。EBITは65.4%と大幅に増加して、9億8百万ユーロ(2014年第4四半期:5億49百万ユーロ)となった。当期純利益はさらに大幅に増加して、6億13百万ユーロ(2014年第4四半期:2億24百万ユーロ)となった。一方、継続事業の1株当たり中核利益は1.07ユーロ(2014年第4四半期:1.17ユーロ)まで低下した。なお、前年の数値は税金収益の影響を受けている。

バイエルは2016年もさらなる成長を目指す
 デッカーズは「当社は昨年の記録的な業績を基に、売上高と利益の両方でさらなる成長を目指します」と述べて、2016年度に対する自信を表明した。この業績予測は2016年1月1日付で導入された新たな組織構造に基づいており、コベストロ事業の通期算入を前提としている。また、2016年度の業績予測は、決算日である2015年12月31日現在の為替レート(1ユーロ=1.09米ドルのレートを含む)を基礎としている。
 バイエルグループ(コベストロを含む)は、2016年、470億ユーロを超える売上高の計上を計画している。これは為替・ポートフォリオ調整後で1桁台前半の増収率に相当する。特別項目計上前EBITDAについては1桁台半ばの増加率を計画している。また、継続事業の1株当たり中核利益についても1桁台半ばの増加率を目指している。この仮定は、コベストロの業績が2016年を通して69%のみ反映されるという点を考慮したものである。バイエルは、ダイアベティスケア事業の売却により、非継続事業の1株当たり中核利益は0.40ユーロ弱になるものと見ている。
 ライフサイエンス事業(コベストロを除くバイエルグループ)については、約350億ユーロの売上高を計画している(2015年試算値:343億42百万ユーロ)。これは為替・ポートフォリオ調整後で1桁台半ばの増収率に相当する。また、特別項目計上前EBITDAについても、1桁台半ばの増加率とする計画である(2015年試算値:86億7百万ユーロ)。この計画には、コベストロのカーブアウトおよび事業売却に伴う約1億30百万ユーロの反相乗効果が含まれている。
 バイエルは、一部の分野で価格が低下するものの、医療用医薬品部門(ラジオロジー事業を含む)の売上高は約160億ユーロ(2015年試算値:153億8百万ユーロ)となる見込みである。これは為替・ポートフォリオ調整後で1桁台半ばの増収率に相当する。また、医療用医薬品の新製品については、50億ユーロ以上の売上達成を計画している。特別項目計上前EBITDAは1桁台半ばから後半の増加率となる見込みである(2015年試算値:46億15百万ユーロ)。特別項目計上前EBITDAマージンについては、向上を目指している。
 コンシューマーヘルス部門では、60億ユーロを上回る売上高を見込んでおり、為替・ポートフォリオ調整後で1桁台半ばの増収率を計画している(2015年試算値:60億76百万ユーロ)。特別項目計上前EBITDAについても、1桁台半ばの増加率となる見込みである(2015年試算値:14億56百万ユーロ)。
 クロップサイエンス部門では、売上高は2015年と同水準(2015年:103億67百万ユーロ)を見込んでいる。これは為替・ポートフォリオ調整後で1桁台前半の増収率に相当する。クロップサイエンス部門では、特別項目計上前EBITDAについては、1桁台前半の増加率を計画している(2015年:24億16百万ユーロ)。
 動物用薬品事業では、売上高は2015年の水準(2015年:14億90百万ユーロ)を若干上回ると見ている。これは為替・ポートフォリオ調整後で1桁台前半から半ばの増収率に相当する。特別項目計上前EBITDAについても、1桁台前半から半ばの増加率を計画している(2015年試算値:3億48百万ユーロ)。
 コベストロは、2016年の売上高は前年と同水準、特別項目計上後EBITDAは減少すると見ている。
 バイエルは、2016年には5億ユーロ前後の特別損失の計上を予想しているが、このほとんどは、買収したコンシューマーヘルス事業の統合と、バイエルグループの再編成に関連する費用である。2016年の研究開発支出は約45億ユーロまで増加する予定である。資本的支出については、有形固定資産に約25億ユーロ、無形固定資産に約4億ドルの計上を予定している。減価償却費および償却費は、無形固定資産の償却費16億ユーロを含み、約31億ドルとなる見込みである。2016年末の純金融負債は160億ユーロを下回ると予想している。

デッカーズ:ヨーロッパにおけるイノベーションの促進が必要
 デッカーズは今回の決算発表において、イノベーションがバイエルの商業的成功の基礎であると強調した。バイエルは世界中で約15,000名の研究開発者を雇用しており、2015年は前年比21.0%増となる42億81百万ユーロの研究開発費を支出した。デッカーズは「しかし、バイエルが潜在力を十分に活用するには、イノベーションへの取り組みをサポートする環境が必要です。欧州ではもっとイノベーションを促進することが必要だと確信しています」と述べた。
 第一に、デッカーズは、社会文化的な環境における行動が必要であるとの見解を示した。デッカーズは「誰でも理論上はイノベーションを支持するものの、具体的な技術のことになると急に懸念が優勢となってしまいます」と述べ、新たな技術についてオープンに議論することが望ましいとの認識を示した。デッカーズは、ただしこの議論は科学的事実に基づいたものでなければならないとして、科学、政治、産業の各分野に対して、開かれた議論への関与を強化するよう求めた。
 第二に、技術の進歩を規制によって妨げることなく、むしろ適切な規制によって支えることが重要である。デッカーズは「そこで私は、欧州イノベーション原則、つまり規制が産業のイノベーション能力に及ぼす影響を調査するための一種のイノベーション検査の導入を、強く支持します」と述べ、その導入はヨーロッパの予防的原則を補強する有意義なものとなり得ると説明した。また、2つの原則が補強し合うことで、新技術の利益とリスクに関するよりバランスのとれた評価が保証されると述べ、これによって規制の改善とイノベーションの促進が可能となると付け加えた。
 デッカーズは続けて「イノベーションをさらに進めるためには、外部資金調達の状況も改善しなければなりません」と述べ、ドイツには若い企業の開業資金調達をもっと容易にするようなベンチャーキャピタル法が必要であると説明した。

将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。

バイエル ホールディング株式会社
2016年3月7日、東京
Bayer Holding Ltd.