事業の成長とサステナビリティの両立

「Health for all, hunger for none」-飢餓をなくし、すべての人々が健康的な生活を送れるようにすると同時に、生態系を保護する。これが、バイエルの企業としての目的である「Science for a better life」に沿って達成しようとしているビジョンです。バイエルグループの戦略の柱のひとつとしてサステナビリティを掲げ、現代社会が直面する主要な課題に取り組み、包摂的な成長を生み出すと同時に、バリューチェーンを通じてエコロジカル・フットプリント(環境負荷)を削減することに注力しています。私たちは、事業の成長とサステナビリティは両立すべきであると考えており、サステナビリティはバイエルのビジネス戦略の重要な要素となっています。
気候変動、水不足、生物多様性の損失は、現代社会が直面する喫緊の課題のひとつです。何十年もの間、人類は地球が再生できる以上の天然資源を消費してきました。このような損失はすでにその痕跡を残しており、人々の健康を損ない、増加する世界人口への食糧供給を危うくしています。また、貧困や格差、病気や飢餓が増加し、世界にはいまだ、医療へのアクセスが限られている人が数多く存在します。バイエルは、ヘルスケアと食糧分野をリードするグローバル企業として、事業活動を通じて、こうした課題に関する適切なソリューションを提供しています。
事業活動の中核としてのサステナビリティ
サステナビリティは、バイエルの戦略、事業活動の規範の中核となっています。私たちは事業を通じて持続可能な開発を促すことにより社会に影響を与え、企業としての成長機会を拡げます。バイエルグループのサステナビリティへの注力は、責任あるビジネスの実践に基づいており『バイエルのソーシャルエンゲージメントの基本原則』(BASE)が極めて重要な役割を果たしています。バイエルは、外部の独立したサステナビリティ評議会(Sustainability Council)より、サステナビリティに関するあらゆる課題について助言を受けています。当社の製品やサービスは、すでに世界で10億人以上の人々に届けられており、バイエルは今後、より多くの人々の包摂的な発展を可能にするために、食糧安全保障、医療、エコロジカル・フットプリントの削減に関する課題について、2030年までに達成すべき明確な目標を設定しています。
管理職の報酬におけるサステナビリティ目標
サステナビリティ目標は、当社の意思決定プロセスや、経営陣を含むすべての管理職の報酬制度に組み込まれています。「Science Based Targets」イニシアチブ(SBTi)によって検討された、当社の主要業績指標である「1億人」目標※と気候変動目標に基づき、目標を達成すると、経営陣の長期報酬に20%が加重されます。バイエルは、管理職の長期報酬に大きな影響を与える測定可能なサステナビリティ目標を設定した、世界初の事業会社のひとつです。
※バイエルは2030年までに、低中所得国において農業に携わる1億人の人々に最新の農法を、1億人の女性に現代的な避妊法へのアクセスを、1億人の人々に日常のヘルスケアサービスへのアクセスを提供することを目指しています。