2014年05月09日
コンシューマーケア事業を大幅に強化

バイエル、米国メルク社のコンシューマーケア事業を取得
sGCモジュレーター領域で戦略的業務提携へ

  • 米国メルク社コンシューマーケア事業の買収価格は現金で142億USドル
  • 北米および中南米のOTC市場におけるマーケットリーダーおよびOTC主要製品群におけるグローバルトップに
  • sGCモジュレーター領域で米国メルク社と戦略的業務提携。バイエルは前払い金として10億USドルおよび売上額に応じたマイルストーンペイメントを受ける予定

ドイツ レバクーゼン、2014年5月6日― バイエルグループ(本社:ドイツ レバクーゼン、社長:マライン・デッカーズ)は、メルク・アンド・カンパニー社(本社:米国ニュージャージー州ホワイトハウス・ステーション、以下 米国メルク社)のコンシューマーケア事業を、142億USドル(104億ユーロ)で取得することに合意した。デッカーズは「今回の事業取得は、バイエルが魅力的な一般用医薬品事業におけるグローバルリーダーを目指す過程において、非常に重要な一歩となります。同時に、心血管疾患領域における当社の能力を強化することができます」と述べている。今回の取引を通じて、バイエルは米国メルク社と、可溶性グアニル酸シクラーゼ(sGC)モジュレーター領域での世界的な共同開発および共同販売の契約を締結した。これにより米国メルク社は、バイエルに10億USドルを前払い金として支払うとともに、売上額に応じたマイルストーンペイメントを行う予定である。

バイエルのコンシューマーケア事業、大幅強化へ

これまでに発表している事業統合に続く今回の事業取得によって、バイエルはヘルスケア業界の中でも非常に魅力的で成長性の高い領域である一般用医薬品(OTC)市場において世界第2位となる。また、さまざまな疾患領域におけるバイエルの事業と、各国・各地域への展開は大幅に強化されることになる。米国メルク社のコンシューマーケア事業にはClaritin™、Coppertone™ 、Dr. Scholl's™等の主要ブランドが含まれている。バイエルとメルク社のコンシューマーケア事業の2013年度売上総額の試算は74億USドル(55億ユーロ)に達しており、そのうち米国メルク社の売上高は約22億USドルとなっている。デッカーズは「今回の事業取得を通じて、すでに高い利益と安定したキャッシュフローを生み出している事業に、一層の事業領域拡大と収益力をもたらします」と述べた。

バイエル ヘルスケア社社長のオリヴィエ・ブランディクールは「今回の事業取得を通じて取得する主要製品ブランドは、北米および中南米地域においてバイエルをOTC市場のリーダーにするでしょう。また世界的な成功を収めている主要製品ブランドをさらに後押しするでしょう。米国以外の主要国においては、バイエルが既に保有している優れた商業的プレゼンスが統合後の事業売上を一層加速させることになり、特にそれら地域での大幅な成長が期待されます」とコメントした。事業取得完了後には、バイエルは一般用医薬品において最重要な5領域中の2つである皮膚科領域および消化器領域においてグローバルリーダーとなり、同時に風邪・アレルギー・鼻炎・インフルエンザ領域において第2位となるものと予想されている。栄養剤における第2位、鎮痛剤における第3位の地位に変更はない。

買収価格の142億US ドルには、一部の国では現在でも医療用医薬品であるClaritin™ と Afrin™の売上高に関連する支払いも含まれている。今回の買収価格は、2013年の試算EBITDAの21倍に相当する。今回の買収は当初は資産譲渡として扱われ、これによって譲渡完了後最初の年から大幅な税務面での改善効果があるとバイエルは考えている。また、マーケティング費用や製品原価等において、コスト面で2017年までに年間約2億USドルの大幅な削減効果も期待している。米国外の主要な成長地域においてメルクブランドを展開していく際も、増加した事業拠点とバイエルの確固たる基盤が利用できることが、収益においても相乗効果を生み、それはすでに2017年までに約4億USドルに上ると期待している。今回の取引の実行と事業統合について、バイエルは、2014~2015年に約5億USドルの一時コストが発生すると見込んでいる。

今回の取得に際してバイエルは、当初はバンクオブアメリカ、メリルリンチ、BNPパリバ、みずほ銀行から提供されるブリッジローンを使って資金調達を行う予定であり、将来的にはより広範囲の取引金融機関との提携を予定している。また後日、金融市場からシニア債及びハイブリッド債の組み合わせによる調達を予定している。今回の買収は譲渡完了後、既に最初の年において一株当たり中核利益に対して2%の改善効果が見込まれている。この買収は独占禁止法に関して関係当局からの承認が必要であり、譲渡の完了は2014年の後半を予定している。

米国メルク社のコンシューマーケア事業は大手のOTC企業であり、世界最大のOTC市場である北米で強力な存在となっている。2013年に同社のコンシューマーケア事業は同社ブランド力の強い米国において、売上の約70%を生み出した。同事業の製品は主として風邪・アレルギー・鼻炎・インフルエンザ、皮膚病薬(日焼け止めを含む)、フットケア、胃腸薬などであり、最も重要なブランドはClaritin™(アレルギー)、Coppertone™(日焼け止め)、Dr. Scholl's™ (フットケア)、MiraLAX™ (胃腸薬)、Afrin™(風邪薬)である。米国メルク社のコンシューマーケア事業は従業員約2,250人で、本社はニュージャージー州にある。生産工場はテネシー州クリーブランド(米)、ジョージア州チャツワース(米)、ケベック州ポイントクレア(カナダ)、上海(中国)などにある。日焼け止めとフットケアの研究施設および販売拠点はテネシー州メンフィス(米)にある。合併後の本社は、ニュージャージー州ホイッパニー(米)にあるバイエルの拠点に置かれることになる。

sGCモジュレーター領域での戦略的提携

関連契約としてバイエルと米国メルク社は、sGCモジュレーターを中心とする心血管疾患領域での戦略的提携を進めることに合意した。心血管疾患は最も重要な治療領域の1つであり、これまで一定の成果はあるものの、例えば肺高血圧症や心不全など、今もなお高いメディカルニーズがある。sGC経路に作用する新しい薬剤はこのニーズに対応できる可能性がある。しかしこの新しい化合物のベネフィットを十分に探るには大規模な開発努力と臨床試験計画が必要になる。今回の戦略的提携によって、この分野における最先端の2社が協働することになる。

デッカーズは「米国メルク社は、心血管疾患治療領域において専門知識を有する世界的な存在であり、バイエルのsGCプログラムにおけるふさわしいパートナーであると考えました。この提携を通じて、バイエルはより多くの患者さんに新薬を届ける機会を増やせると考えています。これはバイエルのミッション『Science For A Better Life』に合致するものです」と述べている。

米国メルク社の会長兼CEOのケネス・フレイジアー氏は「今、私たちはsGCモジュレーター領域で共同開発と販売協力を実施しようとしています。これにより両社は、新しいsGCモジュレーターの可能性をさらに追求することができるようになるでしょう」と述べている。

両社の業務提携にはアデムパス(一般名:リオシグアト)も含まれる。この製品は特定の種類の肺高血圧症の治療薬として既に承認を取得しており、追加適応の開発も実施されている。また、慢性心不全に対する2件のPhase IIb試験が進んでいる化合物vericiguatも含まれている。さらに両社は現在研究開発の初期段階にあるsGCモジュレーターについてもこの提携に含む可能性があると合意している。

バイエルと米国メルク社はsGCモジュレーターの開発にかかる費用と利益を均等分配し、共同開発・販売の戦略を実施する。アデムパスに関しては、バイエルは北米・中南米における販売活動を主導し、一方で米国メルク社がそれ以外の地域を主導する。また、vericiguatやその他の開発対象となるsGCモジュレーターについては、バイエルが北米・中南米以外の地域で販売活動を主導し、米国メルク社は北米・中南米を主導する。両社はアデムパスおよびその他sGCモジュレーターについて、それぞれの担当地域でコ・プロモーションを行うことができる。「この提携は当社がsGCモジュレーターに力を入れていることを示しており、これら有望な心血管疾患領域の新規化合物のさらなる可能性を探ることができるようになるでしょう」とブランディクールは述べている。

米国メルク社は、今後アデムパスを含む化合物の共同の売上に関連して、前払い金の10億USドル(7億ユーロ)および11億USドル(8億ユーロ)を上限とするマイルストーンペイメントを含む上限21億USドル(15億ユーロ)をバイエルに対して支払う予定である。

<将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)>
このニュースリリースには、バイエルグループもしくは各事業グループの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(www.bayer.com)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。

バイエル ホールディング株式会社
2014年5月9日、東京
Bayer Holding Ltd.