2020年08月12日
2020年第2四半期

バイエル:新型コロナウイルス感染症の影響にもかかわらず、堅実な業績

• 社員の安全確保とサプライチェーンの維持は引き続き最優先事項
• グループ売上高は前年同期比2.5パーセント減(為替・ポートフォリオ調整後)の100億54百万ユーロ
• 特別項目計上前EBITDAは前年同期比5.6パーセント増の28億83百万ユーロ
• クロップサイエンス部門は業績の成長を報告
• 医療用医薬品部門の売上高および利益は、主に中国における販売量に基づく調達政策と、新型コロナウイルス感染症により減少
• コンシューマーヘルス部門の売上高は、第1四半期における強い需要の後、わずかに減少(為替・ポートフォリオ調整後)
• 訴訟関連の特別項目― 旧モンサント社製品に関する主要な訴訟における合意― により、当期純損失は95億48百万ユーロ
• 1株あたりコア利益は前年同期比5.3パーセント増の1.59ユーロ
• フリー・キャッシュフローは14億2百万ユーロに増加
• 業績予測を新型コロナウイルス感染症の影響により修正

ドイツ レバクーゼン、2020年8月4日 ― 新型コロナウイルス感染症のパンデミックとそれに関連する不確実性にもかかわらず、バイエルグループの事業は、2020年第2四半期中、堅実な業績を達成した。ドイツ・バイエル社社長ヴェルナー・バウマンは、火曜日に行われた上半期の決算報告において「農業関連事業の成長により、私たちは特別項目計上前EBITDAを増加させました - そして私たちは困難な環境の中でこれを成し遂げました」と述べた。一方で、医療用医薬品部門およびコンシューマーヘルス部門の売上高は減少した。バウマンは「新型コロナウイルスのパンデミックの中、私たちの社員と、私たちが生活し、働いている社会の安全と健康は、引き続き私たちの最優先の目的です」と指摘した。同氏は、バイエルがこのような困難な時期において事業を継続するため、また医療機関、医師、患者さん、消費者、そして生産者に対する製品およびサービスの安定した供給を確保するために、必要な措置も講じていると述べた。バイエルは、パンデミックを理由として、当事業年度の業績予測を修正した。

2020年第2四半期は、米国における訴訟によっても特徴的なものだった。当社は2020年6月24日、「ラウンドアップ®」(有効成分:グリホサート)に関する製造物責任訴訟において合意に達したと発表した。この合意は、法的責任または違法行為の自認を一切含まない。約125,000件に上る提訴済みまたは未提訴のグリホサート関連の請求を解決し、また今後起こり得る「ラウンドアップ®」訴訟の管理、解決に向けての集団訴訟における和解合意にあてる費用の総額は、現在のところ、最大で109億米ドルと予測されている。集団訴訟における合意を承認すべき立場にあるカリフォルニア州北部地区連邦地方裁判所のChhabria 判事は、2020年7月6日、和解案の一定の要素について、懸念を表明した。その結果、当事者らは、裁判所の疑問に包括的に対処するため、申立てを取り下げることを決定した。バイエルは、合理的な条件で現在の訴訟に対処すると同時に、今後起こり得る訴訟を管理、解決するための、実行可能なソリューションを提供する解決策に向けて、引き続き最大限の努力を尽くしている。

2020年7月20日、カリフォルニア州控訴裁判所は、上訴手続きを通じて係争中の3件のうちの1件においてドウェイン・ジョンソン氏に有利な判決を支持したが、賠償総額を78.5百万米ドルから約20.5百万米ドルまで減額した。当社は、カリフォルニア州最高裁判所への上訴を含む法的選択肢を検討する予定である。Dicambaドリフト訴訟において、またPCB(ポリ塩化ビフェニル)による水質汚染訴訟のほとんどにおいても、和解合意に達した。

外科手術を伴わない永続的避妊法である医療器具「EssureTM」に関連する訴訟における合意の可能性については、最近議論が深まり、ここ数週間で順調に進展した。したがってバイエルは、第2四半期に適切な引当金を設定した。医療用医薬品部門は、主として「EssureTM」に関連する訴訟に対して、12億45百万ユーロの特別損失を計上した。

継続事業からの1株あたりコア利益は増加

2020年第2四半期のグループ売上高は、為替およびポートフォリオの調整後ベース(以下「為替・ポートフォリオ調整後」)で2.5パーセント減少し、100億54百万ユーロとなった。グループの特別項目計上前EBITDAは、12百万ユーロの為替のマイナス効果を控除した後で5.6パーセント増の28億83百万ユーロに増加した。バイエルグループのEBITは、特別項目の純損失額125億11百万ユーロ(2019年第2四半期:8億34百万ユーロ)の控除後で、マイナス107億84百万ユーロ(2019年第2四半期:プラス7億85百万ユーロ)であった。特別損失は主にグリホサート、DicambaおよびPCBに関する合意の達成に対する引当金で構成されている。その他の特別損失は、主に「EssureTM」に関連する医療用医薬品部門における訴訟関連費用と、進行中の事業再編プログラムによるものであった。グループは、当期純損失95億48百万ユーロ(2019年第2四半期:当期純利益4億4百万ユーロ)を計上した。継続事業からの1株あたりコア利益は5.3パーセント増加して1.59ユーロとなった。

フリー・キャッシュフローは14億2百万ユーロ(2019年第2四半期:7億51百万ユーロ)であった。純金融負債は2020年3月31日現在と比較して1.7パーセント増加し、2020年6月30日現在359億93百万ユーロとなった。これは営業活動による現金流入および為替のプラス効果が、配当金支払のための支出をほぼ相殺した結果である。

クロップサイエンス部門は4地域のうち3地域において成長を記録

農業関連事業(クロップサイエンス部門)において、バイエルは、売上高を3.2パーセント増(為替・ポートフォリオ調整後)の48億2百万ユーロに増加させた。中南米地域、アジア・太平洋地域および北米地域がこの増加に寄与した。同部門は、主にブラジルにおける販売量の大幅な拡大により、トウモロコシ種子および形質において2.7パーセントの売上増(為替・ポートフォリオ調整後)を達成した。除草剤の売上高は、販売量の増加と中南米地域における先行購入に、北米地域における事業の大幅な成長が加わって、3.3パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。特に大豆種子および形質の売上高は、北米地域において、作付面積が増加し、また新型コロナウイルス感染症に関する不確実性により第1四半期からの需要のシフトが生じたために事業が回復し、9.3パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)の力強い成長を見せた。中南米地域では、市場シェアの拡大がプラスの効果をもたらした。殺虫剤の売上高は、中南米地域およびアジア・太平洋地域における増加に牽引されて、4.5パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加した。これに対し、主として野菜種子(為替・ポートフォリオ調整後:5.0パーセント減)において減少が記録された。主に、次の四半期への需要のシフトと、新型コロナウイルス感染症のパンデミックにより事業がマイナスの影響を受けた北米地域において、売上高が減少した。

クロップサイエンス部門の特別項目計上前EBITDAは、28.4パーセント増の13億65百万ユーロに増加した。この増加は、バイエルが買収した事業の統合が進むにつれて加速したコスト・シナジーの実現と、販売量の増加が主な要因であった。

医療用医薬品部門は新型コロナウイルス感染症および中国における販売量に基づく調達政策により圧迫される


医療用医薬品部門の売上高は、8.8パーセント減(為替・ポートフォリオ調整後)の39億92百万ユーロに減少した。新型コロナウイルス感染症のパンデミックに伴い世界中で導入された接触制限および安全対策は、医療機関で実施される特定の治療法の減少を招き、一部の治療は延期された。これは特に婦人科領域、眼科領域および画像診断事業の製品に影響を及ぼした。それでも、第2四半期末に向けてわずかに回復傾向が見られた。中国では、特許期間が満了した製品の大幅な価格下落を伴う、販売量に基づく新たな調達政策の実施により、業績は再び押し下げられた。

バイエルは、経口抗凝固剤「イグザレルト®」の売上高を6.8パーセント(為替・ポートフォリオ調整後)増加させた。これは主に、中国、ロシアおよびドイツにおいて販売量が増加した結果である。抗悪性腫瘍剤「スチバーガ®」(為替・ポートフォリオ調整後:24.8パーセント増)および肺高血圧症治療剤「アデムパス®」(為替・ポートフォリオ調整後:23.6パーセント増)については、特に米国において両製品に対する需要が高まり、特に力強い増加を記録した。「スチバーガ®」の売上高は中国においても増加した。医療機関の外でも治療を継続できる経口製剤は、事業に利益をもたらした。

眼科用VEGF阻害剤「アイリーア®」の売上高は、治療数の減少により6.4パーセント減少した。この動向は、ヨーロッパおよび日本における「アイリーア®」のプレフィルドシリンジ製剤の発売と、日本における全体的な販売量の増加により一部相殺された。パンデミックは、子宮内システム「ミレーナ®」「KyleenaTM」「JaydessTM」の売上高の特に顕著な落込み(為替・ポートフォリオ調整後:37.0パーセント減)も招いた。医療機関の受診のキャンセルや延期に伴い、子宮内システムの挿入件数は特に米国において大幅に減少した。食後過血糖改善剤「グルコバイ®」の売上高は、主に中国における販売量に基づく調達政策の実施により、73.8パーセント減少した。これには、結果的に生じた販売量の増加でも相殺できない大幅な価格の引き下げが含まれる。

医療用医薬品部門の特別項目計上前EBITDAは、主として売上高の減少により7.1パーセント減の13億68百万ユーロに減少した。

コンシューマーヘルス部門では売上高がわずかに減少(為替・ポートフォリオ調整後)

セルフケア製品(コンシューマーヘルス部門)の売上高は、1.9パーセント減(為替・ポートフォリオ調整後)の12億1百万ユーロに減少した。非常に力強かった第1四半期の後、第2四半期は予想通り小売業者および消費者の在庫調整が発生した。パンデミックに伴いさまざまな地域で導入された隔離・安全対策も店舗販売の減少をもたらし、売上減少の要因となった。栄養補助食品領域は最大の増加(為替・ポートフォリオ調整後:14.4パーセント増)、アレルギー薬および風邪薬領域は最大の減少(為替・ポートフォリオ調整後:17.2パーセント減)を示した。

コンシューマーヘルス部門の特別項目計上前EBITDAは、10.9パーセント減の2億54百万ユーロに減少した。これは、新型コロナウイルス感染症の結果として販売量が減少したことと、2019年に売却した事業からの純利益約35百万ユーロがなかったことが主な要因である。

2020年度の業績予測を修正

新型コロナウイルス感染症のパンデミックの財政的影響は、依然として予測が困難である。そこでバイエルは、当年度上半期の事業動向および年度後半も不確実性を伴うとの仮定に基づき、2020年2月に発表した業績予測を以下の通り修正する。当社は、医療用医薬品部門およびコンシューマーヘルス部門の業績は全体として正常化するものと予測している。ただし、医療用医薬品部門について当初予測されていた成長は、達成されない見込みである。クロップサイエンス部門については、パンデミックに関連してバイオ燃料、飼料および繊維に対する需要が減少し、2021年度において作付面積の減少が予測され、また現在の大豆市場の動向から、2021年度の北米の作付シーズンに向かって第4四半期は抑制的なスタートとなると予測している。

その結果、バイエルグループの財務指標について、以下の変更を行った。当社は現在、為替の調整後売上高を430億ユーロから440億ユーロ(従来予測:440億ユーロから450億ユーロ)に成長させることを目標としている。これは、為替およびポートフォリオ調整後ベースで0パーセントから1パーセント(従来予測:約3パーセントから4パーセント)の増加に相当する。特別項目計上前EBITDAマージンを為替の調整後ベースで約28パーセント増加させるという目標は維持されている。売上目標に基づけば、これは為替の調整後ベースで約121億ユーロ(従来予測:123億ユーロから126億ユーロ)の特別項目計上前EBITDAに相当する。現在、1株あたりコア利益は為替の調整後ベースで6.70ユーロから6.90ユーロ(従来予測:7.00ユーロから7.20ユーロ)まで増加する見込みである。

バイエルはさらに、主としてブラジル・レアルの価値の下落により多額の為替のマイナス効果を計上すると予測している。2020年6月30日現在の為替レートに基づき、当社は現在、2020年度のグループの売上高は420億ユーロから430億ユーロ、特別項目計上前EBITDAマージンは28パーセント、1株あたりコア利益は6.40ユーロから6.60ユーロの計上となると予測している。

これに加えて、当社は現在、訴訟解決のための支払金がフリー・キャッシュフローを45億ユーロ減少させると予測している。これは当初の計画にはまだ算入されていなかった金額であり、臨時かつ経常外の費用とみなされる。現在、フリー・キャッシュフローはマイナス5億ユーロから0ユーロと予測されている。訴訟関連の支払金の資金調達を考慮して、バイエルは現在、純金融負債は約330億ユーロ(従来予測:約270億ユーロ)までの減少に止まるものと予測している。為替レートの変動は、フリー・キャッシュフローまたは純金融負債に重大な影響を及ぼさないものと予測している。

バイエルについて
バイエルは、ヘルスケアと食糧関連のライフサイエンス領域を中核事業とするグローバル企業です。その製品とサービスを通じて、世界人口の増加と高齢化によって生じる重要課題克服への取り組みをサポートすることで、人々の生活に貢献しています。同時に、収益力を高め、技術革新と成長を通して企業価値を創造することも目指しています。また、バイエルは、持続可能な発展に尽力し、バイエルブランドは、世界各国で信用と信頼性および品質の証となっています。グループ全体の売上高は435億ユーロ、従業員数は104,000名(2019年)。設備投資額は29億ユーロ、研究開発費は53億ユーロです。詳細はwww.bayer.comをご参照ください。



将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements)
このニュースリリースには、バイエルの経営陣による現在の試算および予測に基づく将来予想に関する記述 (Forward-Looking Statements) が含まれている場合がある。さまざまな既知・未知のリスク、不確実性、その他の要因により、将来の実績、財務状況、企業の動向または業績と、当文書における予測との間に大きな相違が生じることがある。これらの要因には、当社のWebサイト上(https://www.bayer.com/)に公開されている報告書に説明されているものが含まれる。当社は、これらの将来予想に関する記述を更新し、将来の出来事または情勢に適合させる責任を負うものではない。