2012年08月07日
ドイツ・バイエル社 2012年第2四半期中間財務報告:業績は好調

バイエル:通年の業績予測を上方修正

  • 売上高は前年同期比10.0%増で過去最高の101億7,700万ユーロ
  • 農薬関連事業とヘルスケア事業は好調な勢いを維持 - 素材科学事業はさらに改善
  • 営業利益(EBIT)は7億5,000万ユーロ(前年同期比41.1%減) - 特別項目(訴訟関連リスク引当金)の影響を受ける
  • 特別項目計上前EBITDAは前年同期比6.7%増の21億7,200万ユーロ
  • 当期純利益は4億9,400万ユーロ(前年同期比33.9%減)

ドイツ レバクーゼン、2012年7月31日― バイエルグループ(本社:ドイツ レバクーゼン、社長:マライン・デッカーズ)は2012年第2四半期も成長の勢いを維持し、売上高、基礎的利益とも前年同期を上回った。デッカーズ社長は31日に行われた中間業績の発表において「好調な業績を考慮して、2012年通年の業績予測を引き上げています」と述べた。デッカーズは、為替のプラス効果が一因でバイエルが過去最高となる約102億ユーロの売上高を達成したことを報告し「全事業グループが売上の増加に貢献し、特に農薬関連事業グループでは力強い成長が続きました」と述べた。各項目については、同事業グループの第2四半期の売上高と特別項目計上前の金利・税金・償却前利益(EBITDA)は過去最高を記録した。これら二つの指標については、ヘルスケア事業グループもこれまでで最高の四半期業績をあげた。素材科学事業グループの四半期売上高は過去最高となり、基礎的EBITDAも第2四半期としては2007年以来最高の数値を記録した。バイエルグループの2012年第2四半期の当期純利益は、特別項目8億ユーロの影響を受けた。この金額には訴訟に備えたリスク引当金5億ユーロが含まれている。全体では、当期純利益は5億ユーロまで減少した。

バイエルグループの2012年第2四半期の売上高は、前年同期比10.0%増の101億7,700万ユーロ(2011年第2四半期:92億5,200万ユーロ)であった。為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後(以下、「為替・ポートフォリオ調整後」)の増収率は5.0%であった。営業利益(EBIT)は前年同期比41.1%減の7億5,000万ユーロ(2011年第2四半期:12億7,300万ユーロ)であった。特別項目の総額は-7億6,200万ユーロ(2011年第2四半期:-1億4,400万ユーロ)であった。この総額には、経口避妊薬「Yasmin」「YAZ」の関連(静脈血栓による障害)で、バイエルが現在認識しており、かつ和解すべきであると考えているすべての訴訟に対するリスク引当金4億9,600万ユーロが含まれている。特別項目にはこの他に、無形資産の減損損失1億3,700万ユーロと事業再構築費用1億700万ユーロが含まれている。特別項目計上前EBITは、前年同期比6.7%増の15億1,200万ユーロ(2011年第2四半期:14億1,700万ユーロ)、特別項目計上前EBITDAは、前年同期比6.7%増の21億7,200万ユーロ(2011年第2四半期:20億3,500万ユーロ)であった。この数値は為替のプラス効果によって約7,000万ユーロ押し上げられている。多くの特別項目により、当期純利益は前年同期比33.9%減の4億9,400万ユーロ(2011年第2四半期:7億4,700万ユーロ)となった。1株当たり中核利益は前年同期比14.0%増の1.47ユーロ(2011年第2四半期:1.29ユーロ)であった。

2012年第2四半期のグロス・キャッシュフローは、特に多額の特別費用の計上が原因で、前年同期比20.0%減の12億2,600万ユーロ(2011年第2四半期:15億3,200万ユーロ)となった。ネット・キャッシュフローは、特に納税額が大幅に増加したため、前年同期比10.5%減の13億6,900万ユーロ(2011年第2四半期:15億3,000万ユーロ)となった。純金融負債は、2012年3月31日時点の69億ユーロから、2012年6月30日時点では79億ユーロまで増加した。営業活動により獲得した現金は、配当および利息の支払いによる現金流出を一部相殺するに留まった。さらに、ユーロ安により、外貨建て債務の開示額が増える結果となった。特に長期金利の低下が原因で、退職給付債務の認識額(純額)は、2012年3月31日時点の81億ユーロから93億ユーロまで増加した。

ヘルスケア事業グループ(バイエル ヘルスケア社):全事業が成長

ヘルスケア事業グループの2012年第2四半期の売上高は、前年同期比10.0%増(為替・ポートフォリオ調整後では4.1%増)の46億2,800万ユーロ(2011年第2四半期:42億800万ユーロ)であった。医療用医薬品部門とコンシューマーヘルス部門の両方がこの成長に貢献した。デッカーズは「新興市場での好業績がこの成長に特に貢献しました」と述べた。

医療用医薬品部門の売上高は前年同期比4.3%増(為替・ポートフォリオ調整後)の26億8,500万ユーロであった。主に北米地域と新興市場、特に中国で売上が増加した一方で、ヨーロッパ地域、特に西ヨーロッパにおいてわずかな減少が見られた。医療用医薬品部門の売上上位の製品の中では、経口抗凝固剤「イグザレルト」が、販売国の増加と適応拡大により、売上を大幅に伸ばした。子宮内避妊システム「ミレーナ」の売上は、販売量の増加と米国での大量受注により、26.7%の大幅増(為替の影響調整後)となった。多発性硬化症の再発予防・進行抑制薬「ベタフェロン」の売上も好調で、10.2%増(為替の影響調整後)となったが、これは米国での一時的効果が一因であった。抗癌剤「ネクサバール」の売上は7.5%増加した(為替の影響調整後)。一方、経口避妊薬「YAZ」「Yasmin」「Yasminelle」製品ラインの売上は、西ヨーロッパと北米におけるジェネリック製品との競争が主な要因で、6.4%減少した(為替の影響調整後)。ただし、日本では同製品ラインの売上は増加した。ED治療薬「レビトラ」の売上は16.9%減少し(為替の影響調整後)、特に米国で減少した。

コンシューマーヘルス部門の売上高は前年同期比3.8%増(為替・ポートフォリオ調整後)の19億4,300万ユーロであった。全事業部がこの増収に貢献し、特に新興市場での売上が好調であった。一般用医薬品事業(コンシューマーケア事業部)の売上上位の製品の中では、スキンケア製品ライン「Bepanthen」「Bepanthol」(為替の影響調整後で18.3%増)と、解熱・鎮痛剤「Aleve」(一般名:ナプロキセン)は、為替の影響調整後で10.1%増と、需要の高まりによる恩恵を受けた。メディカルケア事業部では、造影剤と医療機器事業が好調であった。動物用薬品事業部は、特にヨーロッパで売上を伸ばした。

ヘルスケア事業グループの2012年第2四半期の特別項目計上前EBITDAは、前年同期比8.0%増の12億4,800万ユーロ(2011年第2四半期:11億5,600万ユーロ)であった。これは医療用医薬品部門における好業績と、為替のプラス効果によるものであった。

農薬関連事業グループ(バイエル クロップサイエンス社):
好調なスタートを切った第1四半期からさらに成長

農薬関連事業グループの2012年第2四半期の売上高は、前年同期比17.1%増(為替・ポートフォリオ調整後では12.7%増)の22億7,600万ユーロ(2011年第2四半期:19億4,300万ユーロ)であった。デッカーズは「農薬関連事業グループは第1四半期に作付け時期に向けて好調なスタートを切り、これを基にさらに成長することができました」と説明した。北米地域は特に力強い成長を見せたが、これは特に販売活動の再編成によるものであった。農薬関連事業グループはヨーロッパ地域とラテンアメリカ・アフリカ・中東地域でも好調な伸びを見せたが、アジア・太平洋地域の売上は緩やかな増加となった。良好な市況、特に農産物の高値が続いたことが、この成長に貢献した。

農薬事業はほとんどすべての事業部で2桁の成長率を達成した。種子処理剤の売上は、第1四半期の小幅な伸びに続き、特に力強く拡大した(為替の影響調整後で25.8%増)。殺菌剤(為替・ポートフォリオ調整後で15.1%増)と殺虫剤(為替・ポートフォリオ調整後で14.5%増)も大幅に売上を伸ばした。除草剤は9.7%の大幅増(為替・ポートフォリオ調整後)となった。

種子と形質を専門に扱うバイオサイエンス事業の売上は、20.5%の大幅増(為替・ポートフォリオ調整後)となった。これは、綿等の作付面積の大きな作物が大幅に売上を伸ばしたことが主な要因であった。一方、野菜種子の売上は、わずかに減少した。エンバイロサイエンス事業の売上は3.8%減少した(為替の影響調整後)。

農薬関連事業グループの2012年第2四半期の特別項目計上前EBITDAは、前年同期比16.6%増の5億4,900万ユーロ(2011年第2四半期:4億7,100万ユーロ)であった。これは特に販売量の増加と販売価格の上昇に加え、業務効率改善策の前進によるものであった。さらに、農薬事業のアウトライセンスに関連する一時的利益2,500万ユーロ(2011年第2四半期:1,600万ユーロ)も、農薬関連事業グループにとってプラスとなった。

素材科学事業グループ(バイエル マテリアルサイエンス社):販売価格と販売量がやや上昇

素材科学事業の2012年第2四半期の売上高は、前年同期比6.5%増(為替・ポートフォリオ調整後では1.9%増)の29億6,200万ユーロ(2011年第2四半期:27億8,200万ユーロ)であった。デッカーズは「素材科学事業グループでは全体として販売価格と販売量がやや上昇しました」と説明した。ラテンアメリカ・アフリカ・中東地域、北米地域およびヨーロッパ地域での販売価格の上昇は、アジア・太平洋地域での販売価格の低下を相殺し、これを上回った。同事業グループの販売量は、アジア・太平洋地域、ラテンアメリカ・アフリカ・中東地域および北米地域で増加したが、ヨーロッパ地域では減少した。

全製品グループが、フォーム原材料(ポリウレタン)事業における7.5%の売上増(為替・ポートフォリオ調整後)に貢献した。一方、高機能性樹脂(ポリカーボネート)事業の売上は、前年同期比10.2%減(為替・ポートフォリオ調整後)となった。これは特にポリカーボネート樹脂製品グループの販売価格の低下によるものであった。塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業による原材料の売上は、2.9%増(為替・ポートフォリオ調整後)となった。生産管理事業(無機基礎化学品)の売上は9.9%増加した(為替・ポートフォリオ調整後)。

素材科学事業グループの2012年第2四半期の特別項目計上前EBITDAは、前年同期比3.5%増の3億8,500万ユーロ(2011年第2四半期:3億7,200万ユーロ)であった。これは主に、販売価格の上昇や、業務効率改善策によるコスト削減、為替のプラス効果によるものであった。一方、原材料価格の上昇は利益にマイナスの影響を及ぼした。

上半期の業績は大幅に改善

デッカーズは「2012年上半期の売上高と特別項目計上前利益は好調に改善し、特に農薬関連事業グループが大きく貢献しました」と説明した。上半期の売上高は前年同期比8.4%増(為替・ポートフォリオ調整後では5.1%増)の202億3,300万ユーロ(2011年上半期:186億6,700万ユーロ)であった。EBITは1.4%減の23億8,700万ユーロ(2011年上半期:24億2,100万ユーロ)であった。一方、特別項目計上前EBITDAは8.1%増の46億1,400万ユーロ(2011年上半期:42億6,700万ユーロ)となった。バイエルグループの当期純利益は前年同期比7.9%増の15億4,400万ユーロ(2011年上半期:14億3,100万ユーロ)、1株当たり中核利益は15.0%増の3.15ユーロ(2011年上半期:2.74ユーロ)であった。

好調な新興市場

新興市場は2012年上半期の増収に対して平均を上回るプラス効果を与えた。バイエルは、レポーティング上、アジア(日本を除く)、ラテンアメリカ、東ヨーロッパ、アフリカおよび中東を新興市場と定義している。これらの新興市場における2012年上半期の売上高は、前年同期比6.4%増(為替の影響調整後)の70億2,700万ユーロであった。先進工業国の売上は前年同期を3.6%上回った(為替の影響調整後)。

2012年下半期に向けての自信

デッカーズは「2012年上半期は特に農薬関連事業グループとヘルスケア事業グループの業績が良好だったことから、バイエルは下半期についても自信を強めています」と述べた。さらに、非常に有利な為替環境がバイエルにプラス効果をもたらしている。このような背景の下、バイエルは通年の売上高・利益予測を引き上げている。この予測は2012年6月30日時点の為替レートに基づくものである。バイエルは現在、2012年通年について、為替・ポートフォリオ調整後で4~5%(以前の予測は3%)の売上増を予測している。これによりグループ全体では約390億ユーロ~400億ユーロ(以前の予測は370億ユーロ)の売上となる。特別項目計上前EBITDAについては、現在、1桁台後半の増加率(以前の予測は微増)を計画している。また、1株当たり中核利益は約10%の増加(以前の予測は微増)を予測している。すでに認識している特別費用に加え、現在継続中の事業再構築計画に関して2012年下半期に1億~2億ユーロ程度の追加費用の計上を見込んでいる。

ヘルスケア事業グループの2012年の最優先事項は、新しい医療用医薬品の製品化を成功させることである。同事業グループは、為替・ポートフォリオ調整後で3~4%(以前の予測は1桁台前半から半ば)の売上増を見込んでいる。同事業グループの特別項目計上前EBITDAは、非常に有利な為替のプラス効果により、1桁台半ばから後半の増加率(以前の予測は微増)となる計画である。現在、医療用医薬品部門の売上高は為替・ポートフォリオ調整後で微増(以前の予測は前年と同水準または微増)、特別項目計上前EBITDAは1桁台半ばの増加率(以前の予測は前年とほぼ同水準)を予測している。コンシューマーヘルス部門については、為替・ポートフォリオ調整後の売上高は1桁台半ばの増加率、特別項目計上前EBITDAは1桁台後半(以前の予測は1桁台半ば)の増加率を見込んでいる。

上半期の良好な事業環境を受けて、バイエルは農薬関連事業グループの業績予測も引き上げている。同事業グループでは現在、売上高は為替・ポートフォリオ調整後で約10%増加し、特別項目計上前EBITDAは約20%増加する(以前の予測は売上高、特別項目計上前EBITDAともに1桁台半ばの増加率)と予測している。農薬関連事業グループは引き続き、市場を上回る成長を予測している。

素材科学事業グループは、2012年第3四半期に、好調であった第2四半期と同水準の売上高(為替・ポートフォリオ調整後)と特別項目計上前EBITDAを達成することを目指している。同事業グループは引き続き、2012年の売上高(為替・ポートフォリオ調整後)と特別項目計上前EBITDAを前年と同水準に維持する計画である。

<将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)>
このニュースリリースには、バイエルグループまたは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている可能性がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。

バイエル ホールディング株式会社
2012年8月7日、東京
Bayer Holding Ltd.