2012年11月06日
ドイツ・バイエル社 2012年第3四半期中間財務報告

バイエル: 2012年通年の成功に向けて順調な歩み

  • ヘルスケア事業グループと農薬関連事業グループは上昇傾向を維持
  • 売上高は前年同期比11.5%増の96億6,500万ユーロ
  • EBITは8億3,800万ユーロ(前年同期比23.7%減)
  • 特別項目計上前EBITDAは前年同期比2.2%増の18億4,500万ユーロに増加
  • 当期純利益は5億2,800万ユーロ(前年同期比17.8%減)
  • イノベーション・パイプラインはさらに進展
  • グループの2012年通年の業績予測を確認

ドイツ レバクーゼン、2012年10月30日― バイエルグループ(本社:ドイツ レバクーゼン、社長:マライン・デッカーズ)は成長軌道を維持している。デッカーズ社長は中間業績の発表で「当社のライフサイエンス事業、すなわちヘルスケア事業グループと農薬関連事業グループは、2012年第3四半期も上昇傾向を維持しました」と述べた。ヘルスケア事業グループ、特に医療用医薬品部門はさらに成長の勢いを増した。また、農薬関連事業グループにおける上半期の好調な事業動向は弱まることなく続いており、素材科学事業グループも良好な四半期売上を記録した。しかし、特に法的請求および事業再構築に関連する特別費用により、当期純利益は前年同期を下回った。第3四半期は、買収によるライフサイエンス事業の強化と、イノベーション・パイプラインは一層進展し、戦略的観点から見ても大きな前進があったとデッカーズは説明し「当社は引き続き成功への道を歩んでおり、2012年通年の業績予測を確認しました」と述べた。

バイエルグループの2012年第3四半期の売上高は前年同期比で11.5%増加し、96億6,500万ユーロ(2011年第3四半期:86億7,000万ユーロ)となった。為替・事業ポートフォリオ変更の影響調整後(「為替・ポートフォリオ調整後」)の増収率は5.5%であった。金利・税引前利益(EBIT)は前年同期比で23.7%減少して、8億3,800万ユーロ(2011年第3四半期:10億9,900万ユーロ)となった。特別項目の総額はマイナス3億5,600万ユーロ(2011年第3四半期:マイナス7,500万ユーロ)であった。この総額には、経口避妊薬「Yasmin」「YAZ」に関連(静脈血栓による障害)するものであって、バイエルが現在認識しており、かつ和解すべきであると考えているすべての請求に対する会計上の追加措置(主として、裁判所に提起されていない追加請求に基づく措置)を取ったことによる2億500万ユーロが含まれていた。特別費用にはこの他に事業再構築費用1億3,400万ユーロが含まれていた。

特別項目計上前EBITは前年同期比1.7%増の11億9,400万ユーロ(2011年第3四半期:11億7,400万ユーロ)、特別項目計上前の金利・税金・償却前利益(「EBITDA」)は前年同期比2.2%増の18億4,500万ユーロ(2011年第3四半期:18億500万ユーロ)であった。当期純利益は前年同期比17.8%減の5億2,800万ユーロ(2011年第3四半期:6億4,200万ユーロ)、1株当たり中核利益は前年同期比7.1%増の1.20ユーロ(2011年第3四半期:1.12ユーロ)であった。

グロス・キャッシュフローは、主としてEBITの減少により、前年同期比22.9%減の10億2,300万ユーロ(2011年第3四半期:13億2,700万ユーロ)となった。一方、ネット・キャッシュフローは、運転資本として滞留することとなるキャッシュの季節的減少により、前年同期比26.1%増の19億8,900万ユーロ(2011年第3四半期:15億7,700万ユーロ)となった。純金融負債は、営業キャッシュ・フローの貢献により、2012年6月30日時点の79億ユーロから、2012年9月30日時点では68億ユーロまで減少した。

ヘルスケア事業グループ(バイエル ヘルスケア社):特に北米地域と新興市場で好調

ヘルスケア事業グループの2012年第3四半期の売上高は、前年同期比で12.4%増加して、47億1,900万ユーロ(2011年第3四半期:42億ユーロ)となった。為替・ポートフォリオ調整後の増収率は5.5%増であった。医療用医薬品部門とコンシューマーヘルス部門の両方がこの成長に貢献した。デッカーズは「ヘルスケア事業グループの事業は、特に北米地域と新興市場で好調に推移しました」と指摘した。特に中国では成長の勢いが衰えなかった。

医療用医薬品部門の売上高は前年同期比13.0%増(為替・ポートフォリオ調整後では6.1%増)の27億3,400万ユーロであった。医療用医薬品部門の売上上位の製品の中では、経口抗凝固剤「イグザレルト」が、販売国の増加と適応拡大により、発売後最高の成長率を達成した。子宮内避妊システム「ミレーナ」の売上は、主として米国における販売量の増加により、22.5%の大幅増(為替の影響調整後)となった。食後過血糖改善剤 「グルコバイ」は特に中国で売上を伸ばし、23.5%増加した(為替の影響調整後)。遺伝子組換え型血液凝固第Ⅷ因子製剤「コージネイト」の売上も好調で、8.9%増加(為替の影響調整後)したが、これは販売パートナーへの出荷増と、オーストラリアでの入札獲得によるものであった。抗癌剤「ネクサバール」の売上は、主として中国と米国での増加により、4.2%増加した(為替の影響調整後)。一方、経口避妊薬「YAZ」「Yasmin」「Yasminelle」製品ラインの売上は、特に西ヨーロッパでのジェネリック製品との競争により減少した。アジア・太平洋地域およびラテンアメリカ地域での売上増は、この減少を一部相殺するに留まり、同製品ラインの売上は全体で4.0%減少した(為替の影響調整後)。多発性硬化症の再発予防・進行抑制薬「ベタフェロン」の売上は6.1%減少した(為替の影響調整後)。

コンシューマーヘルス部門の売上高は前年同期比で11.5%増加(為替・ポートフォリオ調整後では4.7%増加)して、19億8,500万ユーロとなった。全事業部、特に一般用医薬品事業(コンシューマーケア事業部)と動物薬事業(動物用薬品事業部)がこの業績に貢献した。コンシューマーケア事業部の中では、ヨーロッパでのマーケティング活動の増加により、スキンケア製品ライン「Bepanthen」「Bepanthol」は為替の影響調整後で19.5%増、抗真菌剤「Canesten」は為替の影響調整後で18.4%増となった。メディカルケア事業部では、血糖自己測定器「Contour」製品ラインの売上が為替の影響調整後で11.7%増と好調だった一方で、造影剤と医療機器の売上はわずかに減少した。動物用薬品事業部ではノミ・ダニ駆除剤「アドバンテージ」製品ラインが成長の原動力となり、低調だった前年同期に比べて25.1%増加した(為替の影響調整後)。これは主として北米での売上増と、マーケティングの成功によるものであった。

ヘルスケア事業グループの2012年第3四半期の特別項目計上前EBITDAは、前年同期比で5.8%増加して、12億9,700万ユーロ(2011年第3四半期:12億2,600万ユーロ)となった。これは主として医療用医薬品部門の好業績と、為替のプラス効果によるものであった。

農薬関連事業グループ(バイエル クロップサイエンス社):上半期の好調を維持

デッカーズは「農業関連事業は上半期とほぼ同じ勢いを保ちました」と述べた。農薬関連事業グループの2012年第3四半期の売上高は、前年同期比で19.0%増加(為替・ポートフォリオ調整後では12.8%増加)して、16億4,100万ユーロ(2011年第3四半期:13億7,900万ユーロ)となった。ヨーロッパ地域と北米地域の売上は特に好調だったが、ラテンアメリカ・アフリカ・中東地域でも2桁の伸びとなった。良好な市況、特に農産物の高値が続いたことが、この成長を後押しした。

農薬部門はすべての製品グループと地域で好調だった。種子成長事業(種子処理剤)は23.7%(為替・ポートフォリオ調整後)と特に高い成長率を示した。殺菌剤も為替・ポートフォリオ調整後で15.5%増と大きな成功を収めた。殺虫剤も7.5%の大幅な売上増となり、除草剤は4.3%増加した(為替・ポートフォリオ調整後)。

種子部門の売上は39.1%の大幅増(為替・ポートフォリオ調整後)となった。この増加は北米地域での売上、特にキャノーラ種子の売上によるものであった。野菜種子の売上は前年同期と同水準であった。エンバイロサイエンス事業の売上は8.8%増加した(為替の影響調整後)。

農薬関連事業グループの2012年第3四半期の特別項目計上前EBITDAは、前年同期比で14.5%増加して、1億8,900万ユーロ(2011年第3四半期:1億6,500万ユーロ)となった。これは特に販売量の増加と為替のプラス効果によるものであった。業務効率改善策の推進も利益にプラスの影響を与えた。一方、製造費と販売費は増加した。

素材科学事業グループ(バイエル マテリアルサイエンス社):販売量が増加

素材科学事業の2012年第3四半期の売上高は、前年同期比で8.1%増加(為替・ポートフォリオ調整後では2.9%増加)して、29億9,200万ユーロ(2011年第3四半期:27億6,800万ユーロ)となった。デッカーズは「全体として、この成長は販売量の増加によるものでした」と述べた。ヨーロッパ地域の販売量は前年同期とほぼ同じであったが、その他の地域では大幅に増加した。アジア・太平洋地域では販売価格が低下したが、その他の地域での上昇によりほぼ相殺された。

フォーム原材料(ポリウレタン)事業の売上は前年同期比で10.2%増加(為替・ポートフォリオ調整後)したが、これは主としてすべての製品グループと地域で販売量が増加したことと、北米地域を除くすべての地域で販売価格が上昇したことによるものであった。一方、高機能性樹脂(ポリカーボネート)事業の売上は、好調だった前年同期を10.5%下回った(為替・ポートフォリオ調整後)。これはポリカーボネート樹脂製品とポリカーボネートシート/半製品の両製品グループにおいて、販売量と販売価格が前年同期を下回ったためであった。塗料・接着剤・スペシャリティーズ事業による原材料の売上は2.8%(為替・ポートフォリオ調整後)増加し、生産管理事業(無機基礎化学品)の売上は4.6%増加した(為替・ポートフォリオ調整後)。

素材科学事業グループの2012年第3四半期の特別項目計上前EBITDAは、前年同期比で4.3%減少して、3億3,300万ユーロ(2011年第3四半期:3億4,800万ユーロ)となった。この減益は、主に原材料価格およびエネルギー価格の上昇と、販売価格のわずかな低下によるものであった。これらの要因は、販売量の増加、業務効率改善策によるコスト削減、および為替のプラス効果によって、一部のみ相殺された。

第1-3四半期の売上高と基礎的利益は大幅に改善

デッカーズは「2012年第1-3四半期の売上高と特別項目計上前利益は大幅に改善し、特に農薬関連事業グループが大きく貢献しました」と述べた。売上高は前年同期比で9.4%増加(為替・ポートフォリオ調整後では5.2%増加)して、298億9,800万ユーロ(2011年第1-3四半期:273億3,700万ユーロ)となった。EBITは8.4%減の32億2,500万ユーロ(2011年第1-3四半期:35億2,000万ユーロ)であった。一方、特別項目計上前EBITDAは6.4%増加して、64億5,900万ユーロ(2011年第1-3四半期:60億7,200万ユーロ)となった。バイエルグループの当期純利益は20億7,200万ユーロ(2011年第1-3四半期:20億7,300万ユーロ)、1株当たり中核利益は12.7%増の4.35ユーロ(2011年第1-3四半期:3.86ユーロ)であった。

ライフサイエンス事業はイノベーションと買収の恩恵を受ける

デッカーズは「当社の現在と将来の成功および今後の成長は、ライフサイエンス事業の新たな革新的製品を基に築かれるものです。したがって、当社の革新的な能力を基盤として有機的に成長していくことを第一目標に掲げています。ライフサイエンス分野において、当社が戦略的に前進することを可能とする、的を絞った中小規模の買収を通じて、この目標の達成を補完しています」と述べた。

第3四半期はライフサイエンス事業の拡大が順調に進んだとデッカーズは述べた。例えばヘルスケア事業グループでは、革新的な経口抗凝固剤「イグザレルト」に関する良いニュースが続いた。同剤は販売国が増加、適応も拡大し、2008年に最初の承認を受けて以来、世界中で250万人を超える患者が日常診療において同剤の処方を受けている。デッカーズはこの他にも開発後期段階にある開発パイプラインが豊富であると述べ、眼科用VEGF阻害剤「アイリーア」および抗癌剤「Stivarga」(有効成分:レゴラフェニブ)の販売承認や、新薬候補リオシグアトの肺高血圧症における肯定的な臨床試験データを例として挙げた。

農薬関連事業グループにおいて2011年から2016年の間に発売もしくは発売予定の製品については、ピーク時の年間売上高が合計で40億ユーロを超える可能性があると考えている。これには農薬部門の8プロジェクトや、棉、菜種/キャノーラ、稲、小麦および大豆など、世界的に作付面積の大きな作物を対象とする種子部門の約18のプロジェクトがある。

デッカーズは、つい最近発表したシフ・ニュートリション・インターナショナルの買収はコンシューマーケア事業部の重要な礎石であると説明し「両社のブランドと製品は多くの分野において互いを理想的に補完し合うものです。買収の完了は通常、買収手続きの完了に関する諸条件が満たされることを前提としており、2012年末までに完了する予定です」と述べた。デッカーズはさらにバイエルによるテバ社の動物薬事業の買収契約に触れ、この取引によって2013年以降の動物用薬品事業部の強化を目指すと述べた。また、成功を収めた最近のアグラクエスト社の買収を挙げ、これは農薬関連事業グループにとって重要な買収であり、生物農薬製品を加えて同グループの事業を拡大するものであると述べた。

2012年通年の1株当たり中核利益は約10%増加の見込み

デッカーズは「当社は7月に引き上げた2012年通年の売上高・利益予測を確認しました」と述べた。バイエルは引き続き、2012年通年について、為替・ポートフォリオ調整後で4~5%の売上増を予測している。これによりグループ全体では約390億~400億ユーロの売上となる。この予測は2012年第3四半期末時点の為替レートに基づくものである。特別項目計上前EBITDAについては、以前と同じく1桁台後半の増加率を計画している。また、1株当たり中核利益は引き続き約10%の増加を予測している。すでに認識している特別費用に加え、現在継続中の事業再構築計画に関して2012年第4四半期に2億ユーロの追加費用の計上を見込んでいる。

ヘルスケア事業グループの最優先事項は、引き続き、新しい医療用医薬品の製品化を成功させることである。同事業グループは、引き続き為替・ポートフォリオ調整後で3~4%の売上増を見込んでいる。特別項目計上前EBITDAは、非常に有利な為替効果により、1桁台半ばから後半の増加率となる計画である。また、医療用医薬品部門の売上高は為替・ポートフォリオ調整後で微増となり、特別項目計上前EBITDAは1桁台半ばの増加率となると予測している。コンシューマーヘルス部門については、売上高は為替・ポートフォリオ調整後で1桁台半ばの増加率、特別項目計上前EBITDAは1桁台後半の増加率を見込んでいる。

農薬関連事業グループでは、以前と同じく、売上高は為替・ポートフォリオ調整後で約10%増加し、特別項目計上前EBITDAは約20%増加すると予測している。同事業グループは引き続き、市場を上回る成長を予測している。

素材科学事業グループでは、2012年第4四半期の売上高(為替・ポートフォリオ調整後)と特別項目計上前EBITDAは、低調だった前年同期に比べて大幅に増加すると見込んでいる。2012年通年の売上高については現在、為替・ポートフォリオ調整後で微増(以前の予測は前年同期と同水準を維持)を予測しており、特別項目計上前EBITDAについては引き続き前年と同水準になると予測している。

<将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)>
このニュースリリースには、バイエルグループまたは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている可能性がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。

バイエル ホールディング株式会社
2012年11月6日、東京
Bayer Holding Ltd.